厨二病が異世界転生!?……と思ったら、俺だけ戦国時代だったんだが?
「世界史なんか知ってどうすんの。俺が世界救うわけでもあるまいし」
世界史の授業は、俺の時間を合法的に奪うためだけに存在していた。
外は梅雨。鉛雲が空一面を覆い、色も匂いもない光が教室に差し込む。窓の外では梅雨空がぬるく広がり、鉛色の雲が空を塞いでいる。まるで未来を拒絶するかのように。教室では教師の退屈な声が背景ノイズのように流れ、俺は机の下でスマホをポチポチ叩いていた。テストの事なんて考えちゃいない。こっちはこっちで、明日には配布終了のSSRが掛かってんだ。
「ぐっ、うわあああああ!」
突然、耳をつんざくような女子の叫び声が教室に響き渡った。隣の席でノートにびっしりと文字を書き込んでいた優等生の女子が椅子から飛び上がる。普段から感情をあまり表に出さないタイプだけに、その叫び声は異様だった。思わず顔を上げる。
次の瞬間、俺の視界に飛び込んできたのは、黒板にゆっくりと浮かび上がっていく幾何学的な模様だった。チョークで書かれたヘロドトスの名前の上。青白い光を放ちながら、複雑な線が絡み合い、急速に形を成していく。中心には太陽のようなシンボルが鎮座し、その周囲を無数の記号が取り囲んでいる。まるで、どこかの古代遺跡に描かれた壁画のようにも見えた。いや、もっとSF的で、魔術的だ。
「――あれ、これって……」
見覚えがある。いや、見覚えしかない。
俺は中学二年生の頃から、社会的には残念極まりない病に罹患していた。しかも、重症だ。
衝動的に叫び出す狂人扱いされていることに慣れてしまう程度には。
「魔法陣? 魔術刻印? まさか、そういう奴かッ!」
俺の声は騒然とする教室に不自然なほど響き渡った。
クラスメイトたちは俺の唐突な叫びに一瞬ギョッとした顔を見せたが、すぐに黒板の異変に意識を戻した。
教師も事態の異常さに気づいて、慌てて教卓から飛び出した。顔は青ざめ、額には脂汗が滲んでいる。
悪夢を見ているかのような表情で、慌てて黒板消しを手に取った。ガリガリと黒板に浮かぶ光の模様を消そうと滑らせるが、当然、消えるはずがない。光の線は嘲笑うように教師の腕をすり抜けていく。
馬鹿め。『物理で殴れ』なんて、野蛮人のやることだ。魔術的な現象は、魔術的な手段でしか止められないだろ? そういうのは、ゲームや漫画で散々学んできたはずだ。
「な、なんだこれは!?」
「誰のイタズラなの!?」
「え、何これ、怖い!」
クラスメイトたちの狼狽えようは見物だった。女子生徒は悲鳴を上げ、男子生徒は机にしがみつき、一部の生徒は窓の外を恐る恐る窺っている。特に教師の姿は滑稽だ。まるで夢見心地の、案山子のように棒立ちとなっている。普段は偉そうなことを言っているくせに、こういう時こそ頼りにならない。
俺にとっては宝物のような幾何学模様は、教師の手によって消えることなく、むしろ鮮明さを増していく。青白い光は教室全体を照らし始め、やがてそれは、窓の外の梅雨空を突き破るような強烈な閃光を放った。まるで、太陽が突然教室に出現したかのようだ。
「おお、成功したか!」
俺は興奮を抑えきれず、衝動的に叫び出した。
「女神様ッッ!!! チートを下さいッ! 金持ちになりた……」
俺だけが完璧なタイミングで完璧な言葉を叫んだのだと、根拠のない確信が脳裏をよぎった。
「うわぁっ!」
「ま、まぶしっ!」
「み、みんな落ち着いて!」
「さよなら、世界ッ! こんにちは、異せか――」
俺がそう言い終わる前に、視界は極彩色に包まれた。赤、青、黄、緑、紫……あらゆる色が渦を巻き、視界を侵食していく。目の奥がジンジンと痺れ、頭の中でサイレンのような音が聞こえた。
これは、きっと異世界転移のエフェクトだ。ラノベで読んだ通りの展開じゃないか。俺は今か今かと、転生の瞬間を待ち続けた。胸の高鳴りが止まらない。
【世界の狭間に漂う者たちよ】
脳内に直接響くような、厳かで、それでいてどこか冷たい声が聞こえた。
まるで耳ではなく、脳髄の奥深くに直接語りかけられているような感覚だ。アドレナリンが凄まじい勢いで分泌されているのがわかる。全身の毛穴が開き、鳥肌が立った。この感覚は、まるでオンラインゲームでレアドロップを引いた時のような、いや、それ以上の高揚感だ。
「イエッサー! 女神様! アナウンスさん!」
一人だけ馬鹿がいるって? 気のせいだ。この状況で冷静にツッコんでられる奴の方がよほどおかしい。
いや、俺が一番おかしいのか。
だが、何故だろう。女神様に声をかけた途端、視界がクリアになった。極彩色の渦が引いていくと、見慣れたはずの教室の光景が戻ってきた。
しかし、決定的に何かが違う。クラスメイトたちの奇声や叫び声、ざわつきが、一切聞こえないのだ。まるで、彼らがサイレント映画の中にいるかのように、口をパクパクさせ、腕を振り回している。教師も必死に何かを叫んでいるようだが、その声は俺には届かない。
あれれぇぇぇ、おかしいゾう。
俺だけ、別次元にいるのか?
