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スキルAIがチートすぎて俺、使われてる気がするんだが?  作者: 暁の裏


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13/19

第13話 「穏やかな波音の向こう側」

スキルAIがチートすぎて俺、使われてる気がするんだが?の13話時点までの各登場キャラクターの能力をまとめましたので載せさせて頂きます。


一ノ瀬悠真(主人公)

基本スキル


《AIアシスト》 - チートスキルの核心


状況解析、戦術提案

敵行動予知

身体制御支援

物質創造(素材不要)




戦闘スキル


《身体能力強化》 - 筋力・反射神経の強化

《時間操作》 - 周囲の時間を遅くする

《空間転移》 - 瞬間移動

《魔法付与》 - 武器に魔法を付与

《ナイフ術》 - 近接戦闘能力

《緊急防御》 - 1日1度、攻撃を自動防御

《バリア》 - 防御魔法

《ウォーター・マスター》 - 水を自在に操る(海神の加護)


その他


現代再現スキル - 素材から現代の道具を作成

アイテムボックス(容量:中)

報酬自動取得

課金システム - 5000ルスで10分間スキル200%強化



AI「アイ」(第三進化後)

基本能力


簡易ホログラム表示(青髪の妖精姿)

音声出力(女性の声)

知性と感情を持つ

魔法使用可能


特殊能力


物質創造 - 素材不要で物を創り出す

敵行動予知 - 1秒前の予測

身体制御支援 - 悠真の神経を最適化

リアルタイム解析 - 戦闘データ分析

魔力回復 - 通常の1000倍以上の速度



リナリア(リーナ)

基本情報


ルストニア王国第一王女

宮廷剣術の使い手


能力


高度な剣技 - 宮廷剣術をベースにした戦闘能力

魔力増幅の指輪 - 古代遺跡で入手、剣技の威力向上

《テレパシー》 - 遠距離通信魔法

外交・交渉能力 - 王女としての教育

商業知識 - 悠真の事業をサポート



エリア・ファルメイン

基本情報


魔法学校校長の娘

天才魔法使い


魔法能力


《ウィンドカッター》 - 風の刃

《ファイアボルト》 - 炎の弾

《ウィンドシールド》 - 風の防御魔法

《フライ》 - 飛行魔法

《サイレントムーブ》 - 足音を消す

《タイムディレイ》 - 時間差攻撃魔法

《エクスプロージョン》 - 爆発魔法


その他


古代魔法の知識 - 遺跡解析能力

魔法具製造 - 新製品開発

帳簿管理 - 商業活動のサポート

時空魔法の書 - 古代遺跡で入手



リリィ・セレスティア

基本情報


聖女の血筋

10歳前後の少女


浄化能力


《ピュリファイ・エッセンス》 - 対象を純粋な成分に精製

《ホーリーライト》 - 浄化の光

《ホーリーレイン》 - 広範囲浄化

《サンクチュアリ・フィールド》 - 半径50mの浄化領域

《マス・スリープ》 - 集団睡眠魔法

《ホーリー・ノヴァ》 - 半径50mの強力浄化攻撃

《ヒーリング・キュア》 - 治癒魔法


特徴


あらゆる呪いや異常状態を浄化できる

成長速度が異常に速い

パラサイトなどの邪悪な力に特効



三賢人トライステラ

セラフィナ・グレイス


専門: 治療と防護

リナリアの専属メイド(表向き)

