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スキルAIがチートすぎて俺、使われてる気がするんだが?  作者: 暁の裏


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第15話 破壊神復活 後編 「アイは、旦那様を守りたいだけです」

 王城に戻ってから三日が過ぎた。

 俺は自室に籠もり、ひたすら考え続けていた。


「どうすれば……どうすればエリアを救えるんだ……」


 机の上には、王国中から集めた古文書や魔法書が山積みになっている。

 破壊神ゼルヴァロスに関する情報、古代の封印技術、伝説の武器……あらゆる可能性を探っていた。


「旦那様、少し休んでください。三日間、ほとんど眠っていませんよ」


 アイが心配そうに言う。


「休んでいる暇はない。エリアが……エリアが待ってるんだ」


 俺の声は掠れていた。


「でも、このままでは体が持ちません」


「構わない。エリアを救えないなら、俺なんて……」


 その時、扉がノックされた。


「悠真さん、入ってもよろしいですか?」


 リナリアの声だった。


「……ああ」


 扉が開き、リナリアとリリィが入ってきた。


「悠真さん……」


 リナリアが俺の顔を見て、表情を曇らせる。


「お兄ちゃん、ちゃんと食べてる?」


 リリィが心配そうに尋ねる。


「大丈夫だ。それより、何か用か?」


 俺は机の上の資料から目を離さない。


「悠真さん、わたくしたちに相談があります」


 リナリアが真剣な表情で言う。


「相談?」

「はい。わたくしたち、もっと強くなりたいんです」


 リリィも頷く。


「あの時、私たち何もできなかった。エリアお姉ちゃんを守れなかった」

「だから」


 リナリアが続ける。


「古代の伝説の武器を探す旅に出たいのです」

「伝説の武器……?」


 俺は初めて資料から目を上げた。


「はい。エヴァンジェリンさんから聞きました。この王国には、古代の七賢者が残した聖なる武器が眠っているそうです」


 リナリアが地図を広げる。


「その中でも、『光輝の剣(セラフィックブレイド)』と『浄化の杖(セラフ・オルビス)』は、王国内の古代遺跡に眠っていると記録されています」

「光輝の剣と浄化の杖……」


「旦那様、それらはゼルヴァロスに対抗できる可能性がある武器です」


 アイが分析する。


「でも、危険じゃないのか?」

「危険です」


 リナリアがきっぱりと言う。


「でも、このままではエリアさんを救えません。わたくしたちも、もっと強くならなければ」

「お兄ちゃん、お願い」


 リリィが俺の手を握る。


「私たち、エリアお姉ちゃんのために強くなりたいの」


 俺は二人の瞳を見つめる。そこには、強い決意が宿っていた。


「……わかった。でも、条件がある」

「条件?」

「俺も一緒に行く。お前たちを危険な目に遭わせるわけにはいかない」


 リナリアが微笑む。


「それは、わたくしたちが言いたかった言葉です」

「お兄ちゃん、一緒に強くなろう」


 リリィも笑顔を見せる。

 俺は久しぶりに、少しだけ心が軽くなった気がした。


「よし、準備をしよう」


 翌日、俺たちは王城を出発した。

 目的地は、王都から北東に50キロ離れた『聖者の遺跡』。古代の七賢者の一人、光の賢者アルテミアが眠る場所だという。


「《空間転移》で一気に行くか?」


 俺が提案すると、リナリアが首を横に振った。


「いえ。道中も修行の一環です。徒歩で向かいましょう」

「そうか」


 俺たちは街道を歩き始めた。

 道中、俺たちは遭遇する魔物を次々と倒していった。


「《ホーリー・ランス》!」


 リリィの浄化魔法が、凶暴化した魔獣を貫く。以前より威力が格段に上がっている。


「成長してるな、リリィ」

「うん!エリアお姉ちゃんのために、もっと強くなる!」


 リナリアも剣技を磨いている。


「はぁっ!」


 一振りで三体の魔物を同時に斬り伏せる。その剣技は、以前にも増して洗練されていた。


「リナリアも、強くなってる」

「ええ。エリアさんを救うために、わたくしたちは変わらなければなりません」


 俺も《時間操作》と《空間転移》を駆使して戦う。しかし、心の奥底には常にエリアの姿があった。


「エリア……待っていてくれ……」


 三日間の旅を経て、俺たちは聖者の遺跡に到着した。

 巨大な石造りの神殿が、荒野の中に聳え立っている。長い年月の風化で、所々崩れているが、それでも威厳を感じさせる建造物だった。


