三話 ジルドレイ隊との自己紹介
冒険の前にまず現地民の人と自己紹介しないとねていう話です
軍の人達がフレアドラゴン達を牛舎、ならぬ竜舎に入れる。いや、この場合は竜小屋かな。
隊長がアマツカを見て僕に言う。今のアマツカはさっきの大人サイズから子供サイズになっていた。元は大きい方なんだけどMギアの影響で普段はこっちの姿で活動しているんだ。
「その子は誰だい?どこから来たんだ?」
「さっき僕といた天使です、普段はこっちの姿なんです」
「君達はいったい…………」
「まあ、色々、ね……………」
僕はMギアと魔導システムのデバイスを見せた。
「その器械は…………!」
隊長がMギアの方を見る。
「これ、知ってるんですか?」
もしかしてこの世界に既にMギア使いが来てるとか?この世界とあっちの世界じゃ時間の進み方が違うから一緒に来た仲間が先に来てたて可能性もあるけど。
「もう一つの方は知らないけどこっちは博物館の石版見たことあるんだ。世界に危機が陥った時に現れる伝説の勇者が持つアイテムらしいけどそれを君が持ってるということは…………」
「えっと…………僕がその一人で彼が僕のパートナーです」
隊長に迫られ僕は恐る恐る答える。博物館の石版にある道具を持ってる人、なんて言われると緊張しちゃうな。
「なんだってー!」
「本物かよ!」
「すげえ!俺達伝説の人に会っちまったよ!」
他の隊員達もそれを聞いて歓声を上げる。
「やっぱり!伝説の人物に会えるなんて感激だよ!ぜひ握手してくれ!」
隊長が僕に両手を差し出す。
「は、はい………」
僕はまた緊張しながら隊長の前に両手を出す。
「俺も俺も!俺とも握手してくれ!」
「いや俺が先だろ!」
「俺だって!」
隊員達も両手を出して僕に握手を求める。まるでアイドルみたいだ。
アイドルとかはそんな派手なの僕には合わないんだけどな。
「そっちの君も握手してくれないかい?」
「あ、ああ」
アマツカも握手を求められて人が殺到して困り顔になることになった。
握手の余韻が冷めると隊長が言った。
「おっと、自己紹介がまだだったね。わたしはドラグエンパイアの王国直属騎士団の第五部隊隊長、 ジルドレイ・ハーンだ」
子供を大量に誘拐したりフランスの聖女の名前を叫びそうな名前だ。
さっきから話してるとこの人、戦いで見るより結構フランクな性格みたいだ。
「でこの長い髪のやつがゴロー、女に目がなくて休みの日はいつもナンパばかりしてるんだ。それだけじゃなくて仕事の合間にもやってる超軟派男だけどな」
ジルドレイさんが紹介した人は髪がウェーブしてて目や口の形は甘い匂いを感じさせてナンパしたらすぐ女の子を虜に出来そうな姿をしていた。
苗字は一部の人しかない世界なのかな。
「どうも、ゴローです。君可愛いーねぇ、僕とデートするぅ?しちゃうぅ?」
ゴローさんが女の子を誘いそうな軽い声で僕に言う。
「あの、すいません。僕、男なんです」
ゴローさんには悪いけど僕は恐る恐る言った。
「お、おう………。それは残念、でもご飯くらいは一緒してもいいよ」
僕が男だと分かってもゴローさんはこう言って爽やかにウインクした。見た目が見た目だけに男の僕でも惚れそう。
「ありがとうございます、考えときます」
ジルドレイさんが別の人を示す。
「で、このなに考えてるかわかんないのがハリー。大人しいしあまり喋らないからほんとになに考えてるのかわからん」
そういえばこの人は握手してきた時もみんなは楽しそうなのにこの人は無表情だったな。さなえより分かりづらいんじゃないかな。
あ、さなえってのはこの世界に一緒に来てるはずの仲間で僕の小学校からの友達なんだ。
「ハリーです、よろしく」
「ど、どうも………」
ハリーさんが挨拶するけど無表情で口数が少ないせいで会話もやりづらい。
ジルドレイさんがまた別の人を示す。
「で、この髪が逆立ってるのがユーリだ。喧嘩っ早い熱血漢で髪の毛のセットに余念がない猪突猛進男だ。でも猪突猛進過ぎて怪我も多いし足手まといになることもしばしばなんだよ」
「ちょっと隊長ー、それは言い過ぎっしょー。俺だって活躍することあるんだから足手まといはないっしょー」
ユーリさんがジルドレイさんに抗議する。
ゴローさんより性格がチャラそう。
「なに言ってんだ、戦いの度お前が先に突っ込んで敵に狙われてるじゃないか!それでお前を助けるのにどんなに苦労したか…………」
ジルドレイさんがユーリさんに彼の愚行のせいで困ってるのを抗議する。
「でもみんな無事だからいいじゃないすか」
「お前なぁ………」
それに対してユーリさんはいい加減な態度でジルドレイさんの顔にも苦悩が出ていた。
「俺がユーリだ、改めてよろしく頼むぜ」
ユーリさんが親指で自分を指す。
「よろしくお願いします」
それから隊の人を順に紹介していく。
最後に僕達が自己紹介する番になった。
「えっと、人間界から来ました。天城司って言います、天城が苗字で司が名前です。Mギアを使ってそこにいるアマツカと一緒にこの世界を救うために来ました、よろしくお願いします!」
僕は頭を下げる。
『おー!』
隊員さん達から拍手と歓声が上がった。
「君達の世界は苗字が名前が先に来るのか、すごいな!」
ジルドレイさんが言った。
やっぱりこの世界でも日本人の苗字の順は珍しいみたいだ。
「いえ、苗字が先にあるのは一部の国だけですから」
「ほー、他の国は違うのか」
「ええ、欧米とかヨーロッパて呼ばれるとこだとジルドレイさんみたいに苗字が後に来る名前になってます」
「苗字があるということは君は貴族や王族なのかい?」
「いえ、僕の世界の人はみんな苗字があります」
『おー!』
そこでまた歓声が上がった。
「人間界というのはすごいな、興味が湧いてきたよ」
名前だけで興味を持たれるなんて異世界てすごいな。
「アマツカ、君も自己紹介して」
「俺はいい」
僕は彼に促すけど断られた。
「いいとか言わずに名前くらい言おうよ、これからしばらくお世話になるかもしれないんだし」
「俺は戦うだけだ、親交を深める必要はない」
そっぽを向いてアマツカが言う。
「そんな言わずに、頼むよー。ね?」
僕は手をパン!と合わせて頼んだ。
「むう………、分かった」
ちょっとしかめっ面をしたけど了承してくれた。
「俺はアマツカだ。元は天界の天使だが司がMギアを手に入れてからその力で戦うようになった」
「アマツカか、司くんの苗字と似てるね」
ジルドレイさんが言う。
「ふん、たまたまだ」
そっけないアマツカの返事。知り合い以外だと愛想悪いのかな。
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