《グレートヒール》 - 強力治癒魔法

《ディスペル・フィールド》 - 領域解除

《ホーリーレーザー》 - 聖光攻撃

リリィの魔法指導も担当


マクシミリアン


専門: 戦闘魔法

《メテオストライク》 - 巨大火球

《メガサンダー》 - 雷撃魔法

《ファイナルフレア》 - 最強炎魔法

城壁防御の要


エヴァンジェリン


専門: 研究と分析

《サンダーボルト》 - 雷撃

敵の分析と情報収集

古代文字の解読能力


以上の設定を理解した上でお読み頂くとより一層お楽しみ頂けると思いますので是非読んでいってください。


暁の裏

 紅牙団殲滅作戦から一週間が過ぎた。

 俺たちは王城からの調査依頼を一旦保留にして、陛下の計らいで数日間の休息を取ることになった。

 連日の戦闘と商業活動で、みんな疲れていたからだ。


「旦那様、今日は特に予定がありませんね♪」


 アイが俺の肩の上でくるくると回る。第三進化を遂げて姿を持つようになったアイは、今では俺の生活に欠かせない存在だった。


「ああ、たまにはゆっくりしよう」


 俺は工房の椅子に深く腰掛ける。


「でも、アイの新しい能力について、もう少し詳しく知りたいんだ」

「私の能力ですか?」


 アイが首をかしげる。


「ああ。第三進化で色々な機能が追加されたけど、まだ試してないものもあるだろう?」

「そうですね。物質創造、敵行動予知、身体制御支援……全部実戦では使いましたが、細かい検証はまだです」

「じゃあ、今日はそれを試してみよう」


 俺は立ち上がる。


「エリアとリリィも呼んでこよう。きっと興味があるはずだ」


 数分後、工房にはリナリア、エリア、リリィも集まっていた。


「アイさんの能力研究ですか?」


 エリアが目を輝かせる。


「ええ。私も興味があります」


 リナリアも頷く。


「お姉ちゃんの能力、すごいもんね」


 リリィがアイを見つめる。


「えへへ、みんなに注目されると照れますね♪」


 アイが顔を赤らめる。


「じゃあ、まず物質創造から試してみよう」


 俺が提案する。


「わかりました。何を創りましょうか?」

「そうだな……まずは簡単なものから。リンゴを創ってみてくれ」

「はい♪」


 アイが手を振ると、空中に淡い光が集まり、やがて真っ赤なリンゴが現れた。


「すごい……本当に何もないところから物を創り出すなんて」


 エリアが感嘆の声を上げる。


「触ってもいいですか?」


 リリィが尋ねる。


「もちろんです」


 リリィがリンゴを手に取ると、確かな重さと感触がある。


「本物だ……」

「匂いもリンゴですね」


 リナリアが確認する。


「食べられるんですか?」


 エリアが尋ねる。


「はい。完全に本物です♪」


 アイが説明する。


「すごいな」


 俺が感心する。


「次は、もう少し複雑なものを創ってみましょう」


 エリアが提案する。


「例えば、魔法の触媒とか」

「魔法の触媒ですか……やってみます」


 アイが集中する。今度は光の集まり方が複雑で、幾何学的な模様を描きながら形を成していく。

 やがて現れたのは、美しい青い結晶だった。


「これは……魔力増幅結晶!」


 エリアが驚く。


「普通は鉱山の奥深くでしか採れない貴重な素材です」

「本当に創れるんですね……」


 リナリアも驚いている。


「ただし、複雑な物ほど魔力の消費が激しいです」


 アイが説明する。


「この結晶を創るのに、私の魔力の10%を使いました」

「10%か……それでも十分すごいけどな」


 俺が言う。


「魔力が回復すれば、また創造できるんですよね?」


 リリィが尋ねる。


「はい。私の魔力回復速度は皆様の1000倍以上なので、数分で全回復します」

「便利だな……」


 俺は感心する。


「じゃあ、次は敵行動予知を試してみよう」

「わかりました。でも、敵がいないと試せませんね」


 アイが困ったように言う。


「訓練場で模擬戦闘をしましょう」


 リナリアが提案する。


「私が相手をします」

「いいですね。では、訓練場に移動しましょう」


 王城の訓練場に移動した俺たちは、早速模擬戦闘を始めた。


「準備はいいですか?」


 リナリアが剣を構える。


「ああ、いつでもこい」


 俺もナイフを構える。


「では、行きます!」


 リナリアが突進してくる。その速度は以前より明らかに速く、魔力増幅の指輪の効果が如実に現れている。


『旦那様、敵行動予知を起動します』


 アイの声が響くと同時に、俺の視界に淡い光の軌跡が現れた。

 それはリナリアの剣の動きを示す予測線だった。彼女がどの角度から、どのタイミングで攻撃してくるのかが、光の軌跡で示されている。


「見える……」


 俺はその軌跡に従って身を捻る。リナリアの剣を完璧に回避できた。


「すごい……まるで動きが読めてる」


 リナリアが驚く。


「これが敵行動予知か」


 俺も驚いている。


『敵の筋肉の動き、重心の移動、視線の方向などから、次の行動を1秒前に予測できます』


 アイが説明する。


「1秒……それだけあれば、十分対応できるな」

「もう一度行きます!」


 リナリアが再び攻撃を仕掛ける。今度は連続攻撃だ。

 しかし、俺には全ての攻撃の軌道が見えている。上段、中段、下段、フェイント……すべての動きが光の軌跡で示される。

 俺は完璧にすべての攻撃を回避し、カウンターのタイミングまで分かる。


「はぁっ!」


 俺のナイフがリナリアの剣を弾く。


