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30話記念

30話記念 父の現在(30話現在)



 やあ皆のお父さん、夏だよ。え?呼んでない?折角リクエストを受けて登場したのに。(´・ω・`)

 まぁ、そんな罵声は置いておいて今の状況を説明しようじゃないか。(`・ω・´)

 今の私のレベルは25だ。これでも東の平原では名前の売れたプレイヤーだ。( ̄ー+ ̄)

 で、今現在

「す、すいませんでした!」

 土下座している。

 まぁ、なぜこうなったかというと30分ほど前に原因と出会います。


 1時間前

「そろそろ、戦力を増やすべきですかね」

 相棒の海が言う。

「そうだな。できれば魔法使いがいいな!火力が違うからな。ボスの攻略が一気に進むだろうし」

「しかし、人気職の魔法使いでパーティを組んでいない人なんてほとんどいないのでは?」

「いやいや、なんでも極悪非道の魔法使いコンビがいるとか。モンスターを見つけると沼に落とされ火をつけられるとか」

「それ、本当に魔法使いですか?」

 自分で言っておきながら怪しいものだとは思っている。だが、たとえ眉唾でもそれに縋らなければ魔法使いは仲間にはならないほどの人気ぶりである。おそらく自分の妻もほかの人とパーティを組んでいるだろう。合流しようと思ってもできないな。てか連絡先知らないし。ていうかなんで家族みんな連絡先教えてくれないの?いじめ?いじめなの?まぁあれから誰にも会ってないから仕方がないけど、探しに来てくれたりしても良いよね?てか私が探しているのになぜ見つからない?みんなきっと苦戦しているから草原辺りにいると思ったのに……。

「いますかね、魔法使いって!なんで泣いてるんですか!?」

「え、いや、なんかいろいろ考えてたら涙が……」

「どうせまた家族の事を考えてたんでしょう?考えない方が良いって言ってるじゃないですか。デスゲームじゃないからみんな無事ですよ」

「そうだが、悪い奴に騙されて、アイテムやお金を巻き上げられてたらって思うと……」

 ※むしろ娘は傭兵をやってほかのプレイヤーから金を巻き上げている。息子は金銭管理がだらしないので他の人に財布とアイテムの管理を任しています。

「恐ろしいモンスターに襲われて怖くなって宿から出れなくなったりとか」

 ※みんな元気に各地で暴れまわっています。

「なんでしょうね。案ずるより産むがやすし?いや、何か違いますね。他人の疝気を頭痛に病む。うむこれがぴったりですね」

「要は心配し過ぎって事だな……。よし!気合い入れてメンバーを探すか」

「やはり中央の酒場ですかね」

募集は基本的に酒場にある帳面に名前とタイトル、募集内容を記述しておくと誰かがそれを読んで、会いに来てくれるというシステムだ。

 中央の酒場は出会いの場であるのだが情報交換や普通に食事の場としても使われている。もちろんそれはほかの街の酒場でもそうなのだが、中央には一つの巨大酒場しかない。ゆえに人に募集をかけるのが楽である。

またここに人が集まる理由として中央と他の酒場の帳面とのリンクしている唯一の場所でもある。それ故に大量の情報と人が集まっている。

もちろん時間帯にもよるが店に入れないほどの人が集まっていることもある。時間帯をずらしても生産職が情報交換の場として使っているので人がいないという事がまずない。帳面がなければこれだけの人数を処理しきれないだろう。いや、帳面があるから混雑するのか?まぁ、それはニワトリが先か卵が先かと一緒なので製作者(神様)に聞かなければいけない。

そんな話は置いておいてとりあえず酒場に行くか。



中央酒場にやってきた訳だが様子が変だ。店から続々と人が出てきている。

「俺たちと組めないってどういう事だ!?ああぁん?」

「あなたたちみたいな力押ししかできない脳筋とは組めないって言ってるのよ」

「んだとてめぇ!」

 どうやらこの騒ぎが原因のようだ。男二人が女性二人に絡んでいる。情けない。男なら

「魔法使いのくせに誰とも組めないあんたらと一緒にやってやると言ってんだからおとなしく一緒にやればいいんだよ」

 どうやらからまれているのは魔法使いのようだ。これはチャンスでは?