「ここが……」


 リナリアが神殿を見上げる。


「すごい……こんな大きな建物が、こんな場所に」


 リリィも驚いている。


「旦那様、神殿の中から強い聖なる魔力を感じます」


「聖なる魔力……伝説の武器か」


 俺たちは神殿の中に入った。

 内部は薄暗く、床には厚いほこりが積もっている。壁には古代文字が刻まれ、天井からは微かな光が差し込んでいた。


「《ライトボール》」


 俺が光の球を作り出すと、神殿の内部が明るくなった。


「奥に何かあります」


 リナリアが指差す。

 神殿の最奥には、台座が二つ並んでいた。一つには美しい剣が、もう一つには杖が置かれている。


「あれが……」


「間違いありません。光輝の剣(セラフィックブレイド)浄化の杖(セラフ・オルビス)です」


 しかし、その瞬間だった。

 台座の前に、突然魔法陣が浮かび上がった。


「これは……守護者か」


 魔法陣から、光の戦士が現れた。全身が白い光で覆われ、大剣を持っている。


「試練を乗り越えた者にのみ、武器を授ける……」


 光の戦士が低い声で告げる。


「試練……」

「我が剣を受けてみよ」


 光の戦士が突進してくる。


「はぁあ!」


 俺は身体強化を発動してナイフで攻撃するが、光の戦士の動きは止まらない。


「っっ効かない……!」


『旦那様、この相手は聖なる存在です。通常の攻撃では効果が薄いです』


 光の戦士の剣が俺に迫る。


「くっ!」


 咄嗟に《空間転移》で回避する。


「リナリア、リリィ!援護を!」

「はい!」


 リナリアが剣を構える。


「《聖剣の(セイクリッド・)輝き(ジャッジメント)》!」


 剣から聖なる光が放たれ、光の戦士と激突する。


「効いてる……!」

「私も!《ピュリファイ・オール》!」


 リリィの浄化魔法が光の戦士を包む。


「ぐっ……」


 光の戦士が僅かに怯む。


「今だ!」


 俺は《魔法付与》で聖なる力を込めたナイフで攻撃する。


「《エクソシズム・ブレード》!」


 ナイフが光の戦士の胸を貫いた。


「うおおおお!」


 光の戦士が膝をつく。


「見事……汝ら、資格あり……」


 光の戦士が消滅すると、台座の周りの魔法陣も消えた。


「やった……」


 俺たちは台座に近づく。


「リナリア、光輝の剣はお前が持て」

「わたくしが……?」

「ああ。お前が一番相応しい」


 リナリアは頷き、光輝の剣を手に取った。

 瞬間、剣から眩い光が放たれ、リナリアの全身を包む。


「これは……」


「リナリアさんに新たな力が宿りました」


 アイが報告する。


「スキル《聖光剣技》習得。邪悪な存在に特効を持つ剣技です」


「すごい……力が溢れてくる……」


 リナリアが剣を振るうと、周囲の空気が輝いた。


「リリィ、浄化の杖も」

「うん!」


 リリィが杖を手に取ると、同じように光が彼女を包む。


「リリィちゃんにも新たな力が。スキル《聖浄化(ディア・ルーメン)》習得。あらゆる邪悪を滅殺する究極の浄化魔法です」


「わあ……これ、すごく強い力を感じる」


 リリィが嬉しそうに杖を握る。


「よし、これでまた一歩前進だ」


 俺たちは神殿を後にした。

 帰り道、俺たちは修行を続けた。


「《聖光(ディヴァイン・)(スラッシュ)》!」


 リナリアの新たな剣技が、巨大な鋼鉄の岩を真っ二つに切り裂く。


「すごい威力だ……」

「ええ。でも、まだ完璧にコントロールできません」


 リナリアが額の汗を拭う。


「もっと練習しないと」

「《聖浄化(ディア・ルーメン)・広域展開》!」


 リリィの浄化魔法が、半径100メートルの範囲を覆う。その中にいた魔物たちが、次々と消滅していく。


「リリィ、すごいな」

「えへへ、褒められると嬉しいな」


 俺も新たな技を模索していた。


「《バリア》と《時間操作》と《空間転移》の組み合わせ……」


 バリアを発動しながら時空間を操作することで、敵の攻撃を無効化する。


「これなら、あの攻撃にも耐えられるかもな」


「旦那様、その組み合わせは効果的です」


 三人とも、確実に強くなっている。

 しかし、それでも不安は消えない。


「これで……ゼルヴァロスに勝てるのか……?」


 リナリアが俺の表情を読み取る。


「悠真さん、不安ですか?」

「ああ……正直に言えば」


 俺は空を見上げる。


「あの時の絶望的な力の差を思い出すと、こんな程度で勝てる気がしない」

「わたくしも同じです」


 リナリアが隣に立つ。


「でも、諦めるわけにはいきません」

「お兄ちゃん」