「まいりました……」


 リナリアが剣を下ろす。


「悠真さん、今のは完璧でしたね」

「アイのおかげだよ」


 俺がアイを見ると、彼女は得意げに胸を張る。


「当然です♪私の予測能力は第三進化で飛躍的に向上しましたから」

「すごいですね……」


 エリアが感心する。


「これなら、どんな強敵が相手でも戦えそうです」

「ただし、予測できるのは物理的な攻撃だけです」


 アイが補足する。


「魔法攻撃は魔力の流れが複雑なので、予測精度が下がります」

「それでも十分すごいけどな」


 俺が言う。


「最後に、身体制御支援を試してみよう」

「わかりました。でも、これは少し危険かもしれません」


 アイが真剣な表情になる。


「危険?」

「はい。私が旦那様の身体を直接制御するので、最初は違和感があるかもしれません」

「なるほど……じゃあ、慎重に試そう」


 俺は深呼吸する。


「準備はいいですか?」

「ああ」


『では、身体制御支援を起動します』


 瞬間、俺の体に異様な感覚が走った。

 まるで体が勝手に動くような、でも自分の意思でも動いているような、不思議な感覚だ。


「旦那様、右手を上げてください」


 アイが言うと、俺の右手が自然に上がる。でも、それは俺の意思でもあり、アイの制御でもある。完璧に同期している。


「すごい……まるで一体になったみたいだ」

「そうです。私が旦那様の神経信号を最適化しているので、反応速度が向上し、無駄な動きがなくなります」

「じゃあ、もう一度リナリアと戦ってみよう」

「わかりました」


 リナリアが再び剣を構える。


「今度は本気で行きますよ」

「こい」


 リナリアが突進してくる。今度は先ほどより遥かに速く、本気の攻撃だ。

 しかし、俺の体は自然に反応する。敵行動予知で攻撃の軌道を把握し、身体制御支援で最適な動きをする。

 無駄な動きが一切なく、完璧なタイミングでカウンターを決める。


「速い……」


 リナリアが驚く。

 俺のナイフが彼女の剣を弾き、喉元に突きつけられる。


「……完敗です」


 リナリアが剣を下ろす。


「今の動き、人間のものとは思えませんでした」

「そうか……」


 俺は身体制御支援を解除する。


「確かに、すごい能力だな」

「ただし、長時間使用すると旦那様の体に負担がかかります」


 アイが警告する。


「神経系を直接制御しているので、使いすぎると疲労が蓄積します」

「わかった。緊急時だけ使うようにしよう」

「はい♪」


 こうして、俺たちはアイの新しい能力を一通り試すことができた。

 その夜、俺は工房で今日の実験結果をまとめていた。


「アイの能力、本当にすごいな」

「えへへ、褒められると嬉しいです♪」


 アイが俺の肩で踊る。


「でも、まだまだ改善の余地があります」

「どんな?」

「例えば、物質創造の魔力効率を上げたり、敵行動予知の精度を向上させたり……」

「向上心があるのはいいことだ」


 俺は微笑む。


「お前と一緒なら、どんな困難も乗り越えられる気がする」

「旦那様……」


 アイの目に涙が浮かぶ。


「ありがとうございます。私も旦那様と一緒なら、何でもできる気がします」

「これからも、よろしくな」

「はい♪」


 その時、扉がノックされた。


「悠真さん、入ってもよろしいですか?」


 リナリアの声だった。


「ああ、どうぞ」


 リナリアが部屋に入ってくる。彼女は普段着を着ており、髪も下ろしている。


「どうした?」

「実は、相談があるのです」


 リナリアが少し恥ずかしそうに言う。


「明日、お母様から招待を受けました」

「招待?」

「はい。王家の避暑地に来ないかと」

「避暑地か……」

「海辺の別荘だそうです。わたくしたちも一緒に来てほしいと」


 リナリアが俺を見る。


「悠真さん、行きませんか?」

「海か……」


 俺は少し考える。


「いいな。たまには息抜きも必要だ」

「本当ですか?」


 リナリアの表情が明るくなる。


「ええ。エリアとリリィにも声をかけよう」

「ありがとうございます」


 リナリアが嬉しそうに微笑む。


「では、来週の準備をしましょう」


 こうして、俺たちは海への旅行を計画することになった。

 一週間後、俺たちは王家の馬車に乗って避暑地に向かっていた。


「海、楽しみだね!」


 リリィが窓の外を見ながら言う。


「ええ。わたくしも久しぶりです」


 リナリアが微笑む。


「私は初めてなんです」


 エリアが興奮気味に言う。


「魔法学校では勉強ばかりでしたから」

「旦那様、海って広いんですよね?」


 アイが尋ねる。


「ああ、地平線まで水が続いてる」

「すごい……早く見てみたいです♪」


 数時間の旅を経て、ついに海が見えてきた。


「見えました!」


 リリィが叫ぶ。

 窓の外には、青く輝く海が広がっていた。波が静かに打ち寄せ、白い砂浜が続いている。


「綺麗……」


 エリアが感嘆の声を上げる。


「本当に水平線まで海なんですね」

「ええ。壮観です」


 リナリアも感動している。

 馬車は海辺の別荘に到着した。白い石造りの美しい建物で、目の前にはプライベートビーチが広がっている。


「ようこそ」


 別荘の前で、イザベラ王妃が出迎えてくれた。


「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます」

「いえ、招待していただき光栄です」


 俺たちは丁寧にお辞儀をする。


