妹すごいかわいいからね
俺の名前は二条兄太。さほどイケメンではないがクラスでも二人ほどの女の子に片思いされているフツメン。ちょいモテ高校生といったところか。委員長になっていればもっと面白くできたのにね!ちょいモテ委員長!なんつって。と、そんなことを考えていた今日この頃。俺に人生最大の危機が訪れようとしていた。現在俺は妹の部屋で正座させられている。重要なのは正座という部分とさせられているという部分。正座というのはそもそもがキツイ座り方の代名詞で、それをさせられているということは自発的に苦行を行うドMというわけでもなく純粋和風人間というわけでもなく反省を強いられているということ。誰にといわれれば俺の前に鬼のような形相で仁王立ちする妹と答えるしかない。鬼のような形相をしていてもかわいいとはいったい俺の妹はどうしてしまったのだろう。いやかわいいのはいつものことだったか。ハッハッハッ。
「なに笑ってんのよ!」
つい笑ってしまっていたらしく妹が噛みついてくる。いやこれは比喩だぞ?妹に噛みつかれるとかどんなご褒美だよ。でもほんとに噛みつかれても怖いので素直に謝っておく。
「ごめんなさい」
「ごめんで済むと思ってンのかこのハゲ!」
妹はあまりの怒りに口調が変わっており俺が実はハゲていないことにもきづいていない。
「なんでアタシがこんなに怒ってるか分かる!?」
「私が勝手に妹様の部屋に入ったからでしょうか」
「それもあるけど勝手に入るのはもう43回目だから諦めてるわよ!それでも!アタシが!こんなに!ぶちギレてるのはなんで!?」
「わかりましぇん」
「ぶっ殺すわよ!?」
俺の妹がキルマシーンに!!俺の妹、二条妹子がオモチャのナイフを振り上げてきた!うわまってそれオモチャでもあたると危ないから!俺は陸上部(幽霊部員)で鍛えた脚力で後ろに飛び退きナイフを回避する。落ち着け!落ち着け!と必死に身振りで訴えると妹子はナイフを下ろし、机に置いてくれた。
「アタシが怒ってるのはねぇ~!アンタがアタシの下着を勝手に盗んでったからよ!!!」
いやまて。俺は確かに妹の部屋に侵入はしたが下着なんて盗んでないぞ!?俺はそんな変態じゃない。清純派のシスコンなんだ。弁解をしようと口を開く。
「待ってくれ妹子!俺は下着なんて盗んじゃいない!」
「ここまできて嘘を吐くかぁ~。このド腐れ変態兄貴が!!死ね!!!」
弁解も虚しく妹のハイキックが眼前に迫る。こんな時だがパンツがみえた。ピンクか。いいね!
そんな思考を最後に、俺の意識は闇へと沈んでいった。