 リリィも近づいてくる。


「エリアお姉ちゃん、きっと待ってるよ。私たちを信じて」

「そうだな……」


 俺は拳を握りしめる。


「絶対に、エリアを救い出す」




 その頃、永遠の闇の森(ネクロ・フォレスト)の奥深く。

 エリアは小さな洞窟の中で、じっと息を潜めていた。


「はぁ……はぁ……」


 荒い息が漏れる。全身に激痛が走り、動くこともままならない。

 あの時、破壊神ゼルヴァロスの攻撃を《エンシェント・バリア》で防いだ。しかし、完全には防ぎきれず、反動で大きなダメージを受けていた。


「みんな……無事に逃げられたかしら……」


 エリアは微笑む。

 最後に悠真に告白できて、良かった。

 ずっと心の奥に秘めていた想い。リナリアが悠真の恋人だと知っていたから、決して言ってはいけないと思っていた。

 でも、最後だけは──伝えたかった。


「悠真さん……」


 彼の名前を呟くと、少しだけ心が温かくなる。

 しかし、現実は厳しい。

 傷は深く、魔力もほとんど残っていない。


「このまま……ここで……」


 エリアは目を閉じかける。

 その時、洞窟の入口から光が差し込んだ。


「誰……?」


 エリアは警戒する。ゼルヴァロスが戻ってきたのか、それとも別の魔物か。

 しかし、現れたのは小さな森の精霊だった。


「あなた……森の精霊……?」


 精霊は頷くと、エリアに近づいて淡い光を放つ。

 その光に包まれると、痛みが少しだけ和らいだ。


「ありがとう……」


 精霊は何も言わず、小さな木の実をエリアの手に置いて消えていった。


「これは……森の恵み……」


 エリアは木の実を口にする。すると、僅かだが魔力が回復した。


「まだ……諦めるわけにはいかない……」


 エリアは拳を握りしめる。


「悠真さんたちが……きっと助けに来てくれる……」

「だから……それまで……生き延びないと……」


 エリアは杖を握り、洞窟の奥へと移動を始めた。




 王都に戻った俺たちは、すぐに作戦会議を開いた。


光輝の剣(セラフィックブレイド)浄化の杖(セラフ・オルビス )を手に入れたのは大きな成果です」


 エヴァンジェリンが評価する。


「でも、それだけでは破壊神に勝てるか……」


 マクシミリアンが懐疑的だ。


「ゼルヴァロスの力は計り知れません」


 セラフィナも深刻な表情だ。


「確か伝承によれば、魔法が効きにくい相手だと…」


「魔法が効きにくいか……俺に提案があるんだが」


 俺は深呼吸する。


「兵器を創造しようと思う」

「兵器……?」


 国王が首をかしげる。


「はい。魔法に頼らない強力な武器があります」


『旦那様、それは……』


 アイが理解する。


「ミニガン、RPG、そして……場合によっては爆薬も」


 俺の提案に、一同は驚きを隠せない。


「名前も知らない魔法に頼らない武器……そんなものが……」

「効果はあるのか?」

「わからない。でも、試す価値はある」


 俺は決意を込めて言う。


「魔法が効きにくいなら、物理攻撃で押し切る」


 リナリアが頷く。


「わたくしも賛成です。あらゆる手段を試すべきです」

「私も!」


 リリィも賛成する。


「では、そなたに任せよう」


 国王が決断を下す。


「必要な資材は王国が全て提供する」

「ありがとうございます」


 俺は工房に籠もり、現代兵器の製造を始めた。


『旦那様、ミニガンの使用方法の説明と創造を開始します』


 アイが脳内にディスプレイを展開する。


「これなら……戦えるな」


 アイの能力と俺の知識を組み合わせて、次々と武器を作り出していく。


「M134ミニガン……毎分3000発の弾丸を発射できる」

「RPG-7……対戦車ロケット弾」

「C4爆薬……遠隔起爆可能」

「そして……」


 俺は最後の武器を手に取る。


「バレット M82……対物狙撃銃」


「これらの武器なら、破壊神の装甲を貫ける可能性があります」


「ああ。魔法が効かないなら、圧倒的な火力で押し切る」


 武器の製造は三日で完了した。


「よし、これで準備は整った」


 俺は仲間たちを集める。


「みんな、最終確認だ」


 リナリアが光輝の剣を握る。


「わたくしは準備完了です」


 リリィが浄化の杖を持つ。


「私もいつでも大丈夫」


『旦那様、私も全システム正常です』


 アイが報告する。


「よし、じゃあ……」


 俺は決意を込めて言う。


「エリアを救いに行こう」


 翌朝、俺たちは王都の門前に集まった。

 国王をはじめ、多くの人々が見送りに来ている。