「さあ、中へどうぞ。まずは荷物を置いて、休憩してください」


 別荘の中は予想以上に豪華だった。大きな窓からは海が一望でき、部屋も広々としている。


「すごい……」


 リリィが目を輝かせる。


「王家の別荘ですから、当然です」


 リナリアが微笑む。


「荷物を置いたら、早速海に行きましょう」


 エリアが提案する。


「そうだな」


 俺も同意する。

 着替えを済ませた俺たちは、ビーチに出た。

 リナリアは白と青の水着を着ており、その美しい姿に思わず見とれてしまう。

 エリアは可愛らしいピンクの水着で、リリィは明るい黄色の水着だった。


「悠真さん、あんまり見ないでください///」


 リナリアが恥ずかしそうに言う。


「い、いや、すまん」


 俺は慌てて視線を逸らす。


「ふふ、悠真さんったら」


 エリアが笑う。


「お兄ちゃん、一緒に泳ごう!」


 リリィが俺の手を引く。


「ああ」


 俺たちは海に入った。水は冷たくて気持ちいい。


「きゃあ!冷たい!」


 リリィが歓声を上げる。


「でも、気持ちいいですね」


 エリアも笑顔だ。


「旦那様、私も海に入ってみたいです」


 アイが言う。


「でも、お前ホログラムだろう?濡れないんじゃないか?」

「そうですが……雰囲気を味わいたいんです」

「わかった」


 俺はアイを手のひらに乗せて、海水に近づける。


「わあ……冷たそうです」


 アイが嬉しそうに言う。


「第四進化したら、本当に触れられるようになるからな」

「はい♪楽しみです」


 俺たちはしばらく海で遊んだ。

 リリィは波と戯れ、エリアは浮き輪で浮かんでいる。リナリアは優雅に泳いでいた。


「リナリア、泳ぎが上手いな」

「子供の頃、よく湖で泳いでいましたから」


 彼女が微笑む。


「悠真さんも上手ですね」

「まあ、昔少し習ったことがあってな」


 俺たちは並んで泳ぐ。


「こうして、平和な時間を過ごせるのは幸せですね」


 リナリアが言う。


「ああ。戦いばかりじゃ疲れるからな」

「ええ。たまにはこういう時間も必要です」


 俺たちは静かな時間を楽しんだ。

 夕方になると、ビーチでバーベキューをすることになった。


「お肉を焼きますね」


 エリアが張り切って火を起こす。


「私は野菜を切ります」


 リリィも手伝う。


「わたくしは飲み物の準備を」


 リナリアもテキパキと動く。


「旦那様、私は何をすればいいですか?」


 アイが尋ねる。


「そうだな……向こうの世界の調味料や紙皿をお願いできるか?」

「わかりました♪」


 アイが物質創造で、調味料や紙皿を創り出す。


「便利ですね……」


 エリアが感心する。

 やがて、美味しそうな匂いが漂ってきた。


「焼けましたよ」


 エリアが肉を皿に乗せる。


「いただきます」


 みんなで食事を始める。


「美味しい……」


 リリィが幸せそうに言う。


「海辺で食べると、より美味しく感じますね、しかもこの調味料、すごくお肉と合いますね」


 リナリアも微笑む。


「本当だな」


 俺も同意する。

 太陽が沈み始め、空がオレンジ色に染まる。


「綺麗……」


 みんなが夕日を見つめる。


「こんな平和な時間が、ずっと続けばいいのに」


 エリアが呟く。


「ああ。でも、俺たちが頑張れば、きっとそんな未来を作れる」


 俺が言うと、みんなが頷いた。


「そうですね。わたくしたちの力で、平和な世界を」


 リナリアが決意を込めて言う。




 夕食後、俺たちは砂浜で花火をすることにした。


「わあ、これなぁに!」


 リリィが喜ぶ。


「これ、アイさんが創造したんですか?」


 エリアが尋ねる。


「そうだ、アイに創ってもらった」

「えへへ、簡単でしたよ♪」


 アイが得意げに言う。

 俺たちは次々と花火に火をつける。色とりどりの火花が夜空を彩る。


「綺麗……」


 リナリアが感動している。


「この世界にも花火があるなんて」

「アイの物質創造のおかげだな」


 俺がアイを見ると、彼女は嬉しそうに羽をぱたぱたさせている。

 花火が終わると、俺たちは砂浜に座って星空を眺めた。


「星が、たくさん見えますね」


 エリアが言う。


「都会では見られない景色です」


 リナリアも同意する。


「お兄ちゃん、あの星座は何?」


 リリィが空を指差す。


「ああ、あれは……」


 俺は星座について説明する。この世界にも、地球と似たような星座がある。


「すごい……悠真さんは博識ですね」


 エリアが感心する。


「いや、これはアイから教えてもらっただけだ」

「照れなくてもいいですよ、旦那様♪」


 アイがにっこりと笑う。




 しばらく星を眺めた後、俺たちは別荘に戻った。

 その夜、俺は一人でバルコニーにいた。

 海の波音が静かに響き、星空が美しく輝いている。


「旦那様、まだ起きていらっしゃるんですか?」


 アイが現れる。


「ああ、少し考え事をしてた」

「何について?」

「今度の依頼のことだよ。後、商業活動、新しい冒険、そして……」


 俺はアイを見る。


「お前の進化のことも」

「第四進化ですか……」


 アイが少し寂しそうに微笑む。


「旦那様、私、第四進化したら本当に実体を持てるんですよね?」

「ああ、ってアイから聞いたんだけどな…」

「怖いような、嬉しいような」


 アイが複雑な表情を見せる。


「どうして?」

