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魔導奏者りりかさん魔界編  作者: 兵郎
三章 アンダーグラウンド、悪魔の国
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四十話 ファクトリー




というわけで工場に来た、煙突のあるコンクリートで出来てそうな灰色の無骨な建物でいかにも工場て感じの建物だ。


僕とさなえ、絵里香ちゃんは魔法使いに変身しているけどアマツカ達はMギアにしまったままだ。悠曰く、ギアーズアクトの力を節約するためにアマツカ達を前線から引かせて僕達がマシンワイバーンを倒すことにしたんだ。


「これは…………どうやって開けるの?取っ手がないようだけれど」


デモリアさんがガラス張りのドアを見て言う。


「まあ、見てなって」


元太くんがドアに近づく。


ピンポーン、トゥルルトゥルル。


ドアが勝手にスライドして開いた。


『こ、コンビニ?』


軽快なチャイムと共に開く自動ドア、それは明らかにコンビニにあるものだった。


「え、コンビニ?!異世界にコンビニ?どういうこと?!おかしくない?!ここほんとに異世界?!」


僕は自動ドアの異質さに声を上げた。


「どうやら連中の技術力は異世界でも進んでるようだな、コンビニの音が出るのは分からないが」


悠も冷や汗をかきながら言った。


「すげえな暗黒ジャグラーズ!コンビニ作れるぜ!」


豊太郎が声を上げる。


「じゃあ24時間人員を配置しないと」


さなえが言う。それは人とは限らないんじゃないかな。


「さっきからコンビニてなんだよ、すごいのか?」


元太くんが言う。


「さっきも言ったけど24時間毎日やってるお店なの、ご飯や生活用品が揃うすごい場所なんだよ」


絵里香ちゃんが言う。


「すげえなコンビニ!働いてるやつ疲れないのかよ」


「大丈夫、ちゃんと疲れる前に別の人に交代するから」


「へー、そこはちゃんとしてるんだな」


「無駄話はこの辺りにして、そろそろ行くか」


『おー!』


悠の言葉に僕達は拳を振り上げた。


入り口のある広間を進むと白いツルツルした壁が広がっていた。こういうのも工場っぽいったら工場っぽいね。


横にドアがあるのを見つけて触ってみる。


「待て、触るな!」


悠が止めるけどもう遅い、またトゥルルトゥルルというコンビニの音と共に自動ドアが開いてしまった。


「誰もいないじゃん」


部屋の中は無人でワイバーン一匹いなかった。


「たっ!なにすんだよもう」


急に頭を叩かれた。叩かれた方を見ると絵里香ちゃんがいた。


「もう、駄目だよーあまちゃん、敵の基地にいるのに不用心にもの触っちゃぁ。そんなんだからあまちゃんなんだよ」


「いや、触ってないし、自動ドアだし、てかあまちゃんて僕の名字から取ってるんだよね?」


「問答無用!以後気をつける!」


「は、はい………」


『あ』


誰もいないわけじゃなかった。横を見るとワイバーンがフォークとナイフを使って器用に肉を食べていた。ワイバーンだけあって肉も特大サイズだ、何の動物の肉だろう。


「グル?」


ワイバーンと目が合う。


「見つかったか!」


「グォォォォ!」


悠が叫ぶのが合図になったようにワイバーンが雄叫びを上げる。するとウー、ウーと赤いランプの警報が鳴って部屋の外からワイバーンの声がいくつも聞こえてきた。


「まずい、逃げるぞ!」


悠の合図で部屋を出る。


「グルルル………」


部屋の外では何体のもワイバーンが集まって廊下を塞いでいた。


「突破するぞ!」


『はぁー!』


僕はさなえ達と一緒にワイバーンを蹴散らす。


「グオオォッ!」


けどもっと後方にいたワイバーンが火の玉を発射してきた。


「うわー!」


『きゃー!』


悲鳴を上げて僕達は吹き飛ばされる。


「チッ、やはり屋内で戦うとなると無理があるか」


悠が舌打ちする。


「ここは俺の番だー!」


「いや待て、まだお前達の番じゃない!」


ヴァミラがMギアから出てきて吠えるけど悠が止めた。


「でもどうすんだよ、後ろつけられてるぜ?」


「くっ」


豊太郎の言葉で歯ぎしりする。


「しょうがない、ここはやっぱり………」


僕がMギアを取り出そうとした時、目の前のワイバーンのお腹が何かに貫かれた。貫かれたものがある方を見るとそれはデモリアさんの腕から伸びていた。いや、腕そのものが黒いものに変化して伸びていたんだ。