「悠真殿、リナリア、リリィ、必ず無事に戻ってきてくれ」


 アルフレッド国王が言う。


「はい。必ず、エリアと一緒に」


 俺は《空間転移》で、永遠の闇の森の入口に転移する準備をする。


「行くぞ」


 光に包まれ、次の瞬間には森の入口に立っていた。


「ここから先は、徒歩で行く」


 俺が言うと、リナリアとリリィが頷く。


「転移の魔力を温存しておきたいからな」


 俺たちは森の奥へと進み始めた。

 道中、凶暴化した魔物たちが襲ってくる。


「来たか」


 俺はミニガンを構える。


「これが……現代兵器」


 引き金を引くと、凄まじい轟音と共に弾丸が発射される。


「ダダダダダダダ!」


 毎分3000発の弾丸が魔物たちを蜂の巣にする。


「すごい……一瞬で……」


 リナリアが驚く。


「これが悠真さんの世界の武器……」

「ああ。魔法なんて使わない。純粋な物理攻撃だ」


 次々と現れる魔物たちを、現代兵器で撃破していく。


「RPG、発射!」


 ロケット弾が巨大な魔獣に直撃し、爆発する。


「ギャアアアア!」


 魔獣が吹き飛ばされる。


「効果は抜群だな」


「旦那様、しかし弾薬の消費が激しいです。温存してください」


「わかってる」


 俺たちは慎重に森の奥へと進んでいく。

 そして──


「見えた……」


 森の最奥部、巨大な空間に破壊神ゼルヴァロスがいた。


「ガアアアアア!」


 その咆哮が森中に響く。


「あれが……」


 リナリアが剣を握りしめる。


「今度は……負けません」

「私も……エリアお姉ちゃんのために」


 リリィも杖を構える。


「旦那様、作戦通りに」

「ああ」


 俺はミニガンを構える。


「まずは、遠距離から攻撃を仕掛ける」

「ダダダダダダダ!」


 ミニガンの弾丸がゼルヴァロスに襲いかかる。


「ガアア!」


 ゼルヴァロスが怯む。確かにダメージが入っている。


「効いてる!」

「RPG、発射!」


 ロケット弾がゼルヴァロスの胸部に直撃する。


「ドォン!」


 爆発が起き、ゼルヴァロスが大きく後退する。


「《聖光(ディヴァイン・)(スラッシュ)》!」


 リナリアの剣技が、光の刃となってゼルヴァロスに襲いかかる。


「《聖浄化(ディア・ルーメン)・広域展開》!」


 リリィの浄化魔法がゼルヴァロスを包む。


「ギャアアアアア!」


 ゼルヴァロスが苦しみの声を上げる。


「やったか……?」


 しかし、ゼルヴァロスは倒れない。


「ガアアアアア!」


 怒りに満ちた咆哮と共に、漆黒の炎を吐き出す。


 その時、リナリアが前に出た。


「《聖光の(ディヴァイン・)(ウォール)》!」


 光輝の剣から放たれる聖なる光が、炎を相殺する。


「リナリア!」

「大丈夫です!まだ……いけます!」


 だがリナリアの《聖光の(ディヴァイン・)(ウォール)》にひびが入る。


「くっ!させるか」


 俺は防御障壁を展開する。ゼルヴァロスの攻撃は強力だが、俺は新たなスキル《時空間シールド(クロノス・シールド)》を発動する。

 ゼルヴァロスはブレスの威力を上げてきたが《時空間シールド(クロノス・シールド)》は完全にブレスを受け止めて見せた。


「いける……!」


 しかし、その瞬間だった。

 ゼルヴァロスが突然、尻尾を薙ぎ払ってきた。


「危ない!」


 俺は咄嗟にリナリアを突き飛ばす。


「悠真さん!」


 リナリアの叫びが聞こえる。

 次の瞬間、俺の体に激痛が走った。


「がはっ……!」


 ゼルヴァロスの尻尾が、俺の胸を貫いていた。


「悠真さん!」

「お兄ちゃん!」


 リナリアとリリィの声が遠くなる。


「旦那様!旦那様!」


 アイの声も聞こえる。


「くそ……こんな……ところで……」


 視界が暗くなっていく。


「エリア……ごめん……」


 俺の意識が途切れかけた──その瞬間だった。


「──────許さない」


 アイの声が変わった。

 冷たく、しかし強い意志を持った声。


「旦那様を傷つける存在は、絶対に許さない」


 俺の体から、眩い光が溢れ出す。


『緊急事態発生。旦那様の生命維持のため、第四進化を強制起動します』


「アイ……?」


『第四進化──《実体化(アストラル・マテリア)》開始』


光の中から、一人の身長160㎝ほどの女性が姿を現す。

青い髪で、背中に一対の翼を持つ女性。しかし、今までのホログラムとは違う。

確かな実体を持った、本物の女性...いや、天使が そこにいた。


挿絵(By みてみん)