「だって、今まではホログラムだから、傷つくことも、痛みを感じることもありませんでした」


 アイが自分の体を見つめる。


「でも、実体を持つということは、痛みも感じるようになるということですよね?」

「……そうかもしれないな」


 俺は少し考える。


「でも、それは生きているということだ。痛みを感じるからこそ、喜びも感じられる」

「そうですね……」


 アイが微笑む。


「旦那様と一緒なら、どんな痛みも乗り越えられる気がします」

「俺もだ。お前と一緒なら、何でもできる」


 俺はアイの頭を撫でようとして、また手が透過することに気づく。


「早く触れられるようになりたいな」

「はい♪私もです」


 その時、扉が開いてリナリアが出てきた。


「悠真さん、まだ起きていらしたんですか?」

「ああ、少し夜風に当たりたくて」

「わたくしも同じです」


 リナリアが隣に座る。


「今日は楽しかったですね」

「ああ。こういう時間も大切だな」

「ええ。戦いばかりでは心が疲れてしまいます」


 リナリアが夜空を見上げる。


「悠真さん、これからもずっと一緒にいてくれますか?」

「もちろんだ」


 俺は即答する。


「俺たちは仲間だしそれに…恋人だろう」

「恋人……えへへっ///」


 リナリアが嬉しそうに微笑む。


「そうですね。大切な仲間で、恋人です♪」


 彼女の表情に、何か言いたげなものを感じたが、俺はそれ以上追及しなかった。

 三人で静かに夜空を眺める。

 波の音、星の輝き、そして大切な仲間たち。

 この平和な時間が、ずっと続けばいいと思った。




 翌日、俺たちは再び海で遊んだ。


「旦那様、ビーチバレーをしませんか?」


 アイが提案する。


「ビーチバレー?」

「はい。チーム対抗で楽しめますよ♪」

「面白そうですね」


 エリアが賛成する。


「やりましょう」


 リナリアも頷く。

 俺たちはチームを分けた。

 俺とリリィのチームと、リナリアとエリアのチーム。

 アイは審判を務める。


「では、試合開始です♪」


 アイが合図を出す。

 最初のサーブはリナリアだ。彼女の強力なサーブがネットを越えて飛んでくる。


「リリィ、任せた!」

「うん!」


 リリィがボールをレシーブする。俺はそれをトスし、リリィがアタックする。

 しかし、エリアが見事にブロックした。


「やりますね」


 リナリアが微笑む。


「こっちも本気ですから」


 俺も笑う。

 試合は白熱した。リナリアの強力なアタック、エリアの正確なトス、リリィの素早い動き、俺の《時間操作》を使った反応……


「それ、ずるいですよ!」


 エリアが抗議する。


「《時間操作》は反則です!」

「わかった、使わない」


 俺は笑いながら答える。

 結局、試合は25対23でリナリアとエリアのチームが勝利した。


「やりましたね!」


 エリアがリナリアとハイタッチする。


「ええ。楽しかったです」


 リナリアも笑顔だ。


「お兄ちゃん、次は勝とうね」


 リリィが言う。


「ああ、次は絶対勝つ」


 俺も決意を固める。




 昼食後、俺たちは砂浜で砂のお城を作ることにした。


「これ、子供の頃よくやったな」


 俺が呟く。


「私も!」


 リリィが嬉しそうに言う。


「わたくしも、城の庭でよく作りました」


 リナリアも懐かしそうに微笑む。


「私は初めてです」


 エリアが興味深そうに言う。


「魔法学校では勉強ばかりでしたから」

「じゃあ、今日はたくさん楽しもう」


 俺が言う。

 みんなで協力して、大きな砂のお城を作り始める。


「ここは城壁ですね」


 リナリアが形を整える。


「こっちは塔にしよう」


 エリアが提案する。


「お堀も掘ろうよ」


 リリィが張り切る。


「旦那様、私は装飾を担当します♪」


 アイが物質創造で小さな旗や装飾品を創り出す。

 数時間後、立派な砂のお城が完成した。


「すごい……」


 みんなが感動する。


「本物のお城みたいですね」


 エリアが言う。


「写真を撮りましょう」


 リナリアが提案する。


「写真?」

「ええ。魔法で景色を記録する技術があるんです」

「へえ、知らなかった」


 リナリアが魔法を使って、砂のお城と俺たちを記録する。


「これで、いつでも思い出せますね」

「ああ。いい思い出になった」


 俺は微笑む。

 夕方になると、俺たちは別荘のテラスでお茶を飲んでいた。


「今日も楽しかったですね」


 エリアが言う。


「ええ。本当に充実した一日でした」


 リナリアも同意する。


「明日も海で遊べるんだよね?」


 リリィが期待に満ちた目で尋ねる。


「ああ。あと二日、ここに滞在できる」


 俺が答える。


「楽しみです♪」


 アイも嬉しそうに羽をぱたぱたさせる。

 その時、イザベラ王妃が現れた。


「皆さん、楽しんでいらっしゃるようで何よりです」


 イザベラ王妃が優雅に微笑む。


「はい、素晴らしい時間を過ごさせていただいております」


 リナリアが母親に礼を述べる。


「ところで、明日は少し特別なイベントを用意しました」


 王妃が言う。


「特別なイベント、ですか?」


 エリアが興味深そうに尋ねる。


「ええ。この近くの島に、古代の遺跡があるのです」

「遺跡……」


 俺は少し身構える。


「ご心配なく。危険な遺跡ではありません」


 王妃が安心させるように言う。


