表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我儘王女は目下逃亡中につき  作者: 春賀 天(はるか てん)
【小話】~サイドストーリー
60/78

【小話⑥ー2ミレニアとアニエス】

【小話⑥ー2】




「ーー本当(ほんとう)(こま)った()ね。可愛(かわい)いアニエス。貴女(あなた)がユーリウス王子(おうじ)()いているのは(むかし)から()ってはいるけれど、(さき)ほども()った(とお)りあの王子は(けっ)して貴女のものにはなりませんわ。


たとえリルディアと王太子(おうたいし)婚約(こんやく)解消(かいしょう)になって貴女がセルリアの王太子妃(おうたいしひ)になれたとしても、それは“政略(せいりゃく)結婚(けっこん)”という()ばかりの(つま)であり貴女が不幸(ふこう)になるだけよ?


あの王子が(あい)しているのはリルディアなのです。だから貴女の(おも)いは王子には決して(とど)かない。(おっと)に愛されず()()きすらされない王妃(おうひ)がどれだけ不幸であるかは貴女にもよく()かりますでしょう?


アニエス、(わたくし)は夫を()った(こと)()()かされたのです。(おんな)(のぞ)まれて愛されてこそ幸せになれますのよ?

望まれもしない、愛されてもいない、体裁(ていさい)だけを(ととの)えた形だけの夫婦(ふうふ)などただの(あか)他人(たにん)(たが)いに生物的(せいぶつてき)には(からだ)(かさ)ねられても、それは愛情(あいじょう)などではなく娼館(しょうかん)の女の(あつか)いと(おな)じ。(ちが)うのは子孫(しそん)(のこ)(ため)だけの

義務(ぎむ)(てき)行為(こうい)という事だけ。


貴女にはそういう()(かた)をして()しくはないの。王族(おうぞく)として政略結婚に()(とな)える事は(ゆる)されませんが、出来(でき)る事ならば貴女を(こころ)から愛してくれる(もの)が夫となる事を(あね)として(のぞ)んでいますわ。


だからこそ貴女の為を(おも)って言うのですよ? セルリアの王太子の事は(わす)れなさい? そしてリルディアに(かか)わってはなりません。あの子(リルディア)色々(いろいろ)意味(いみ)で『(わざわ)いの(たね)』なのです。得体(えたい)の知れぬ災いは()けて(とお)ざけるのが(かしこ)回避(かいひ)(ほう)というもの。


イルミナ姉上(あねうえ)はあの(とお)大変(たいへん)(つよ)(かた)なので心配(しんぱい)無用(むよう)なのですけれど、貴女も姉上同様(どうよう)に自分から()かっていく気性(きしょう)でもあるので、これでも心配しておりますのよ?」



そんな姉の心配にもアニエスは視線(しせん)()らしてそっぽを向くと(ふく)れっ(つら)面白(おもしろ)くなさげに(くち)(ひら)く。



「ミレニア姉上は(むかし)とは(ちが)ってお()わりになられたわ? 昔の姉上ならば、リルディアなど所詮(しょせん)妾腹(しょうふく)子供(こども)であり、私達(わたくしたち)とは雲泥(うんでい)()存在(そんざい)価値(かち)が違うのだと、(おな)()半分(はんぶん)(なが)れているだけでも屈辱的(くつじょくてき)(けが)らわしいと嫌悪(けんお)されておりましたのに(いま)では(なに)(おっしゃ)られませんのね?


母上でさえも今の姉上と同じく愛妾(あいしょう)親子(おやこ)の事は「あの(もの)(たち)が何をしていようと(かか)わらず()()け」と仰るだけ。イルミナ姉上は違う意味で変わられてしまわれたけれど、一体(いったい)どういう心境(しんきょう)変化(へんか)ですの? まさか母上も姉上もあの愛妾親子に(くっ)しておしまいになられましたの?」



姉の(うで)をギュッと(つか)んだまま見つめるアニエスにミレニアはゆっくりと(くび)左右(さゆう)()る。



「いいえ、屈したとかそういう事ではありません。母上も母上なりにお考えのあっての事でしょうし、私もいつまでも子供のままではいられませんわ。この貴族(きぞく)社会(しゃかい)という『戦場(せんじょう)』の中心(ちゅうしん)に立たねばならないのですから。


いずれ貴女にも理解(りかい)する時がくるでしょうけれど貴女は(ほか)の貴族の令嬢(れいじょう)(たち)と同じとはいかないのです。(とき)には自分の感情(かんじょう)(ころ)してでも賢く立ち回れる(よう)(こと)選択(せんたく)せねばなりません。