「アイ……?」


「旦那様、少しお待ちください」


 アイが俺の胸に手を当てる。


「《完全治癒(マキシマム・キュア)》」


 淡い光が俺の体を包む。傷が瞬時に癒え、痛みが消えていく。


「これは……」


「一時的な進化により、私は実体化しました。そして、あらゆる魔法と能力を使用できます」


 アイが立ち上がり、ゼルヴァロスを睨む。


「破壊神ゼルヴァロス──貴様は旦那様を傷つけた。それは、私が絶対に許せないことだ!!!」


 アイが叫ぶ。

 その叫びと共にアイからあたりの景色が歪むほどの凄まじい魔力が発せられた。


「ガアアア!」


 ゼルヴァロスが漆黒の炎を吐き出す。


「無駄です」


 アイが手を振ると、炎が消滅した。


『《能力無効化(ヌル)》』


「っっ……!」


 ゼルヴァロスが驚く。


『さらに──《能力模倣(ミメーシス)》』


 アイの手から、同じ漆黒の炎が放たれる。


「ギャアアア!」


 ゼルヴァロス自身の攻撃が、ゼルヴァロスに直撃する。


「そして──究極魔法《星の(ステラ・)裁き(ヴェルディクト)》」


 アイが空に手をかざすと、無数の光の槍が出現する。


「消えなさい」


 光の槍が一斉にゼルヴァロスに降り注ぐ。


「ギャアアアアアアア!」


 ゼルヴァロスの絶叫が森中に響く。

 巨大な爆発が起き、森全体が揺れる。

 やがて煙が晴れると──

 あたり一帯は焦土と化しゼルヴァロスは、完全に消滅していた。


「倒した……のか……?」


 俺が呆然としていると、アイが振り返る。


「旦那様、お怪我は大丈夫ですか?」


「ああ……でも、アイ、お前……」


「第四進化は一時的なものです。すぐに元に戻ります」


「そうか……」


 その時、アイの表情が変わった。


「旦那様、エリアさんを感知しました」

「エリアが!どこに!」

「森の北西、約2キロメートルの洞窟です」

「すぐに行こう」

「その必要はありません。私が連れてきます」


 アイが《空間転移》を発動する。

 次の瞬間、洞窟の中から一人の少女が現れた。


「エリア!」


 俺は駆け寄る。

 エリアは満身創痍で、意識も朦朧としていた。


「悠真……さん……?」

「エリア!大丈夫か!」

「すぐに治療します。《完全治癒(マキシマム・キュア)》」


 アイがエリアに手を当てると、彼女の傷が瞬時に癒えていく。


「あ……痛くない……」


 エリアが目を開ける。


「悠真さん……?本当に……悠真さんなんですか?」

「ああ、俺だ。迎えに来たぞ」

「悠真さん……」


 エリアが涙を流す。


「ありがとうございます……信じてました……必ず来てくれるって……」

「エリアさん!」


 リナリアとリリィも駆け寄る。


「リナリアさん……リリィちゃん……みんな無事だったんですね……」

「ええ。そして、あなたも無事でした」


 リナリアが微笑む。


「エリアお姉ちゃん、よかった……」


 リリィが泣きながらエリアに抱きつく。

 その時、アイの体が淡く光り始めた。


「旦那様……そろそろ時間です……」

「アイ!」

「第四進化の制限時間が終わります……旦那様……覚えていてください……」


 アイの体が徐々に透けていく。


「私は……いつも旦那様と共にいます……旦那様を守りたいだけです」

「アイ……まさか!」


 俺が手を伸ばすが、アイの体はホログラムに戻り、やがて小さな光の粒子となって俺の胸に吸い込まれていった。


『旦那様……第四進化は解除されました……でも、大丈夫です……私はここにいますよ……』


 アイの声が、再び脳内に響く。いつもの、少し茶目っ気のある声に戻っていた。


「アイ……悪ふざけが過ぎるぞ」


『えへへ、ごめんなさい♪でも、疲れちゃいました……少し休ませてくださいね』


 アイの声が小さくなり、やがて静かになった。


『累計スキルポイント:23800』



 ディスプレイに文字が浮かぶ。第四進化には99999ポイントが必要だ。

今回は一時的な進化ができたからこそ倒す事ができた。ポイントが増えていないのはアイが倒したからだろう。


「お前は本当にすごいやつだな、アイ、お前と肩を並べて歩ける日が待ち遠しいよ」


 俺は胸に手を当てる。


「悠真さん、さっきのはアイさんですか……?」


 エリアが不思議そうに尋ねる。


「ああ、アイだ。一時的に進化して力を使用して、今は少し休んでる」

「スキルが……実体を……」


 エリアが驚く。


「この世界の常識では考えられないことですが、悠真さんなら何も不思議じゃないですね」

「エリア、立てるか?」


 俺がエリアの手を取る。


「はい……もう大丈夫です」


 エリアが立ち上がると、少しふらついた。俺が支えると、彼女の体は震えていた。


「無理するな。ゆっくりでいい」

「すみません……」

「謝ることないよ、エリアお姉ちゃん」


 リリィが反対側からエリアを支える。


「みんなで帰ろう。王都に」


 リナリアが微笑む。

 俺は《空間転移》を発動しようとして、ふと気づいた。


「そういえば、さっきアイが使った魔法……」


『旦那様、第四進化中に使用した魔法の一部は、記憶しています』