「デモリア、さん?」


僕はあまりの驚きに言葉が続かなかった。これじゃあまるで…………。


「怪物みたい、とでも言うのでしょう。ご心配なく、熟練の悪魔とはこういうものですから」


デモリアさんが不敵に笑って腕を戻した。そしてバッとその腕を振ると紫のオーラに包まれて身体全体が別のものになっていた。黒い肌に大きな羽根や鋭い爪、濃い紫のドレスが映えていた、そしてなによりも……………。


「あだっ!たったった…………」


デモリアさんの大きな胸を見てたらさなえに足を踏まれて飛び跳ねることになった。


「遊んでる場合か!後ろにも付かれてるんだぞ!」


悠が怒って言う。


「だって司が………」


さなえが言い訳を言おうとするのを悠が遮った。


「だってじゃないだろ。たく、こんなところで色気づいてる場合か」


「やれやれ、黒い勇者様は遊び心がありませんね」


デモリアさんが言う。確かに悠のファッションは黒いけど。


「下手したら生死に関わるんでな」


「いいでしょう、突破します!」


そう言うとデモリアさんは後ろのワイバーンを倒すと正面の敵を蹴散らしに向かった。ブアッという音と共に紫の魔力が発射されてワイバーンを吹っ飛ばしていく。僕達はその後を続くだけでいい。


しばらくすると壁際にワイバーン達を背中から繋げる広間に出た。


「さっきよりも数が多いな」


「ご心配なく、あの程度余裕です」


悠の言葉にデモリアさんが力強く言う。デモリアさんはそこから消えたかと思うとワイバーンの群れに向かっていく。


ドガァァッ!ガンガンガン!


まず蹴りで一体を吹っ飛ばしすともう一体の顔を手で覆って魔力をぶつける。


「グオオォッ!」


後ろから完全に倒しきれてなかったのか、廊下で吹っ飛ばされたワイバーン達がやってきる。


「少しくらい僕達もやらないとね」


「うん!」


「だね!」


「参ります!」


僕はさなえ達と後ろから来たワイバーン達を迎え撃つ。弓矢でワイバーンの首元を狙い、頭と胴体を切断する。大抵の生き物は頭と胴体が別れたら死んだも同然だ。


「はあっ!」


さなえはワイバーンの開いた口目掛けてビームを発射する。ビームはいとも簡単にワイバーンの頭を貫通してワイバーンを倒した。モンスターともいえ、口の中をやられたらひとたまりもない。


「最近魔法使いになったばかりなのによくそんな戦い方出来るね」


「これくらい考えれば分かる」


僕がさなえに聞くと平担な返事が来た。


「うりゃりゃりゃー!」


絵里香ちゃんは身体を使ってワイバーン達に打撃を与えていく。頭なんて使わない、単純な力技だ。僕の目の前に現れたら邪魔になるけど離れたところで暴れる分にはいいかな。


「はっ!ふっ、やあっ!」


エミリアは分身と刀を使ってワイバーンの首元を狙う。マシンワイバーンと言っても機械の部分は一部だけで首元とか無防備な箇所もあるんだ。むしろ機械の部分があるのに首みたいな急所が無防備になってるのが不思議。


「ふふふ、こんなに暴れたのは久しぶりね」


後ろから不穏な声が聞こえる。悪魔の司祭て定期的に戦うものなんだ、声もザ、悪魔て感じの邪悪な感じだよ。


「消えなさい!」


ブォンて音がしてワイバーンが爆発していく。首や素肌の部分を狙ったんじゃ爆発なんてしない、胴体の機械の部分を狙ったんだ。


「ふははははは!」


それからも笑い声と共にワイバーンが爆発していく、自分の戦いに集中しなきゃと思ってもつい見てしまう。


デモリアさんの爪は振るわれるために魔力の剣が伸びてワイバーンの機械部分を切り裂いていく。


デモリアさんの笑い声はまるで戦いをいや、ワイバーンを壊すことを楽しんでるように聞こえた。ワイバーンが悪いモンスターだからと言ってもあそこまで笑うのはちょっと変だ。やっぱり本物の悪魔はどこか狂っている。


大きな爆発が起きるとデモリアさんの周りのワイバーンは跡形もなくいなくなった。するとデモリアさんの姿が消えて僕達の前で爆発が起きて僕達の前のワイバーンも全ていなくなった。


「これで、全てですね」


デモリアさんが言った。


「すごい………」


僕はデモリアさんの力に感嘆するしかなかった。



今回もお読みいただきありがとうございます。ブックマークや評価お願いします

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