母上が貴女に何も仰られないのは貴女が大人になりきれてはいないからよ。そして貴女には出来ればデコルデ(じょう)仲良(なかよ)くなって、こちらに()()れてもらえれば()いのだけれど、あの令嬢は父親(ちちおや)同様に賢く(あたま)()れる(うえ)侯爵(こうしゃく)自体(じたい)個人的(こじんてき)にフォルセナ(がわ)人間(にんげん)(きら)っているので、こればっかりは(むずか)しい事ね」



それを聞いたアニエスは姉の腕を離すと(まく)()てる。



「あの生意気(なまいき)なローズロッテと仲良くですって!? 冗談ではありませんわ! あの(むすめ)ほど無礼(ぶれい)な女は他におりませんわよ! しかも王女である(わたくし)敬意(けいい)すら(はら)わずに、いつも無礼な(くち)(ごた)えの数々(かずかず)(なら)()てるのです。


そして二言目(ふたことめ)には“デコルデ()(てき)(まわ)すと大変(たいへん)な事になる”と事もあろうに自分達の主君(しゅくん)でもある王女に向かって(おど)発言(はつげん)まで。たかが一貴族の令嬢の分際(ぶんざい)であまりにも傍若(ぼうじゃく)無人(ぶじん)()ぎますでしょう? 


それなのに母上に(もう)()げても全く()()っても下さらないし、(ぎゃく)に姉上の様に“機嫌(きげん)を取って仲良くなさい”とまで仰るのよ? なぜこの(わたくし)格下(かくした)の者の機嫌を取らねばなりませんのよ? ()愉快(ゆかい)(きわ)まりませんわ。本来(ほんらい)ならばあの者が私の機嫌を取るのが常識(じょうしき)でありましょうに。


しかもデコルデ侯爵は父上の家臣(かしん)であり私達にとっても家来(けらい)であるはずなのに親子(おやこ)そろって私達王族を侮辱しておりますわ!


私は貴族の令嬢達の中でもローズロッテだけは大嫌いです! あの女が今までの数々の無礼を(ゆか)(ひざ)まづいて()いて()びる事でもない(かぎ)り絶対に仲良くなど出来ませんわ!」



一気(いっき)に捲し立てて息の(あら)いアニエスを(なだ)める様に紅茶(こうちゃ)を口にするよう(すす)める。



困った子ねーーこのプライドの(たか)さは母上(ゆず)りでもあるから仕方(しかた)のない事なのだけれど、このように高飛車(たかびしゃ)傲慢(ごうまん)になってしまっては周りから(きら)われ孤立(こりつ)してしまう。


母上が乳母(うば)を立てずに直接(ちょくせつ)ご自分でアニエスを(そだ)てたのが全て(あだ)となってしまわれたわね。アニエスは確かに性格は悪いけれど、それでも姉の体を気遣(きづか)(やさ)しい一面(いちめん)も持っているのに、母上から()()まれた『自尊心(じそんしん)』がここまでアニエスの性格に影響(えいきょう)してしまうなんて本当に可哀想(かわいそう)不憫(ふびん)な子ーーー



ミレニアは口には出す事のない同情の言葉を妹に向けながらもゆっくりと首を振る。



「アニエス、落ち着いて? 貴女が侯爵令嬢を嫌っているのはよく分かりましたから仲良くしろなどとはもう言いませんわ。けれどデコルデ侯爵家を敵に回せない事は『事実』なのです。


あの家の影響力はそれほどに大きく侯爵家一族だけで一国(いっこく)(あら)たに建立(けんりつ)する事も可能(かのう)なほどに大きいのだと言えば理解(りかい)出来るでしょう?


それでもデコルデ嬢はとても賢い方なので貴女との喧嘩(けんか)くらいで私情(しじょう)(はし)るほど(おろ)かではないでしょうから私達(わたくしたち)(おもて)()って敵対(てきたい)する事はないとは思いますが、リルディアとその母親の扱いにだけはくれぐれも行き過ぎない様に気を付けるのですよ?


あの親子に対しての私達の言葉や態度には父上は看過(かんか)されてはおりますが、その父上の忠告(ちゅうこく)無視(むし)して危害(きがい)(およ)ぶ様であれば、例え血を分けた肉親(にくしん)であろうとも容赦(ようしゃ)なく王家から排斥(はいせき)される事でしょう」



そんなミレニアの言葉にアニエスは不満(ふまん)げな顔で反論(はんろん)する。



「排斥ですって!? そんな事が出来るはずがありませんでしょう? 私達(わたくしたち)は父上の実子でありしかもフォルセナ王家の血縁(けつえん)ですのよ? 私達(わたくしたち)こそがこの世で(もっと)高貴(こうき)な血族の人間であり人々(ひとびと)から(うやま)われなければなりませんのに、何故(なぜ)あのような(いや)しい血を引く者達の方が大切(たいせつ)に扱われなければなりませんのよ!


