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第71話 2人の士官

 

「戦いは楽しめたかえ?」

「ああ、存分に......。成果は計り知れないよ」


 アルテマ駐屯地の木陰。

 日差しを遮る緑陰の下、2人の士官が軍服姿で話していた。


「――――しかし良い殴られっぷりじゃったぞイグニス、見ていてスカッとしたわい」


 ニヤニヤと笑みを浮かべるフォルティシアに対し、決闘で粉砕されたメガネをそのままかけたハルバード中佐がため息をつく。


「メガネを買い替えねばならん、上官の貴様が弁償してくれるのだろうな、アルマ?」

「少女に殴られたんじゃ、むしろご褒美ではないのかえ?」

「それはお前のことだろうが......」


 バレたかとおどけ笑う中佐は、それこそ童顔も相まってかいつもより幼く見えた。


「おぬしの砕けたメガネが傑作じゃわい、ずっとそのままにしておいても良いんじゃぞ?」

「抜かせ、アイリ様にこれ以上笑われると尊厳が無くなってしまう。夕食時のネタにはなるがね」


 フゥと息を着いたフォルティシアは、ティナの一言を思い出してしまった。


「あやつ......カルロスと言っておった。記憶の方......、そろそろ限界のようじゃ」

「なんだ今さら、前々からわかっていてやったことなんだろう? あの日あの場所でパーティーに捨てられた彼女を見つけ、軍に入れたことも、自分の部下に置くべくレンジャー徽章を取らせたことも――――」


 うつむくフォルティシアは、いつになく強張った表情を見せる。

 それすなわち、図星であることを示していた。


「カルロス・クロムウェル大尉の指示なんだな? あいつを......、ティナ・クロムウェルを然るべきタイミングで迎えに行くよう言われたのか」


 壊れたメガネを外し、ポケットへ入れるハルバード中佐。


「バレバレなんだよアルマ、『血界魔装』を使える者はそういない。あれはいわゆる"王の力"だからね。まっ、本人に自覚はないだろうが」

「なんじゃ、ワシを告発でもするか? 罪状はさしずめ国家反逆罪かの?」

「まさか、10年前の"王城襲撃事件"を知っていれば、まだその時じゃない」


 不穏な風が2人を撫でた時、息を切らした伝令兵がやっと見つけたと言わんばかりに駆け寄ってきた。


「何事だ」


 仕事モードのスイッチを入れ、ハルバード中佐は伝令兵に用件を聞く。

 だがそれは、この後に控えた予定を全て吹っ飛ばすほどのものだった――――――


「クロスロード要塞より緊急です!! エンシェント・ドラゴンが出現し、ロンドニア郊外の防衛線を空爆、突破したとのこと!!!」


 王国最大の敵が一角、ドラゴンの攻撃が始まったのだ。



件の地震により作者の部屋が壊滅したので文量が少なめなことご容赦くださいm(_ _;)m。

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