1 現実にあるとかファンタジーだ。
初めての投稿です
ちょっとドキドキしますね
計画は最終段階にまで進んでいた。
後は最終確認をするだけだったんだ。
なのに、どうしてだろう……。
どうしてこうなった?
と今なら全力で言える気がする。
――――
遡れば長いので割愛するが、そもそも私は『カンタレラ』というゲームを作っていた。
女の子対象の(いや、男の子もOKだが)恋愛シュミレーションゲーム、いわゆる乙女ゲームをだ。
ゲーム機は今までの据え置き型とは違う、実際にゲームに入って出来るという画期的な機械だ。
頭に着けるゲーム機があるだろう、それだ。乙女ゲーム業界からも出そうとなってそうなった。
彼を近くで感じる事が出来る、最高だね。
と言っても余り危険はない。
ゲーム内で殴られたりなんなりしても痛みとかはないし、死んでも視界が赤くなるだけだ。
安心設計、素晴らしいね。
舞台は異世界の学園ファンタジー、ゲームのコンセプトは『日常的な幸せ』。
うん、普通万歳だ、ほのぼの系だね。
と、思うが内容は違う。
日常的な幸せを感じるにはやっぱ非日常を知らないとね!
と、まぁ盛り上がって盛り上がって。
気づいたらコンセプトから真逆の方向へ。
いっそ、コンセプト『危険な日常(笑)』にすればいいと思う出来に、ハハ。
さて何故に危険かと言うと。
まず、狙われる。
わりと本気に殺される。選択肢は危険フラグ満載。攻略キャラも狙う狙う(命を)
おぉ、怖い怖い。
次に主人公、不幸体質。
わりとヤバイ。槍が降るわ、落とし穴あるわ。
そしてそれをスルーする何故か頑丈な主人公。強すぎて惚れるレベル。
と色々あるが。
順調に作っていくことが出来て、このゲームは発売まで残りわずかだった。
そしてディバックもといゲームを実際に試運転してみた。
ゲーム機を頭にセット。
ここまで共に作りあげてきた戦友に
「では、行ってくる!」
と敬礼。
ゲームに入る。
色々な説明(話を進める為の説明やセーブなど)をナビゲーターの人から聞く。
実際にゲーム『カンタレラ』をスタート。
ゲームの操作が無事に作動するか確認してみる。
……ん? ……あれ? 終了ボタンが反応しない……?
気のせいと思いリトライ。
失敗。
んな訳ないともう一度。
失敗。
信じたくなくてやっぱり。
失敗。
何度かエンドレス。
そして冒頭のセリフ。
「どうしてこうなったぁ!」
私こと――藤咲 夕。
ゲームの中から出られないようです。
誤字脱字があれば優しくそっと教えてくださいね
更新予定は毎週日曜にしたいと思います、頑張って更新しますが、遅れたりするのであらかじめご容赦してください