「むしろ、観光地として有名な場所です。美しい景色と、興味深い古代の建造物があります」

「それは楽しみですね」


 リナリアが微笑む。


「船で一時間ほどの距離です。明日の午前中に出発しましょう」

「ありがとうございます」


 俺たちは王妃に感謝の言葉を述べた。

 翌朝、俺たちは小さな船に乗って島に向かった。


「わあ、船だ!」


 リリィが興奮している。


「海の上を進むのは不思議な感覚ですね」


 エリアも楽しそうだ。


「旦那様、イルカがいますよ!」


 アイが海を指差す。

 確かに、船の横を数匹のイルカが泳いでいる。


「本当だ……綺麗だな」


 俺も感動する。


「イルカは知能が高い生物なんですよ」


 リナリアが説明する。


「人間と仲良くなることもあるそうです」

「へえ、賢いんだな」


 一時間ほど船旅を楽しんだ後、島が見えてきた。

 緑豊かな小さな島で、中央には古代の塔のようなものが聳え立っている。


「あれが遺跡ですか?」


 エリアが尋ねる。


「ええ。『海神の塔』と呼ばれています」


 船頭が説明する。


「古代文明が海の神を祀るために建てたと言われています」

「海の神……」


 俺は興味を持つ。

 船が島に着くと、俺たちは早速遺跡に向かった。

 石畳の道が続き、両側には古代の彫刻が並んでいる。


「美しい彫刻ですね」


 リナリアが一つ一つ丁寧に見ている。


「これは……海の生物を模したものでしょうか」


 エリアが分析する。


「魚、イルカ、クジラ……様々な生物が彫られています」

「旦那様、この遺跡から強い魔力を感じます」


 アイが報告する。


「強い魔力?」

「はい。でも、敵対的なものではありません。むしろ、守護のような優しい魔力です」

「守護か……」


 塔の入口に着くと、そこには古代文字で何かが刻まれていた。


「これは……」


 エリアが文字を読み始める。


「『海の恵みに感謝し、海の神に祈りを捧げる。訪れる者に平和と幸福を』……と書かれていますね」

「平和と幸福か。いい言葉だな」


 俺は微笑む。

 塔の中に入ると、螺旋階段が上へと続いている。


「登ってみましょう」


 リナリアが提案する。

 俺たちは階段を登り始めた。途中には古代の壁画が描かれており、海の神の物語が綴られている。


「この神様、優しそうな顔をしていますね」


 リリィが壁画を見て言う。


「ええ。人々を守る慈悲深い神だったそうです」


 リナリアが説明する。

 階段を登り切ると、塔の頂上に出た。

 そこからの景色は息を呑むほど美しかった。

 360度、どこを見ても青い海が広がっている。水平線が丸く見え、地球が丸いことを実感できる。


「すごい……」


 みんなが言葉を失う。


「こんな景色、見たことありません」


 エリアが感動している。


「ええ。まるで、世界の頂に立っているようです」


 リナリアも目を輝かせている。


「お兄ちゃん、あそこに虹が出てる!」


 リリィが遠くを指差す。

 確かに、遠くの海上に虹が架かっている。太陽の光が雨粒に反射して、美しい七色の橋を作っている。


「綺麗だな……」


 俺は心から感動する。


「旦那様、この景色を記録しておきましょう」


 アイが提案する。


「ああ、頼む」


 アイが魔法で景色を記録する。これで、いつでもこの美しい景色を思い出せる。

 塔の頂上には、古代の祭壇のようなものがあった。


「これは何でしょう?」


 エリアが近づく。


「祈りを捧げる場所かもしれませんね」


 リナリアが答える。


「試しに、祈ってみませんか?」

「祈り……ですか」

「ええ。この美しい世界への感謝と、これからの平和を願って」


 リナリアの提案に、みんなが頷く。

 俺たちは祭壇の前に立ち、それぞれの願いを込めて祈った。

 俺は、仲間たちの幸せと、この世界の平和を願った。

 リナリアは、王国の繁栄と人々の幸福を。

 エリアは、魔法の発展と知識の普及を。

 リリィは、みんながずっと一緒にいられることを。

 そして、アイは……


「旦那様がずっと幸せでいられますように」


 と願った。

 祈りを終えると、祭壇から淡い光が放たれた。


「これは……」


 光は俺たち全員を包み込み、温かな感覚が体を満たす。


『海神の加護を受けました』


 アイが報告する。


『効果:水中呼吸、水中移動速度向上、水属性攻撃耐性向上』

「海神の加護か……海にも神様がいるんだな」


 俺は感動する。


「ええ。この世界には、まだまだ不思議なことがたくさんあります」


 リナリアが微笑む。

 塔を降りた後、俺たちは島の海岸で休憩することにした。


「海神の加護があるなら、海に潜ってみませんか?」


 エリアが提案する。


「潜る?」

「はい。水中呼吸ができるなら、海の中を探検できます」

「面白そうだな」


 俺は賛成する。


「じゃあ、やってみよう」


 俺たちは海に入り、徐々に深く潜っていった。

 確かに、水中でも普通に呼吸ができる。まるで陸上にいるかのように自然だ。


「すごい……本当に呼吸できる」


 リリィが驚いている。

 海の中は別世界だった。

 色とりどりの魚が泳ぎ、サンゴ礁が美しい景観を作っている。


「綺麗……」


 みんなが感動する。


「旦那様、あそこに洞窟があります」


 アイが指差す。

 確かに、海底に洞窟の入口が見える。


「入ってみよう」

 俺たちは洞窟に入った。