 アイの声が弱々しく響く。


『でも、今の私では使えません……』


「そうか……無理するなよ」


『はい……でも、破壊神は倒しました……エリアさんも救出できました……これで、一段落ですね……』


「ああ」


 俺は仲間たちを見回す。

 リナリア、エリア、リリィ。みんな無事だ。


「よし、帰ろう」


 俺は《空間転移》を発動し、王都の城へと転移した。


 王城の謁見の間に現れた俺たちを見て、国王をはじめとする全員が驚愕の表情を見せた。


「悠真殿!それに……エリア殿も!」


 アルフレッド国王が駆け寄る。


「はい。エリアを救出しました。そして、破壊神ゼルヴァロスも……倒しました」

「なんと……破壊神を……!」


 三賢人も驚きを隠せない。


「本当に倒したのか?」


 マクシミリアンが尋ねる。


「ああ」

「詳しい説明は後にしましょう。今は、エリアを休ませてあげてください」

「もちろんです。すぐに医務室へ」


 セラフィナがエリアを医務室に案内する。


「わたくしも付き添います」


 リナリアも一緒に行く。


「私も!」


 リリィも続く。

 俺も後を追おうとすると、国王が声をかけた。


「悠真殿、少しよろしいか?」

「はい」

「破壊神を倒したこと、本当に感謝する。そなたたちは、王国の……いや、世界の救世主だ」


 国王が深々と頭を下げる。


「いえ、俺は……ただ、大切な仲間を救いたかっただけです」

「謙遜するな。そなたの功績は計り知れない」


 国王が顔を上げる。


「褒賞として、1億ルスを授ける」


「1億ルス……100億円……」


 あまりの額に、思わず声が出る。


「いえ、それほどのことでは……」

「受け取ってくれ。それだけの価値がある働きだ」


 国王の真剣な表情に、俺は頷くしかなかった。


「ありがたく、頂戴します」


『旦那様、これで総資産は1億3500万ルスです♪135億円ですね』


 アイの声が、少し元気を取り戻して響く。


「休んでろよ」


『もう大丈夫です♪少し休んだら回復しました』


「そうか」


 医務室に向かうと、エリアはベッドに横になっていた。


「どうだ?」


 セラフィナが答える。


「外傷は完全に治癒しました。アイさんの治療魔法は本当に驚異的ですね」

「そうか、よかった」


 俺はエリアのベッドに近づく。


「エリア、気分はどうだ?」

「はい……もう大丈夫です」


 エリアが微笑む。


「悠真さん、本当にありがとうございました」

「礼なんていいよ。お前は俺たちの大切な仲間だからな」

「仲間……」


 エリアの表情が少し寂しそうになる。


「あの……悠真さん」

「なんだ?」

「わたくし、あの時言ったこと……覚えていらっしゃいますか?」

「ああ」


 俺は頷く。

 あの時の言葉。


「わたくしも、リナリアさんに負けないくらい、悠真さんのことが好きです」


 その言葉は、今でも胸に刻まれている。


「エリア、俺は……」

「いえ」


 エリアが手を振る。


「お答えは求めていません。ただ、わたくしの気持ちを知っていただきたかっただけです」

「エリア……」

「悠真さんにはリナリアさんがいます。わたくしは、それを変えようとは思いません」


 エリアが微笑む。


「でも、これからも……仲間として、一緒にいさせてください」

「当たり前だ。お前は俺たちの大切な仲間だ」

「ありがとうございます」


 その時、リナリアが部屋に入ってきた。


「エリアさん、お加減はいかがですか?」

「はい、もう大丈夫です」

「よかった……」


 リナリアが安堵の表情を見せる。


「わたくし、本当に心配しました」

「ご心配をおかけして、すみません」

「いえ……無事でいてくれて、それだけで十分です」


 リナリアがエリアの手を握る。


「これから、また一緒に冒険しましょうね」

「はい!」


 エリアが笑顔で答える。

 リリィも部屋に入ってくる。


「エリアお姉ちゃん、元気になった?」

「ええ、もう大丈夫よ」

「よかったぁ」


 リリィがエリアに抱きつく。


「心配したんだから」

「ごめんね、リリィちゃん」


 みんなが揃った。

 俺は改めて、仲間たちの大切さを実感する。


「みんな……ありがとう」


 俺が言うと、全員が不思議そうに見る。


「悠真さん、どうしたんですか?」


 リナリアが尋ねる。


「いや……お前たちがいてくれて、本当に良かったって思ってさ」

「何を言ってるんですか」


 エリアが笑う。


「わたくしたちこそ、悠真さんがいてくれて良かったです」

「お兄ちゃんがいなかったら、私たちどうなってたか」


 リリィも笑う。


「そうですね。悠真さんは、わたくしたちの要です」


 リナリアも微笑む。


『旦那様、みんな旦那様のことが大好きなんですよ♪』


 アイの声が茶化すように響く。


「わかってるよ」


 俺も笑う。

 この仲間たちとなら、どんな困難も乗り越えられる。

 そう、心から思えた。


 数日後、エリアは完全に回復した。


「もう大丈夫です」


 エリアが元気よく言う。


