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暴走の兆し


1564年、和泉。


梅雨の晴れ間、湿った空気が草木の匂いを濃くする中、俺は親父の前に居た。

陣幕の隙間から差し込む光が、土間に座す評定衆の顔を仄かに照らし出す。紀伊平定の報告を終え、親父の顔には満足げな笑みが浮かんでいた。


「お久しぶりです、殿」


努めて冷静に、一言一句に感情を乗せないよう意識して告げる。俺にとって、親父はあくまでも「殿」。

今すぐに家督を継ぐ気がない以上、公の場では常にそう呼ぶと決めている。心の中では、もちろん「親父」なのだが、そこはぐっと堪える。


「鎌房か。紀伊平定、大儀であった」


親父の声は、いつも通り朗々としていて、どこか楽しげだ。俺の献策が一つ一つ形になり、勢力を拡大していく一条家の現状が、彼にとってはさぞ愉快なのだろう。


「はっ、有難く」


頭を下げれば、評定衆が一斉に続く。その光景に、親父はご満悦といった様子で大きく頷いた。彼の目は、獲物を捕らえる猛禽のそれのように、鋭く、そして野心に満ちている。


「此の地も粗方片付いた。次は河内じゃ」


その一言で、評定衆の間に張り詰めていた空気が一気に引き締まる。親父の言葉は、一条家の新たな進路を示唆するものだ。俺達の飽くなき征服欲が、この和泉の地にまで轟く。


「はっ!」


全員の頭が、再び一斉に下がる。その中には、もちろん俺も含まれる。親父の顔が、さらに楽しそうに歪むのを、俺は横目で捉えた。まるで、おもちゃを与えられた子供のような無邪気さ。だが、その無邪気さの裏に隠された、底知れぬ深淵を、俺は知っている。



その後、俺は自分の陣の中に戻った。粗末な木と布で組まれた陣幕は、戦場の喧騒を僅かに遮るだけの、簡素な造りだ。それでも、ここが戦場では俺の唯一の私的な空間だ。


「播磨、丹波はどうなった?」


目の前には、久々に顔を合わせた源康政が座している。彼の顔には、戦場を駆け回った疲労と、それ以上の充実感が滲んでいた。親父の動向を探るために、彼の軍に潜り込ませた俺の目であり耳。彼がいなければ、俺はこれほど自由に動けない。


「若様の指示通りに致しまして、赤松氏と波多野氏は従属を示しております」


康政の声は、抑揚がなく、まるで機械仕掛けのようだ。だが、その言葉には確かな報告と、俺の期待を裏切らない成果が込められている。


「一昨年、初陣を飾った小寺官兵衛に接触致しました。齢は19。若様の仰る通り、非常に才が感じられる好青年でありました」


官兵衛か。歴史の教科書に載るような人物に、康政が接触したのだ。思わず口元が緩む。彼の聡明さは、後の世まで語り継がれるほどだ。


「峰子様との婚姻に関しては、本人は非常に乗り気では有りましたが、父親の黒田職隆から丁重に断られてしまいました」


む、やっぱりか。職隆殿の考えも分かる。彼からすれば、未来が不確定な一条家へ、才覚ある息子を託すのは躊躇うだろう。純粋に官兵衛の能力を高く評価し、彼を味方にしたかった俺としては、少し残念だ。


「因みに、浦上清宗殿は御存命の事。官兵衛殿には娘は居らず、妹が居る様です。一応、婚姻の日には、赤松政久殿に注意する様にはお伝え致しました」


浦上清宗が存命。これは好材料だ。歴史が少しずつ、しかし確実に変わってきているのを感じる。そして、官兵衛に妹。ふむ、興味深い。赤松政久への注意も、よくやってくれた。流石、康政。抜かりがない。