「おい、お前ら、辞めろ。ここは酒場だぞ?」

 きりっと男らしく、止めに入る。どうよ、そこの人たち、イケてるだろ?だから後でうちのパーティに入ってくださいね。

「あ?お前もああなりたいのか?」

 男が指を指すそこにはデュエルで負けた人が転がっていた。デュエルとはプレイヤー対プレイヤーの決闘である。負けるとデスペナルティの代わりに1時間動けなくなる。

「良いだろう、方式はバトルロワイヤル。問題ないな」

「おう、負けたら有り金全部置いていきな、ひひっ」

 負けた場合のリスクとしてはもう一つある。戦利品をあらかじめ決められるという事だ。運営は何を考えているのかわからない。荒れる原因だろこれ。まぁ、もちろん釣り合わなければ断ることはできるし、交渉も可能だ。

「じゃあそちらが負けたらすぐにここから出て行ってくださいね。お客様の迷惑ですから」

 敵は鎧に重そうなハンマーと露骨にパワータイプ。あれでスピードタイプとか言われても説得力がないな。もう一人は拳銃使いか?どちらも恐れるに足りないプレイヤーだな。

『デュエルシステムが選択されました。決闘方式はバトルロワイヤル。対戦人数は5対2です。デュエルが開始されます。両者準備をお願いします』

え?5対2なんで?ちょっ!?近くに座っていた人たちなんで立ち上がってんの!?

「ん?なんだよ、おっさんビビってのか?」

「そんな訳ないだろ?おっさん舐めんな」

 強がったけど厳しいだろうな。仕方がない。使いたくはなかったがここを切り抜けるにはあれを使うか。


 お互いに用意されたリングに入るとアナウンスが流れる。

『両者準備が整いました。開始まで3、2、1、デュエル、スタート!』

ゴングが鳴った瞬間私が前に出て、海が後ろに下がる。いつものフォーメーションだ。敵は数で優勢な分、油断しているのか、まばらなまま動かない。

「ひっひっひっ。良い金ずるだ」

「性格悪いと持てないぞ」

「よし、あのおっさんから殺すぞ」

 スキル「挑発」。あっさり、成功した。このスキルは敵のターゲットを全部自分に変えることができるスキルなのだが、敵のレベルが低いとかかりやすい。つまりこの段階で格下の可能性が高い。

「硬化、納刀、気合い」

 スキル「硬化」、筋肉に力を入れることで防御力上昇。

 スキル「納刀」、刀を鞘に納めて居合状態になる。攻撃速度アップ。防御力上昇。移動速度大幅ダウン。

 スキル「気合い」、スキル効果を持続させる。

 使い終わった瞬間に男のハンマーが横からくる。

「刃折!」

 スキル「刃折」、タイミングよく攻撃を当てると武器を破壊する居合攻撃。

 この技は、本当は使いたくない技だ。モンスター相手に武器を破壊するとドロップで武器が出なくなる。でてきても破壊された武器が出てくる。何度もやったが結論は一緒だった。プレイヤーに対しては確実に恨みを買ってしまう。しかも、タイミングがシビアで使いづらい。

「ま、貴様らならいいだろう」

 ハンマーが触れる前に柄の部分を切断する。もちろんすでに加速しているのでダメージを受けるがその一回きりだ。後はただの鉄塊と木の棒である。

「なっ!?」

 男が怯んでいる間に俺の体の横を二本の十字槍が通過する。目の前で男の両腕が落ちる。一瞬でライフが消し飛んだ。

「ふむ、意外と脆いですね。鈍さは見た目通りとしてもあっさり食わせてくれるなんて防御力が低すぎますよ?」



名前 海

性別 男

レベル 22

類 魚類

種族 サメ

個体名 ホオジロザメ


「食う?もしかして、この男、『人食い紳士』か!?」

「じゃあこっちは『大和の甲虫』か!」

2人の通り名だ。二人とも決闘場(デュエルの大会が行われる場所)で暴れまくったのでそんな名前を付けられてしまった。戦っている途中、「歯ごたえがないですね」「美味しくいただきました」「食べたりません」などと呟きながら戦っていたのでそんなあだ名がついた。私は鎧兜で攻撃を受け続けても倒れなかったのでそんなあだ名がついた。

「か、勝てば名をあげられるぞ!」

「馬鹿!一撃でやられたの見てなかったのか!」

「こっちはあっちの2倍だぞ!勝てないわけがない!あの槍の範囲に入らなければ問題ない!」

 銃使いの小僧が乱射している。

「虫に刺させてももう少し痛いな」

「だ、ダメージ0?そんな馬鹿な……」

「いただきます」

 槍を投げた。ズブリ、という鈍い音とともに銃使いの小僧の首に刺さる。くくりつけてある紐を引っ張り引き抜く。刺さった男はもちろんライフが0になり倒れる。

「ふふ、おいしいですよ」

「お前も趣味が悪いな」

「まだ、勝負中ですよ」

 にっこりと笑いかけているのが振り返らなくてもわかる。人間慣れって怖いな。

「ほら、後3人だ。存分に喰え」

「ええ、いただきますよ」

 残された3人で四肢が無事なものは一人もいなかった。


『勝者、夏と海』

 システムが淡々と勝者を告げる。

「この感覚はやはりやめられませんね」

「お前、本当はリアルで人を殺してんじゃないだろうな?」

「それはないですよ。私はこれぐらいの刃応えが好きなのでこれ以上固いのは遠慮したいですね」

 刃応えって、普通、歯応えだろ。なんてもういい飽きて言う気にもなれない。

「御嬢さん方、大丈夫でしたか?」

「ありがとう!」

 フードをかぶった魔法使いにぎゅっと抱きしめられた。おふ、なんか当たってる。役得、役得……?

