四十四話 エルフのテクノロジー
司side
アルレイド先生の家で晩御飯を食べ終わった後アルレイド先生がパソコンぽい何かと丸いものを持ってきた。
「これ、何か分かるか?」
自慢そうにアルレイド先生が言う。
「板っぺらとペンダントですね」
どう見てもパソコンだしもう一個は魔法使いの変身アイテムなんだけどこんなものがここにあるわけないので敢えて違う答えを出した。
「ふ、何を隠そう。これはマカイターミナルと魔法強化ペンダントだ!」
『えー!?えー!?えー!?』
僕達は驚き過ぎて三回えー!?と言ってしまう。
「このマカイターミナルってアルレイド先生が作ったんですか?」
「ああ、自作だ」
「自作って、えぇ?」
パソコンみたいな形して地図やら図鑑やら入ってるあれが?うっそだー。
「お前達、今信じられないて考えてるだろ」
「いやだって、あんな膨大な情報量どこで手にしたんですか?村長の娘だからってそんな無理ですよー」
僕は手を横に振った。メイドをアンドロイドで作ったりしてるからパソコンくらい作れそうだけど中身までは作れないでしょー。
「まあ、わたし自ら調べたわけじゃなくてデータそのものは昔からあるらしいけどな」
「誰が調べたんです?」
「ノリナガモトオとか言ったな」
「それ確か日本地図作った人ですよね?」
「違った、宣長じゃなくてだな…………」
「 マカイターミナルのデータを作った方はシルシル・ニッチャンという名前ですね」
アルレイド家のメイドのアリスさんが言った。
「すいません、それ人、てかエルフの名前ですか?」
「はい、とてもユニークな名前ですね」
アリスさんの笑顔にドキッとする。ただこの人、さっきも言ったけどアンドロイド、つまりロボットなんだ。こんな可愛いのにロボットなんてエルフの技術力はすごいよ。
「その人が地図や図鑑を作ったんですか?」
「はい、魔界のあらとあらゆる場所を踏破し様々なものを見聞きしたそうです」
「やっぱ昔の人はどこもすごいんだね」
「まあな。で、こっちなんだが……」
アルレイド先生が魔法強化ペンダントを見せる。
「あの、それこれに似てません?」
絵里香ちゃんが魔法使いになる変身アイテムを出す。さなえも同じく。
「これは…………間違いない、魔法強化ペンダントだ。これをどこで………」
アルレイド先生が驚いた目でそれを見る。
「いえ、魔導システムです。もしくは魔導ユニット」
僕は訂正を入れた。
「いや、だから………」
「人間界だと魔法使いになれるアイテムとして一部に普及してます」
「違うぞ!これはエルフの魔力を強化して肉体にも反映させる優れものなんだぞ!断じてそんな高度なものじゃない!」
ん、何か変だな。僕は目を横に振る。
「どういうこと?魔法使いになる変身アイテムじゃないの?」
「わたし達が嘘をついてるの?」
絵里香ちゃんとさなえも困惑する。
「あの、人間界だと悪魔や天使が作ってるんですが本当はエルフが作ってたりします?」
僕は恐る恐る聞いた。
「そうだ、エルフの技術で門外不出のはずだ」
「それが既に嘘だな」
悠が言う。
「なぜだ」
「エルフが最初、というのは間違いないだろう。なにしろアンドロイドやマカイターミナルまで作れるのだからな。だが天使と悪魔も同じ技術を持っている。いや、少なくともアンダーグラウンドで見た悪魔はそんなもの持ち合わせていなかった。と、なれば…………」
悠が歩き回りながら間を置く。なんで推理小説の探偵役て歩き回りながら推理を話すんだろ。
「だがそこへ一部の悪魔や天使がやってきた、彼らは意図的にか偶然にかそこへ迷いこんだのだろう。そこでエルフの技術力を身につけ外へ持ち込んだ、後は司の言った通りだ」
「だが門外不出の技術をどうして………」
「世の中にはそういう変わり者や頑固者でもその気にさせるやつがいるということさ」
「でもさあ、エルフってなんでアンドロイド作ったりマカイターミナル作ったり出来んだよ。そんな技術力すごいのか?」
「ああ?」
豊太郎の言葉にアルレイド先生が低い声を出す。元々女の人にしては低めだけどさっきのはもっと低かった。
「いや、だって竜人や獣人はそんな技術力ないのになんでエルフだけアンドロイドとかマカイターミナル作れるんだよ。エルフってそんな頭いいのか?」
文明の発展の差か、確かにそれはあるかも。
「ま、まあそれなりに………」
「怪しい」
「エルフの使う高度な技術はほとんどがニッチャンという方からの提供です。どこからともなく現れエルフ達に技術を提供したらしいです」
アリスさんが言った。
「またその人!?ニッチャンてそんなすごいエルフなの?」
「らしいですね。少なくともわたくしはそう聞いております」
「それ、本当にエルフか?エルフに偽装した別の何かじゃないのか?それまで全くなかった技術を急に提供するという時点でおかしい気もするが」
悠が言う。
「それは論理的ですね」
「いや馬鹿な………」
納得するアリスさんと違ってアルレイド先生は悠の言葉をとても受け入れられなかった。
アルレイド先生の実家に泊まった次の日、朝食を食べていると悠が言った。
「今日はどうする?機械竜を探そうにも当てはないが」
「あの、この辺りでマジンていう名前聞いたことあります?」
僕はアルレイド先生達に聞いた。
「あんたらがそういう連中と会ってることは知ってるけどこの辺りにいるかは分からないわ」
アルレイド先生のお母さんが答える。
「そうですかー」
場所が分からないてのはちょっと残念。
「マジンか、確かにマジンの力は得られるに越したことはないな」
悠が言う。
「でも場所が分かんないんじゃなー」
絵里香ちゃんが頬に手を当ててぶーと口を尖らす。
「知るかよ、俺達の行くところには必ずマジンが出てくんだ。探せばどっか出てくんだろ」
「場所は動いてから探すんですね、やりましょう!」
豊太郎とエミリアが言う。
「うわ、なんかそれ疲れそう」
「同感」
アリエルちゃんとさなえが言う。
「マジンですか、噂には聞いたことがあります。今まではどのようなマジンと?」
デモリアさんが言う。
「そうさねえ、みんなアンドロイド、というかゴーレム?のカラフルな感じで炎で出来てたり忍者の格好してたりするんだよ。エンマジンとシノビマジンていうんだけどね、あとヤミマジンてのがいるんだけどあれはアマツカしか会ってないんだよ」
「あれの話はしたくない」
アマツカが不貞腐れて言った。
「ははは………」
「なぜです?」
「いや、あれのせいでアマツカ、暴走したんだよね。だからトラウマになっちゃって」
「それは………ご愁傷様です」
そこで元太くんを見るデモリアさん。見られたことに気づいた元太くんがそっぽを向く、まだ避けられてるのか。
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