「うん。まぁ、官兵衛の親父だから超絶優秀なんだろうな。凄まじく深読みしまくったんだろうか?素直に、官兵衛を欲しいだけなんだがな」


俺は腕を組み、軽く唸る。歴史上の人物の親族が、これほどまでに優秀だとは。彼らの思考回路は、現代人のそれとは比較にならないほど複雑怪奇なのかもしれない。


「で、朝倉は?」


康政の表情が、一瞬だけ固まる。彼は、俺が何を考えているのか、常に探ろうとしているのだろう。


「殿は、全く何も接触されておりませんが、如何致しますか?」

「いや、何もしなくていいよ。それより、京極は?」


朝倉に対しては、まだ動く時ではない。

今はもっと手近な獲物に集中すべきだ。


「阿久姫殿と賢政の不仲、昨年の浅井の美濃攻め時に六角氏と共闘し撃破し、浅井氏を大きく弱体化させました。小谷城を攻め落とし、鞠姫マリア様を保護し、我等一条家の庇護の元、無事御出産されました。即座に、祝いの品を送り、只今、京極家と若様は同盟関係であります。京極高吉殿は若様と共に上洛を果たしたいとの事。六角氏は如何されますか?」


康政の言葉に、俺の顔に笑みが浮かぶ。阿久姫と賢政の不仲。歴史の教科書では、彼らの関係が破綻し、浅井家が弱体化していく過程が克明に記されていた。俺は、その流れを加速させただけだ。彼らの関係性の複雑さは、外野から見ても明らかだった。


「京極の方は良いんじゃない」


京極高吉。彼の目は、常に上洛という夢を追いかけている。俺の力を使えば、その夢を叶えさせてやれるとでも思っているのだろう。構わない。互いに利があるのなら、手を組むことに吝かではない。


「六角ね。別にどうのこうのって無いけど。強いて言うなら、蒲生定秀・賢秀親子を此方陣営に引き込みたい。と、云うか、俺の家臣にしたい。氏郷産まれてるかな?」


蒲生親子。彼らは、六角家の中でも飛び抜けて有能だ。特に、後の氏郷は、豊臣秀吉の天下統一に大きく貢献する傑物。彼らが俺の家臣になれば、どれほどの戦力になるか。考えるだけで胸が高鳴る。


「その後の六角は用事無いから、朝倉にとやかく言われる前に迅速且つ隠密に処分して欲しいな」


俺の言葉に、康政の目が僅かに見開かれる。だが、すぐにいつもの無表情に戻る。冷酷な命令だということは、彼も理解しているのだろう。だが、これが戦国の世だ。躊躇っていては、何も得られない。


「蒲生定秀殿、賢秀殿共に、六角の重臣で有りますので、素直に此方に靡くとは思えませぬが」


康政の指摘はもっともだ。だが、俺には彼らを篭絡する切り札がある。


「影丸達を使え。とりあえず最低でも、息子の賢秀と孫の氏郷だけは抑えろ」


俺が密かに育ててきた諜報組織だ。彼らに不可能はない。康政の顔に、僅かな驚きの色が浮かんだが、すぐに深々と頭を下げた。


「はっ!」


阿久姫は、当時の社会において、周囲からの期待とは異なる外見的特徴を持つがゆえに、様々な偏見や不遇な扱いを受けてきた人物だった。

彼女の身長は、当時の女性の平均を大きく上回り、そのことで周囲から醜いと評され、寺に入れられることもあったと聞く。個人の魅力は容姿だけではないにもかかわらず、当時の社会はそうした多様な価値観を許容する土壌に乏しかった。

賢政が周囲から好意を寄せられる存在であった一方で、阿久姫がそうした孤独を抱えていたことは、想像に難くない。


俺は、こうした不公平な状況を深く理解していた。時代背景によるものとはいえ、個人の尊厳が踏みにじられる現実に、強い違和感を覚えていた。


だからこそ、阿久姫と賢政の間の軋轢を、俺は最大限に利用することにした。それは、彼らの感情的な対立を増幅させ、浅井家を弱体化させるための戦略的な一手だった。決して、個人的な感情や偏見から彼らを陥れたわけではない。