「さすが私の旦那様」

「え?」

 フードの中を覗くとそこはどこかで見た顔でした。

「なんでそんなに驚いているの?夏彦さん?」

 ええ、リアルでの奥さんでした。

「千秋さん…?」

 なぜ?こんな時に?

「なんで困ってるの?もしかして私って気づいてなかったの?ならどうして助けたんです?なんで鼻の下を伸ばしていたんです?」

「千秋さん?とりあえず、ロッドを下していただけますか?」

「あら?別にやましい事がなければ降ろす必要ないわよね?」

「えっと、その、あの」

「ほら、早く言い訳してくださいよ、ほら、ほら」

「す、すいませんでした!」

 その瞬間私の頭の位置は音速を超えた気がする。


 という訳で今に至る。

「では認めるのですね?」

「はい、千秋さんだと気づきませんでした。そして、少し下心がありました」

「これは今夜きついお仕置きが必要ですね」

「か、勘弁してください」

「じゃああっちの宿屋に行くけど、紅葉はどうする?」

「私も旦那様を見つけたから旦那様の宿屋に行きま~す」

 もう一人は海のリアルでの奥さんの紅葉さんでしたか。

「そう、じゃあまた明日」

「は~いまた明日」

 二人は宿屋へと行ってしまいました。

「夏彦さん?」

「はい!」

「行きますよ?」

 せめて敬語辞めてくれませんか?なんて言えません。言える空気じゃありません!



 宿屋へ来たのは良いけど空気の悪さは改善されません。

「あの、千秋さん?」

 抱きしめられて背中を抓られる。

「私が怒ってる理由が解る?」

 リアルなら肉がちぎれた!などと叫びながら転がっている。

「えっと、千秋さん以外の人に抱きしめられて喜んだから?」

「ちがいます」

「気づかなかったから?」

「ちがいます」

「???」

 じゃあ何で?怒ってるの?

「なんで探してくれなかったの?」

「かなり探したんだけど見つからなかったんだよ。もしかして、さみしかったの?」

「うるさい」

 言葉遣いは本当に悪い。けど、にやにやしてしまう。

「どうしたら許してくれる?」

「これから一緒に居てくれたら許します」

 子供たちが居ると本性を出さないが実は千秋さんは甘えん坊さんだ。

「じゃあパーティ組んでくれる?」

「うん!」

 私は今、幸せです。


 おまけ

夏「祝!本編30話!祝久々の出番!そして何より、祝!奥さんと合流!」

作者「いえーい!」

秋「あらあら。でも、本当はもうちょっと早く合流したかったのよ?」

作者「一応2週間ぐらいの計算ですよ?あ、これ、今日のおまけの内容です」

夏「えー、何々?読者の方から子供にあんな扱いされてどう思ってるの?と聞かれましたのでこの場を借りて返答いたします。……正直つらいです。でも、愛情の裏返しだと思って耐えています」

秋「ちなみにあんな扱いをさせてるのは私です」

作者「つまり、子どもたちが自分以上に愛されるのが嫌なんですって。歪んでるよね。痛い!足ふまないで!」

秋「夏彦さん、作者がいじめる~」

夏「私の妻をいじめるな!」

作者「なに?この茶番」

夏「で、私はいつになったら本編に出られるんだ?」

作者「え?ちょっと待ってくださいね」


※資料を見ています。しばらくお待ちください。


作者「わかった」

夏「で、いつ?」

作者「40話以降」

夏「ウソだろ!?」

作者「ホント。一応プロット的なものを確認したところ特に出番がなく次にお母さんが出る話まで出番ないです」

秋「そろそろ出してあげて」

作者「とりあえず、杖を下さない?危ないから、ね?」

夏「出番……」

作者「あげたよね?番外編でいっぱいあげたよね!?刀を下して!」

夏と秋「本編で出番をください」

作者「わかったから!あげる!出番あげる!登場を早くする!だからやめて!!」


 というわけで夏と秋に出番を約束することを強いられました。きっと近いうちに登場します。

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