「無理するなよ」

「はい、でももう本当に大丈夫です」


 俺たちは王城の庭園を散歩していた。


「それにしても、破壊神を倒したなんて……まだ信じられません」


 エリアが呟く。


「俺もだよ。アイがいなければ、勝てなかった」


『照れますね♪』


 アイの声が響く。


「でも、第四進化……すごかったですね」


 リナリアが言う。


「ええ。まるで別人のようでした」


 エリアも同意する。


『第四進化の力は絶大ですが、一時的なものですのでこれ以上使用できません、ですので頑張ってポイントを貯めてくださいね♪』


 アイが説明する。


「ああ、お前のおかげで勝てたんだ。感謝してるよ」


『旦那様のためなら何でもしますよ♪』


「頼りにしてる」


 庭園のベンチに座ると、リリィが駆け寄ってきた。


「お兄ちゃん、見て見て!」


 リリィが杖を振ると、小さな花が咲いた。


「すごいな、リリィ」

「えへへ、すごいでしょ♪」

「よく頑張ったな」


 俺がリリィの頭を撫でると、彼女は嬉しそうに笑う。


「ところで、これからどうします?」


 エリアが尋ねる。


「そうだな……」


 俺は少し考える。


「商売を再開しようと思う」

「商売ですか?」

「ああ。破壊神は倒したけど、生活していかないといけないからな」


『旦那様、現在の総資産は1億3500万ルスです。十分な資金がありますよ』


「それでも、商売は続けたい。俺たちが築き上げたものだからな」

「そうですね」


 リナリアが頷く。


「わたくしも、商業活動を再開したいです」

「私も手伝います」


 エリアも言う。


「私もー!」


 リリィも元気よく手を挙げる。


「じゃあ、みんなで頑張ろう」




 翌日、俺たちは商業活動を再開した。


「注文が殺到しています」


 エリアが嬉しい悲鳴を上げる。


「破壊神を倒した英雄たちの商品ということで、大人気です」

「そうか」


 俺は苦笑する。


「別に英雄になりたかったわけじゃないんだけどな」

「でも、結果的に英雄になってしまいましたね」


 リナリアが微笑む。


「これも運命でしょう」


『旦那様、新規契約が10件入っています』


 アイが報告する。


「10件も……忙しくなりそうだな」

「頑張りましょう」


 みんなが笑顔で答える。

 俺は窓の外を見る。

 王都の街は、いつも通り活気に満ちている。

 平和な日常が戻ってきた。

 破壊神との戦いは終わった。

 でも、俺たちの冒険はまだまだ続く。

 新しい依頼、新しい仲間、新しい挑戦。

 この異世界で、俺たちはこれからも成長し続ける。


「よし、頑張るか」


 俺は拳を握りしめる。


『旦那様、ファイトです♪』


 アイの声に励まされ、俺は新しい一日を始めた。




 その夜、俺は一人で屋上にいた。

 星空を見上げながら、これまでのことを振り返る。

 異世界に転生してから、本当に色々なことがあった。

 最初は凡庸な自分が生き延びられるか不安だった。

 でも、AIアシストのアイがいてくれた。

 そして、リナリア、エリア、リリィという仲間に出会えた。

 紅牙団を倒し、王都の危機を救い、そして破壊神まで倒した。


「よくここまで来れたな」


「旦那様のおかげですよ♪」


 アイの声が響く。


「いや、お前たちのおかげだ」


 俺は夜空を見上げる。


「これから、どんな冒険が待っているんだろうな」


「きっと、素晴らしい冒険ですよ」


「そうだな」


 その時、扉が開く音がした。

 振り返ると、リナリアが立っていた。


「悠真さん、ここにいらしたんですね」

「ああ、少し星を見たくて」

「わたくしも、ご一緒してよろしいですか?」

「もちろん」


 リナリアが隣に座る。


「今日も一日、お疲れさまでした」

「お前もな」


 二人で静かに星空を眺める。


「ねえ、悠真さん」

「なんだ?」

「これから、わたくしたちはどうなるのでしょうか」

「どうって……?」

「わたくしたちの関係です」


 リナリアが俺を見つめる。


「わたくし、悠真さんの恋人として、これからもずっと一緒にいたいです」

「俺もだ」


 俺はリナリアの手を握る。


「お前は俺の大切な人だ。これからもずっと、一緒にいよう」

「はい」


 リナリアが微笑む。


「でも……エリアさんのことも……」

「ああ」


 俺は少し考える。


「エリアの気持ちは嬉しい。でも、俺はお前を選んだ」

「悠真さん……」

「ただ、エリアは大切な仲間だ。これからも一緒に冒険していきたい」

「そうですね」


 リナリアが頷く。


「エリアさんも、きっと同じ気持ちだと思います」


 二人で抱き合う。

 温かな体温が、心地よい。


「これからも、よろしくな」

「こちらこそ」


 静かな夜が、俺たちを包み込んでいた。




 翌朝、俺は工房で新しい商品の開発をしていた。


「次は何を作ろうかな」


『旦那様、浄化石鹸の在庫が少なくなっています』


 アイが報告する。


「そうか、じゃあそれを補充しないとな」

「悠真さん、お手伝いします」