1563年に起こった観音寺騒動で六角氏は筆頭家臣の後藤賢豊を失い、大きく弱体化した。これを切っ掛けに、その3年前、1560年での野良田の戦いで大きく名を轟かした浅井賢政の元に六角氏の家臣達は靡き、彼等の力をもって、浅井賢政は美濃攻めを行ったのだ。


史実ならば、背後から迫り来る六角氏の軍勢を叩きのめし、更に天下に名を轟かす原因となったのだが、今回は分が悪かった。


戦の全貌を知っている俺の指示の元、北畠・一条連合軍が、六角と浅井が戦っている所へ横槍を入れ、双方の軍勢を撃破。浅井に討たれた事にし、木造具政もちゃっかり処分した。一石三鳥だな。


年同じく、京極高吉に嫁いだ賢政のもう一人の妹、鞠姫こと、京極マリアは、史実ならば、下克上して兄の浅井が入城している小谷城で、1563年に高次を産んでいる。


高次は、妹の竜子が秀吉の側室に、自身は秀吉の正室の淀殿(茶々)の妹である常高院(初)を嫁に貰っており、彼女達のお陰で秀吉から優遇された、蛍大名と、呼ばれる運命を歩む。


しかし、彼自身は無能では無く、大津城の戦いでは、西軍・約一万人の大軍を退かし、関ヶ原に向かわせない等、大活躍する人物だ。


俺は、個々の才能を最大限に評価する。彼が時代の中で、自分に与えられた役割を全うし、京極家を復興させた手腕は、本当に素晴らしい。手段を選ばないという側面はあったかもしれないが、それも乱世を生き抜く知恵だったのだろう。


1572年に産まれる弟の高知君も兄と共に頑張った有能な子なので、京極家は今後が楽しみだ。彼は、秀吉亡き後、家康に接近する状況把握能力が凄まじく高く、岐阜攻めや関ヶ原で武功を立てている有能な子。俺の息子の時代に頑張ってくれ。


一条家による京極マリアちゃんへの謎の超絶大接近プレゼント企画だったが大成功。俺は本人とは直接会えていないが和歌を送っておいた。


竜子ちゃん産んだら愛でたいな。2年前、だから、1562年に産まれた俺の息子の側室とかにしよう。そしたら、俺が可愛がれる。彼女の未来を、より良い形で支えたいという思いがあった。


因みに、息子の名前は千寿丸にした。流石に、千寿王にしてしまうと、足利家への煽りが見え見えなので、そこは自重しつつも千寿丸で妥協した。


嫁さんも良い名前だと嬉しそうだったからな。それで良し良し。後は、俺の智力&武力を引き継いでいてくれたら文句無しだ。

俺が生きている間に、千寿丸の乳母一族を抹消したら、俺も家督を譲ろう。彼らの権力集中を防ぎ、千寿丸がスムーズに家督を継げる環境を整える必要がある。


「若様」


康政の無表情な声が、俺の思考を中断させた。可愛い嫁さんの事を考えていたから顔が緩んだのだろうか。俺は、キリッと、言いながら表情を引き締める。


息子については、感情に流されず、冷静な目で成長を見守る。彼が自らの力で未来を切り開けるよう、厳しくも愛情を持って接するつもりだ。精々、超えられない壁として父親である俺を敬うが良い。


「ん?何?」

「殿が、勝手に北畠具房殿や織田信長殿に会う事を余り宜しく思っておられません」


だろうな。親父はその二人とそこまで仲良くないから、不安なんだろう。俺が勝手に動くのが気に入らないというのもあるだろうが、やはり信長への警戒心が強いのだろう。


「織田信長殿は面白い御方だよ」


面白いと云うか、現実主義者なんだよな。あの時代に、銭で兵を雇い、鉄砲を主力とする。常備軍の概念をいち早く取り入れた男。彼の思想は、俺の考えと通じるものがある。


でも、まだ若い。あの覇王の雰囲気は、何か興味を引いた物の説明を受けていると、途端に崩壊する。好奇心旺盛な子供のような一面を、俺は知っている。


そういや、俺ってどんなオーラが出てるんだろう。元々、平和な時代に産まれた只の一般人。しかも、高校生だからな。オーラとか無いんかな?