それにリルディアなど本当に父上の子供であるのか(うたが)わしいところですわ。あの娘は父上の面影(おもかげ)すらも見当たらないくらい全く似てはおりませんし、母親が酒場(さかば)の娘ですもの。母親のあれだけ男を(さそ)容姿(ようし)があれば今まで沢山(たくさん)の男達を(かこ)っていたに決まっておりますわよ! ですからリルディアの本当の父親はきっとその中の一人でーーー」



パッチンーーー



部屋には雷鳴の音ではなく(かる)平手(ひらて)()ちの音が(みじ)(ひび)く。そして突然ミレニアに両頬(りょうほほ)を軽く(たた)かれたアニエスと(ひか)えていた侍女達が唖然(あぜん)としてその場に固まり、ミレニアはそんなアニエスの頬を両手(りょうて)()てたまま(けわ)しい表情で見つめる。



「アニエス、今の言葉は聞かなかった事にしますわ。勿論(もちろん)、この部屋での会話は私達(わたくしたち)の侍女達にも決して他言(たごん)しない様、きつく厳命(げんめい)致します」



「ミレニア姉上!??」



「アニエス、貴女はまだまだ子供ね。何でも感情のままに口に出すのは子供の所作(しょさ)です。リルディアは間違いなく父上の血を引く子供です。それは国王である父上がご自分の実子として、はっきりと認知(にんち)されています。今の貴女の発言は国王に対する最上級(さいじょうきゅう)の『侮辱(ぶじょく)(ざい)』であり、それは『不敬(ふけい)(ざい)』などよりもより(おも)(つみ)になるのですよ?


もし今の発言を国王や臣下(しんか)達の前で申したならば、貴女は間違いなく王族から除籍(じょせき)されるばかりではなくこの国にもいられなくなるでしょう。もしくは最悪(さいあく)罪人(ざいにん)として幽閉(ゆうへい)されてもおかしくはありません。


そうなったとしても母上も伯父上(おじうえ)であるフォルセナ国王でさえも、そんな貴女を擁護(ようご)する事が難しくなります。ですから国王の言葉を疑う発言は絶対に口に出してはなりません。


アニエス、大人になりなさい? そして自分を守る為の知識(ちしき)を身に付けるのです。たとえ王族であっても周りの人間が(かな)ずしも(われ)らの味方(みかた)とは限らない。(すき)を見せればいつ足元(あしもと)(すく)われるかも分からないーー貴族社会とはそういう世界(せかい)なのです。


そして私達は国王の子ではあっても国王にとっては『戦略(せんりゃく)(こま)』にしか過ぎません。利用(りよう)価値(かち)がなければ簡単(かんたん)()()てられます。私達(わたくしたち)の父親はそれが出来る人間なのですよ?」



するとアニエスは姉の手を振り払う様に首を振る。



「ミレニア姉上はいつもお(かんが)え過ぎなのですわ! それに(わたくし)だって王室(おうしつ)の人間としてそれくらいは十分(しゅうぶん)に理解しております。ですから父上はリルディアも同じくご自分の『戦略の駒』としてセルリア王家に嫁がせるおつもりなのでしょう? それこそが貴族社会の常識ですもの。


ならばセルリアに嫁ぐのはリルディアでなくとも良いはずです。しかもユーリウス王子があの子を“愛している”などと、それは姉上の大きな勘違いですわ! 


あの子(リルディア)とユーリウス王子が対面(たいめん)したのは国の行事(ぎょうじ)がある時くらいで数えるほどしかありませんのにその様な感情が(うご)くわけがありません。しかも数で言えば(わたくし)の方が王子との対面数はずっと(おお)いですのよ? それに7(さい)(とし)()があるあの子(リルディア)は王子にとっては幼い子供過ぎて恋愛(れんあい)対象(たいしょう)にすらなりませんもの。


今はユーリウス王子もあの子(リルディア)の我儘に振り回されているだけですわ。リルディアのきまぐれは今に始まった事ではないのですもの。好奇心(こうきしん)旺盛(おうせい)な子供が()(あたら)しい玩具(がんぐ)()しがっていたというだけ。手に入ってさえしまえば直ぐに()きる。ですからあの子(リルディア)はきっと王子の事など、もう何とも思ってはおりませんわよ。あの子(リルディア)態度(たいど)を見れば分かりますでしょう? 