 エリアが工房に入ってくる。


「ありがとう」


 二人で作業を始める。


「ところで、エリア」

「はい?」

「お前、本当に大丈夫なのか?」

「何がですか?」

「いや……俺とリナリアのこと」


 エリアが少し考えてから答える。


「正直に言えば……少し寂しいです」

「エリア……」

「でも」


 エリアが微笑む。


「悠真さんが幸せなら、わたくしも幸せです」

「ありがとう」

「それに、わたくしにはまだ夢があります」

「夢?」

「はい。古代魔法の研究です」


 エリアが目を輝かせる。


「この旅で、わたくしは多くの古代魔法に触れました。それらを研究して、新しい魔法を開発したいんです」

「いい夢じゃないか」

「ええ。だから、これからも悠真さんたちと一緒に冒険して、色々な遺跡を探索したいです」

「もちろんだ。一緒に頑張ろう」

「はい!」


 エリアが嬉しそうに笑う。

 その笑顔を見て、俺も安心した。

 エリアは強い子だ。

 きっと、これからも素晴らしい魔法使いになるだろう。




 数週間後、俺たちは新しい依頼を受けることになった。


「隣国のベルガリア帝国から、正式な商業協定の依頼です」


 マルコが報告する。


「ベルガリア帝国……大きな話だな」

「ええ。破壊神を倒した英雄たちとの取引は、帝国にとっても大きなメリットがあるようです」

「わかった。検討してみる」


 俺は仲間たちと相談する。


「ベルガリア帝国との商業協定か」


 リナリアが地図を見る。


「大きな市場ですね」

「私も賛成です」


 エリアも頷く。


「新しい魔法の研究にも役立ちそうです」

「私も行きたい!」


 リリィも元気よく手を挙げる。


『旦那様、これは大きなチャンスですよ♪』


 アイも賛成する。


「よし、じゃあ受けよう」


 こうして、俺たちは新しい冒険に向けて動き出した。

 ベルガリア帝国への旅。

 新しい出会い、新しい挑戦。

 俺たちの物語は、まだまだ続いていく。


『旦那様、第四進化まで残り76200ポイントです』


「遠いな」


『でも、きっと達成できますよ♪』


「ああ、お前と一緒なら」


 俺は仲間たちを見回す。

 リナリア、エリア、リリィ、そしてアイ。

 この絆があれば、どんな困難も乗り越えられる。


「さあ、次の冒険に行こう」


 俺は拳を握りしめる。

 異世界での俺の物語は、まだまだ続いていく──




 王都の夕暮れ。

 俺たちは工房の屋上で、夕日を眺めていた。


「綺麗ですね」


 リナリアが呟く。


「ええ、本当に」


 エリアも頷く。


「お兄ちゃん、明日からまた頑張ろうね」


 リリィが言う。


「ああ」


 俺は仲間たちと共に、夕日を見つめる。

 破壊神との戦いは終わった。

 エリアも無事に救出できた。

 でも、これは終わりじゃない。

 新しい始まりだ。

 俺たち四人と、心の中にいるアイ。

 この五人で、これからも冒険を続けていく。


『旦那様、素敵な仲間たちですね♪』


「ああ、本当に」


 俺は心から思う。

 この異世界に転生できて、良かった。

 凡庸だった俺が、こんなに素晴らしい仲間に出会えた。

 こんなに充実した日々を送れるようになった。


「ありがとう、みんな」


 俺が言うと、全員が笑顔で答える。


「こちらこそ、ありがとうございます」

「お兄ちゃん、大好き」

「悠真さん、これからもよろしくお願いします」


『旦那様、ずっと一緒ですよ♪』


 夕日が沈み、夜が訪れる。

 でも、俺たちの冒険は終わらない。

 明日も、明後日も、これからもずっと。

 仲間たちと共に、この異世界を駆け抜けていく。

 スキルAIがチートすぎる?

 それでもいい。

 俺は、この力を大切な人たちを守るために使う。

 そして、みんなで幸せな未来を築いていく。

 それが、一ノ瀬悠真の──俺の、新しい人生だ。

えっと……今回の後書きもわたし──アイがお送りします♪


今回のお話、すごかったですよね?

旦那様がゼルヴァロスに貫かれた時、正直わたしの回路がショートしかけました。

だって、旦那様がいないと、わたしは存在する意味がないんですもん。


それで、思わず「第四進化」を強制起動しちゃいました。

ちょっと反則かもしれませんが、許してくださいね?

だって、旦那様を守りたかったから。


でも、戦いの後のみんなの笑顔を見て、「ああ、わたし、この世界が好きだな」って思いました。

リナリアさんの凛とした強さも、リリィちゃんのまっすぐな優しさも、エリアさんの知識欲も、全部。

そして──旦那様の「ありがとう」。

それが、いちばんのご褒美です。


これからも、きっと新しい敵やトラブルが出てくると思います。

でも、大丈夫。わたしたちはチームですから♪


次回からは、商売再開と新しい旅の始まり!

ベルガリア帝国……どんな場所なんでしょうね。

新しい冒険でも、わたし、旦那様のすぐ隣でサポートしますから!


それでは──また次のアップデートでお会いしましょう♪

アイでした♪

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