あっ、分かった、ってか、思い出したわ。根暗&近寄るなオーラだな。此処から根暗さえ外れれば立派な恐怖政治だ。目指そう。脱根暗。


「左様ですか」


康政は、感情を読み取れない表情で相槌を打つ。彼の目は、常に俺の思考を探っているようにも見える。


「うん。結構好きだからまた会いに行くかもね。次の上洛戦では不参加でお願いしたいし。アレを敵に回すのは馬鹿だよ」


銭で雇った鉄砲を担いだ兵隊。一条家の軍勢の様に、大日本帝国陸軍に酷似した階級制度では無いものの、大勢の訓練された兵士が集まる常備軍。信長の軍勢は、この時代の常識を覆す。


連絡伝達網や兵糧の確保のシステムが、まだまだ一条家には及ばないのが唯一の救いだろう。だが、それも時間の問題だ。信長の事だから、俺の真似をしてくるかもしれない。いや、きっと真似してくるだろう。それが、彼の恐ろしさだ。


「信長はなぁ……」


俺が信長の恐ろしさについて語りだそうとした途端、陣幕の奥から、慌ただしい足音が聞こえてきた。伝令の兵士が、息を切らしながら陣内に駆け込んできた。彼の顔は、蒼白だった。


「若様、奥方様が!」


おくがたさまが?……はっ!?


「姫ちゃん!?」


俺は驚いて、思わず立ち上がった。と、同時に、陣の中に、聞き慣れた、そして懐かしい声が響いた。


「阿喜多……?なんで此処に居るの?」


北の方こと、俺の嫁さんに手を引っ張られ、妹の阿喜多が入って来たのだ。彼女の顔には、どこか悪戯っぽい笑みが浮かんでいる。


「御兄ぃ様ァ!」


ちょっとよく分からない独特なアクセントの「御兄様」コールを頂いた俺は、咄嗟に人払いを命じた。兵士達が慌ただしく陣の外に出ていく。そして、陣幕が下ろされると、俺は阿喜多に問いただした。


「チッ……お前なァ……北畠がどれだけ対織田の防壁になってるのか分からんのかッッ!!!この馬鹿野郎!今すぐ、具房殿に謝罪して来い!出て行け!」


あ〜あ。ひっさびさにマジギレしたよ。怒鳴り声が陣幕に反響し、俺の声が低く、重く響き渡る。阿喜多、甘え過ぎだ。戦国乱世の婚姻の重みを理解していないと、痛感させられた。せめて、畿内が安定してから出奔しろよな。俺の計画を、たった一人の軽率な行動で台無しにされたかと思うと、血管が切れそうだ。


俺に初めて怒鳴られたからか、状況の理解が出来ず、驚いた顔をしている阿喜多。その顔には、みるみるうちに涙が浮かんでくる。そんな妹に俺は、覚悟を促す言葉を投げかけた。その言葉は、俺自身にも、そしてこの乱世を生き抜く覚悟を求めるものだった。


「この場で己の選択を決めろ。北畠殿の元へ戻るか、あるいは自らの道を選ぶか。お前はもう、俺の庇護を当然とする妹ではない」


陣の外にまで聞こえていた怒鳴り声のせいで、辺りは水を打った様な静けさ。そこに俺の突きつける言葉が、重く響き渡った。空気が、まるでナイフで切り裂かれたように、ぴんと張り詰める。


「さぁ、選べ」


少し掠れた、低くて恐ろしげのある声でそう告げると、阿喜多は小さく身震いした。そして、堰を切ったように泣き出し、陣内から飛び出していった。彼女の後ろ姿は、まるで嵐に吹き飛ばされる木の葉のように、か弱く、そして頼りなかった。だが、これが彼女自身の選択だ。