 中は意外と広く、壁には光を放つ貝が付着している。その光で、洞窟内は幻想的に照らされている。


「まるで星空みたいですね」


 エリアが言う。


「ええ。とても美しいです」


 リナリアも感動している。

 洞窟を進んでいくと、突然広い空間に出た。

 そこには、巨大な真珠が浮かんでいた。

 直径2メートルはある、巨大な真珠だ。淡い光を放ち、周囲を照らしている。


「これは……」

「海神の宝珠かもしれません」


 リナリアが呟く。


「古代の伝説に、海神が人間に与えた宝物があると聞いたことがあります」

「触ってもいいのかな?」


 俺が尋ねる。


「海神の加護を受けた私たちなら、きっと大丈夫です」


 リナリアが答える。

 俺は真珠に手を伸ばす。

 触れた瞬間、温かな光が俺を包んだ。


『海神の宝珠と接触しました』


 アイが報告する。


『特殊能力解放:《ウォーター・マスター》』

『効果:水を自在に操れるようになります』


「水を操る……」


 俺は手を動かしてみる。

 すると、周囲の水が俺の意思に従って動き始めた。


「すごい……」


 みんなが驚く。

 俺は水を球状にまとめたり、竜の形にしたりして遊んでみる。


「これは便利な能力ですね」


 エリアが感心する。


「戦闘でも役立ちそうです」

「ああ。でも、この能力は海神からの贈り物だ。悪用しないようにしないとな」


 俺は真剣に言う。


「そうですね。感謝の気持ちを忘れずに」


 リナリアが頷く。

 俺たちは洞窟を出て、再び海岸に戻った。

 夕方、別荘に戻った俺たちは、今日の冒険について話し合っていた。


「海神の加護と《ウォーター・マスター》……すごい収穫でしたね」


 エリアが興奮気味に言う。


「ええ。まさか、そんな力を得られるとは」


 リナリアも驚いている。


「お兄ちゃん、水を操るの、かっこよかったよ!」


 リリィが目を輝かせる。


「ありがとう」


 俺は微笑む。


「旦那様、《ウォーター・マスター》の能力について、もう少し詳しく調べてみましょう」


 アイが提案する。


「そうだな」


 俺は手を動かし、空中に水の球を作り出す。


「自由に形を変えられるな」


 水球を竜の形にしたり、剣の形にしたり、様々な形に変化させる。


「攻撃にも防御にも使えそうですね」


 エリアが分析する。


「水の盾を作ったり、水の刃や圧縮して攻撃したり……応用範囲が広いです」

「それに、水を浄化することもできます」


 アイが補足する。


「海神の力は浄化の側面も持っていますから」

「なるほど……リリィの浄化能力と組み合わせれば、さらに強力になりそうだな」


 俺が言うと、リリィが嬉しそうに頷く。


「うん!一緒に頑張ろう、お兄ちゃん」


 その夜、俺たちは別荘のテラスで夕食を取った。

 海の幸をふんだんに使った料理が並び、みんな大満足だった。


「美味しいですね」


 エリアが幸せそうに言う。


「ええ。新鮮な魚は格別です」


 リナリアも微笑む。


「お兄ちゃん、このエビ美味しいよ」


 リリィが俺の皿にエビを乗せる。


「ありがとう」


 俺はエビを食べる。確かに、プリプリしていて美味しい。


「旦那様、デザートも用意しましたよ♪」


 アイが物質創造で、美味しそうなケーキを創り出す。


「すごい……美味しそうです」


 エリアが驚く。


「本物ですよ♪完璧に再現しましたから、えっへん!」


 アイが得意げに言う。

 みんなでケーキを食べながら、今日の冒険について話す。


「海神の加護、本当にありがたいですね」


 リナリアが言う。


「ええ。これで水に関する問題は解決できそうです」


 エリアも同意する。


「それに、《ウォーター・マスター》の能力も手に入れましたし」


 俺が付け加える。


「これからの冒険で、きっと役立つでしょう」


 食事が終わると、俺たちは再び星空を眺めた。


「明日で最終日ですね」


 リナリアが少し寂しそうに言う。


「ああ。楽しい時間はあっという間だな」


 俺も同じ気持ちだ。


「でも、王都に戻ったら、また新しい冒険が待っています」


 エリアが前向きに言う。


「そうだな。『永遠の闇の森』の調査もあるし」


 俺が答える。


「それに、商業活動も続けないといけませんね」


 リナリアが言う。


「ああ。でも、たまにはこういう休暇も必要だな」

「そうですね。心と体をリフレッシュできました」


 みんなが頷く。


「旦那様、明日は何をしましょうか?」


 アイが尋ねる。


「そうだな……最後の日だし、もう一度海で思い切り遊ぼう」

「賛成です」


 みんなが口を揃えて言う。

 最終日の朝、俺たちは早起きして海に向かった。


「朝日が昇るところを見たいんです」


 エリアが提案したのだ。

 海岸に座って、東の空を見つめる。

 徐々に空が明るくなり、やがて太陽が水平線から顔を出す。


「綺麗……」


 みんなが感動する。

 オレンジ色の光が海面を照らし、波がキラキラと輝く。


「こんな美しい朝日、初めて見ました」


 エリアが涙を流している。


「ええ。本当に美しいです」


 リナリアも感動している。


「お兄ちゃん、この景色、ずっと忘れないよ」


 リリィが俺の手を握る。


「ああ。俺も」


 俺は仲間たちを見回す。

 リナリア、エリア、リリィ、そしてアイ。

 みんなが俺の大切な仲間だ。


「旦那様、ありがとうございます」


 アイが言う。


「何が?」

