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蒼い箱舟  作者: 琴葉
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ありさが死んだ日

初小説です。拙い文章でお見苦しいと思います。期待せずに暇だから見てやるよ~って方以外はどうぞ引き返してくださいませm(_ _)m

絶対に時間の無駄です!

じゃあ投稿するなよ~ですよね。はい…。


でも読んでくださる方がいたら嬉しいです。

真っ白な部屋の中で啜り泣く声が聞こえる。

ありさは力を振り絞って瞼を開けた。

「お母さん、泣かないで。私は大丈夫だよ。もう痛いところもないの。」弱々しく微笑む少女を見て母は涙を流しながら頷いた。

「ありさ…お母さん何もしてあげられなくてごめんね。」


ありさは瞼を閉じた。

母はまだ何かを伝えていたがありさはもう何も理解することができなかった。瞳を閉じたままでありがとうとつぶやいた。それが言葉になっていたかどうかは分からなかった。


神無月ありさは11才の時に悪性リンパ腫を患い、それから4年に渡り闘病していた。一時は良くなり、学校にも通える程になっていたのだが、1年前に再発し、入院しながら治療を進めていた。

状況は思わしくなく、ありさは日に日に弱っていった。

それでも、母に心配をかけまいと気丈に振る舞うことだけは忘れなかった。

今日、この時までは。



(もう、おしまいなのね。)


ありさは心から溢れ出す気持ちに困惑していた。泣き叫びたいほどの感謝の気持ちが自分を震わせていた。

この世界に生まれてきた意味や、この世の理の全てを一瞬にして理解したのだ。

周りを見回すとあたたかな光に満たされた果てしなく広い空間に浮かんでいた。

その時はじめて自分の身体がないことに気付く。

(魂…私の本質。)


驚くことはなかった。これからどういう道を行き、彼の岸を渡り、愛の根源へと還るかをありさは理解していた。



こんなに世界は美しかったんだ。

無秩序に思えていたことまでもがまるで嘘のように美しく感じられる。

神様は本当にサイコロを振らないのね。

ありさはどんどんと空間を上って行く。


途中、いくつもの魂とすれ違った。


不思議なことに姿形は見えないのにその魂がどんな人でどういった心をしているかがよく分かった。

美しく輝く魂、暗く淀んでいる魂。


ありさは人間は見た目でも権力でも豊かさでもなく魂の美しさこそが全てであると思えた。


こんなに穏やかな気持ちになれたのは久しぶりだった。


重く苦しい身体から解放され、痛みや負の感情も溶けてなくなってしまった。


周りの景色が地球上で見たこともないような鮮やかで美しい花畑に変わっていた。

あまりの色彩に圧倒されてしまう。


しかしすぐに懐かしい気持ちがこみ上げてきた。

喜びの歌が聞こえてくる。

ありさは魂から震える感動を歌に変えた。


何故だかありさはその歌を知っていたのだった。


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