第七話 準備
一年の歳月が流れ群青色のハリネズミ、リュウは基礎学校に入る前の最後の年を過ごしていた。今日はその学校の為の準備としてここ二十日市にウメに連れられ、カバンから何まで全て揃えようと様々なところを見てまわっている。
毎月二十日の日に行われるこの市は二月ということで、学生を中心としたありとあらゆるものがでまわっていた。
「新しい筆に紙、墨もすずりも買ったし、一通り必要なものは買ったね。雑巾や防災頭巾は私が縫うから必要ない……リュウ、何か他に必要なものはあるかい?それに欲しい物があったら買ってあげるから遠慮なく言ってちょうだい」
新入生が最低限必要な物は買い揃えることが出来たウメは、リュウにそう尋ねた。懐にまだ余裕があったらしく入学祝いとして可愛い孫に何か買ってやりたくなったのだ。
「え⁈ じゃあ……本買って!」
突然のことで戸惑うリュウだが、前々から欲しいものがあったのか遠慮がちに、しかし元気に答えた。
こうして本をかってもらったリュウは学校に行く準備が出来、四月から学校へ通うことになった。
ここで終わります、すみませんでした。
ありがとうございました。