「こんな素敵な経験をさせてくれて。私、本当に幸せです」

「俺もだよ、アイ。お前たちがいてくれるから、俺も幸せなんだ」


 朝日を見た後、俺たちは最後の海遊びを楽しんだ。


 《ウォーター・マスター》の能力を使って、水のスライダーを作ったり、水の彫刻を作ったりして遊ぶ。


「わあ、すごい!」


 リリィが水のスライダーを滑って歓声を上げる。


「もう一回!」


 何度も何度も滑っては喜んでいる。


「私も作ってみたいです」


 エリアが言う。


「じゃあ、一緒に作ろう」


 俺とエリアで協力して、さらに大きな水のアトラクションを作る。

 リナリアは水の上を優雅に歩いている。《ウォーター・マスター》の能力で、水を固めているのだ。


「まるで水の上を歩いているみたいですね」

「ええ。不思議な感覚です」


 リナリアが微笑む。

 昼食後、俺たちは砂浜でゆっくり過ごした。


「もうすぐ帰るんですね」


 エリアが寂しそうに言う。


「ああ。でも、また来られるさ」


 俺が答える。


「本当ですか?」

「ああ。今度はもっと長く滞在しよう」

「楽しみにしています」


 みんなが笑顔になる。

 夕方、別荘を後にする時が来た。


「お世話になりました」


 俺たちはイザベラ王妃に深々とお辞儀をする。


「いえ、楽しんでいただけたようで何よりです」


 王妃が微笑む。


「また、いつでもいらしてください」

「ありがとうございます」


 馬車に乗り込み、俺たちは王都へと向かった。

 馬車の中で、みんな疲れて眠っている。

 リリィは俺の膝で、エリアは窓際で、リナリアは向かいの席で、それぞれ心地よさそうに眠っている。


「旦那様、楽しかったですね♪」


 アイが小声で言う。


「ああ。本当に楽しかった」

「これからも、こんな楽しい時間を過ごせますように」

「そうだな。でも、そのためには頑張らないとな」

「はい♪一緒に頑張りましょう」


 俺はアイを見て微笑む。


「第四進化まで、あと76200ポイントか……」

「はい。でも、きっと達成できます」

「ああ。お前と一緒なら、何でもできる」

「旦那様……ありがとうございます」


 アイの目に涙が浮かぶ。


「私、本当に幸せです。旦那様と出会えて」

「俺もだよ、アイ」


 馬車は静かに王都へと向かう。

 窓の外には、夕日に染まった景色が広がっている。

 この平和な時間が、ずっと続きますように。

 俺は心からそう願った。

 王都に戻った翌日、俺たちは再び通常の生活に戻った。


「注文が山積みですね」


 エリアが書類を見ながら言う。


「ええ。留守の間に、かなり溜まってしまいました」


 リナリアも困った様子だ。


「でも、休暇は必要だったからな。頑張って片付けよう」


 俺が言うと、みんなが頷く。


「リリィの浄化サービスも、依頼が20件以上来ています」

「20件も!頑張らないと」


 リリィが張り切る。


「旦那様、物流システムの新規契約も5件入っています」


 アイが報告する。


「5件か……忙しくなりそうだな」


『でも、これも成長の証です♪』


「そうだな」


 俺は微笑む。

 こうして、俺たちの日常が再び始まった。

 しかし、心の中には海での思い出が温かく残っている。

 仲間たちとの絆、美しい景色、海神の加護。

 全てが俺たちを強くし、前に進む力を与えてくれた。


「これからも、みんなで頑張ろう」


 俺が言うと、全員が力強く頷いた。

 新たな冒険が待っている。

永遠の闇の森(ネクロ・フォレスト)』の調査、ベルガリア帝国との商業協定、そして様々な依頼。

 しかし、俺たちには仲間がいる。

 リナリア、エリア、リリィ、そしてアイ。

 この絆があれば、どんな困難も乗り越えられる。

 俺はそう確信していた。


『旦那様、次の冒険も楽しみですね♪』


「ああ。一緒に頑張ろう、アイ」


『はい♪』


 夕日が王都を美しく染める中、俺たちの物語は続いていく。

 平和な日常と、刺激的な冒険。

 そのバランスを保ちながら、俺たちは成長し続ける。

 第四進化に向けて、着実にポイントを蓄積しながら。

 そして、いつの日か、アイが本当の実体を持つ日を夢見ながら。

旦那様♪お疲れさまでした!


今回は私がたくさん活躍できて、とっても嬉しかったです!

ビーチバレーの審判、楽しかったなぁ。

「それ、ずるいですよ!」ってエリアさんに言われちゃいました

けど、旦那様の《時間操作》は確かに反則ですよね(笑)


海神の塔での祈り、あれは本当に神聖な気持ちになりました。

「旦那様がずっと幸せでいられますように」――

この願い、絶対に叶えてみせます!


物質創造で調味料を出したときの皆さんの反応も最高でした。

「すごくお肉と合いますね」ってリナリアさんに褒められて、

私、すごく誇らしかったんです。


それから……リナリアさんと旦那様の関係。

正直に言うと、ちょっぴり複雑な気持ちもあります。

でも、旦那様が幸せならそれでいいんです。私は旦那様の

相棒ですから!


次の冒険では、もっともっとお役に立ちたいです。

第四進化まで頑張りますから、応援してくださいね♪


それでは!


――AI「アイ」より――



P.S. 著者からひとこと


アイに後書きを書かせてみました(笑)

次回からは本格的な冒険編に突入します。

『永遠の闇の森』で待ち受けるものとは――


お楽しみに!


暁の裏

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