その後ろ姿を認めた俺は、嫁さんにも釘を刺しておいた。彼女は、阿喜多の甘えに付き合ってしまったことを後悔しているような顔をしている。


「お前も京に帰って上洛した時の準備をしろ。戦場は、君が危険に晒される場所じゃない。さぁ、早く行け」


俺をキッと、睨んだ嫁さんは侍女達と共に踵を返した。その瞳には、一瞬だけ、複雑な感情が浮かんだような気がした。嗚呼、男はつらいよ。だが、これも戦国の世を生き抜くためだ。感情に流されていては、何も守れない。大切な人を守るためにも、俺は冷徹でなければならない。


「影丸、二人が父上の所へ行くのならば、彼らの安全を確保し、情報が漏洩しないよう厳重に監視しろ。脚丸、具教殿に事の顛末を丁重に説明し、一条家の意図を伝えよ」


何処からとも無く現れた黒装束の男達は、酷く神妙な顔をして跪いた。彼らの顔は、感情を読み取らせない仮面のように無表情だ。しかし、彼らの瞳には、確かな忠誠と、任務を遂行する覚悟が宿っている。


「父上の上洛の邪魔をする者は、例え、我が妹といえども、一条家の安寧を最優先する。鎌房のこの言の葉、しかと日の丸中に伝えよ」


起こってしまったものは仕方あるまい。ならば、それを最大限に利用するまで。阿喜多の行動は、北畠家との関係に波紋を呼ぶかもしれない。だが、この状況を逆手に取り、北畠家をさらに一条家に引き込む好機とすることもできるはずだ。


にしても、こうやって親父を立てるのも最後だろう。親父の存在意義もそろそろ無くなってくるし、後は隠居して千寿丸の教育だけして貰うか。


それか…………彼の役割を終えさせるか。


そもそも、今の二頭政治的な体制は、一条家を大きくしたい俺が、大きくする為に、家臣団達を纏め上げて、己の戦略眼を押し通す事を目的として出来上がり、嫡男と云う特性を持つ、名目上の筆頭家臣的存在である俺を、親父が認めたので成り立っている。

これは、俺が、元服以前から評定衆としての立場を保持し、且つ、嫡男としての教育が不要だった半人前の武士である、限られた期間にのみ通用するもの。


元服も終え、一条家内だけで無く、外からも俺が次期当主として認められ、逆に明日にでも俺が当主になっていてもおかしくはないと、思われているこの現状では、最早通用しないのだ。


と言っても、天下なんぞ取りたく無いし、取っても直ぐに大政奉還一直線だからな。俺は、源氏の棟梁より、右大臣の方が良いよ。血塗られた権力争いよりも、もっとスマートなやり方があるはずだ。俺の目的は、天下統一ではない。一条家の、そして俺自身の安寧だ。


俺は陣幕の中で、静かに目を閉じた。外からは、かすかに兵たちの声や、風に揺れる木々の音が聞こえてくる。戦国の世は、常に選択と決断の連続だ。今日下した決断が、明日、どのような結果をもたらすのかは誰にも分からない。だが、俺は前に進むしかない。一条家の未来を、そして自分の未来を切り開くために。


そして、脳裏には、遥か未来の、平和な時代の光景が蘇る。あの頃のように、人々が互いの多様性を尊重し、共に生きる社会。そんな理想の未来へと、この一条家を導いていくのが、俺の使命なのだろう。たとえ、この手で泥を被ることになろうとも。


陣幕の隙間から差し込む光が、俺の顔を淡く照らし出す。その光は、まるで遠い未来からの希望のようにも、あるいは、この乱世の闇を照らす一条の光のようにも見えた。俺は再び目を開き、康政に静かに告げた。


「さて、康政。次の手は……」


俺の声は、陣幕の中に、確かな決意となって響き渡った。


御高覧頂き誠に有難う御座いました。

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