それこそセルリア王家に対する侮辱でもあり我が国も面目(めんもく)が立ちませんわ。だからこそ一刻(いっこく)(はや)く『婚約解消』をさせた方が良いのです。そうでなければ婚姻(こんいん)適齢期(てきれいき)にあるユーリウス王子がお気の毒です。セルリア王家にしても唯一(ゆいいつ)の世継ぎの王太子だけに王子の婚期(こんき)(おく)れは国にとっても大きな問題(もんだい)ですものね。


やはりここは母上にお(ねが)いしてあの子(リルディア)の『婚約解消』を父上に(はたら)きかけて頂きますわ! ーーいえ、一番手っ取り早いのはクラウス叔父上ですわね。叔父上からの言葉であればあの子(リルディア)素直(すなお)に言うことをきくでしょう?」



そんな妹の私情の(ふく)む言葉にミレニアは小さくため息をつきながら首を横に振る。



「ーーはあ、今の貴女には何を言っても無理(むり)な様ですわね。 まだ歳若(としわか)(むすめ)ですから仕方(しかた)がない事ではあるのでしょうけれど、リルディアはあの通り、大人の貴族社会に()()いているせいか外見(がいけん)(もと)より中身(なかみ)早熟(そうじゅく)なのですわ。何より精神(せいしん)年齢(ねんれい)は実年齢よりもかなり(たか)い。あの子(リルディア)は子供であって子供にあらずーー十分に恋愛対象にもなってよ?


(おのれ)卑下(ひげ)するつもりはありませんけれど『女』としてあの子(リルディア)美貌(びぼう)魅力(みりょく)太刀打(たちう)ち出来る者はまずいないでしょう。貴女も例外(れいがい)ではありません。


そしてユーリウス王子はそんなあの子(リルディア)(すで)()せられてしまっているので、王子のあの子(リルディア)を見る()は“(こい)をする”者の瞳です。たとえ婚約解消となったとしても王子の瞳は決して貴女には向けられない。ですから(あきら)めなさいと言ったのです。貴女が不幸(ふこう)になるだけです。


ーーやはり貴女の(ため)にも、そろそろ結婚相手を(さが)した方が良いのかもしれませんわね。父上に相手を勝手(かって)都合(つごう)(えら)ばれるよりもフォルセナの国王にお願いした方が貴女にお似合(にあ)いの素晴(すば)らしい殿方(とのがた)()()わせて下さる事でしょう。


(わたくし)は貴女にはこの国に(しば)られず、外の国で最良(さいりょう)夫君(ふくん)()(しあわ)せに()らす事を貴女の姉として(のぞ)んでいますわ」



そんな真摯(しんし)に見つめるミレニアの視線から(のが)れる様にアニエスは顔を(そら)らして腰掛けていたソファーから(きゅう)()()がる。



(いや)です! (わたくし)はミレニア姉上の様に臆病(おくびょう)ではありませんわ! 他人(たにん)の言いなりになどなりません。(わたくし)が婚姻を(むす)ぶ相手にしても自分で(えら)びます。それに(わたくし)はまだ若く結婚を()くような年齢ではありませんもの。(おのれ)一生(いっしょう)に関わる事に妥協(だきょう)など致しませんわ。


しかも同じ王女であるのにあの子(リルディア)には出来てこの(わたくし)に出来ないなどと、そのような事があるはずがありませんでしょう? (わたくし)(あきら)めたりなど致しませんわ! 雑種(ざっしゅ)のリルディアなどに純血(じゅんけつ)の王族であるこの(わたくし)が何においても敗北(はいぼく)するなどあり得ません!


…………ミレニア姉上、長々(ながなが)とお邪魔(じゃま)致しましたわ。(かみなり)(とお)くに()ってしまった様ですし、そろそろ部屋に(もど)ります。姉上もご懐妊(かいにん)され体調(たいちょう)(くず)されやすいのですから()(もの)などに熱中(ねっちゅう)されずにお(やす)(くだ)さいませ。また母上に(しか)られてしまいましてよ?」



「ふふっ、ええ、そうですわね。その様に皆に心配を掛けてしまうので体調管理(かんり)には気を付けますわ。けれど貴女の方はもう大丈夫ですの? もう少しここに(のこ)っていても良いのよ?」



そんなアニエスの()()えの(はや)さにミレニアは笑みを浮かべながら()()めるとアニエスは()()ませた表情を見せる。



「大丈夫ですわ! 本当は雷など少しも怖くなどないのです。大きな雷鳴(らいめい)の音に驚いただけなのですもの。王女の私に(こわ)いものなどありはしませんわ」



そうは言いながらもアニエスが雨風(あまかぜ)(まど)硝子(がらす)をガタガタと叩きつける音を気にしているのが見て分かる。



「ふふ、アニエス、またいつでもいらっしゃい? (わたくし)気兼(きが)ねはいらなくてよ? 貴女は私の可愛い妹ですもの」



そしてミレニアが見送(みおく)りに立とうとすると、アニエスは「そのままでいらして?」と手で姉の(うご)きを制止(せいし)する動作(どうさ)を取り、一礼(いちれい)挨拶(あいさつ)をすると自分の侍女を()

(しず)かに部屋を退出(たいしゅつ)して行った。





【⑥ー続】


















































評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