【残念ながら、貴方達は召喚されてしまいました】
「残念じゃないです」
思わず口に出して返答していた。脳内の声が、俺にだけ聞こえているという確信が、ここで生まれた。
隣の席の女子を見る。くっそ真面目な優等生、名前は確か……ああ、どうでもいいか。
その女子が、不思議と意味を理解できて、納得しているような顔をしていた。目を見開き、口を小さく開けて、呆然としている。しかし、その顔には諦めのような感情が浮かんでいるようにも見えた。
は? 何が起こってんだ? 俺にだけ聞こえる声、そして周囲のクラスメイトたちのサイレント。この違和感は何だ?
【貴方達の世界とは異なる世界のとある才あふれる未熟な者が、勇者召喚の術を暴走させてしまいました】
「ふざけるなッ、私達を元に帰せッ!」
と、教師がドスの利いた声で怒鳴っているのが、口の動きでわかった。まるで、映画の字幕を見ているようだ。その訴えを皮切りに、生徒たちも次々と口をパクパクさせ始めた。
さっきまで納得してたんじゃねぇのかよ。状況を理解できずに混乱しているだけか?
「ちょっと、お前ら黙れよ。女神様がお困りだろ」
スクールカースト最底辺の存在で且つ、小心者である俺は、そっと小声で呟くしかなかった。
普段通り、耐えているだけ。最早、癖となってしまっている。
【――地球はすでに私の管理外の為、召喚を防ぐ事が出来ませんでした。そして、貴方達を召喚した世界は私の管理が及んでいるところではありません】
あれ? 女神様、管理外の世界に飛ばされるの? ヤバくないか?
チート貰ってハッピーライフ! と思っていたのに、まさかの無法地帯行きか?
脳内で慌てふためいていると、女神様の声が続いた。
【今は召喚中の為、全ての概念が曖昧になっています。その為、こうして私が貴方達に干渉出来ているのです】
教師が声を上げようとしたが、女神様がそれを遮った。教室のサイレント風景の中で、教師の口の動きが止まった。
【これから貴方達のいく世界は、地球の様に人間が支配している地ではありません。魔物や魔族を初め、神々ですら手に負えない危険がすぐそばにあります】
その厳しい声に、俺は思わずゴクリと喉を詰まらせた。クラスメイトたちも口をパクパクさせていた動きを止め、凍り付いたように立ち尽くしている。
おい、今、サラッと神々ですら手に負えないってカミングアウトしたよな。それって、つまり、俺らが戦う相手、あるいは巻き込まれる事態が、神様すらお手上げレベルってことか? やべぇな。
【言葉はわからない、力もない、魔法も使えない貴方たちでは、あまりにも無力な世界です】
魔法あるんだ。
いや、勇者召喚の術が既に魔法か。
ってか、魔族いるんだな。魔物も。神々も。
……ん? ファンタジー世界ってことか?
女神様の声が、ふっと穏やかになった。まるで、先ほどの厳しい口調は嘘だったかのように、慈愛に満ちた響きに変わった。
【そんな場所に貴方達を放り込むのは忍びありません。ですから貴方たちには最低限の力を授け……いえ、選びなさい。そして、貴方達の選択の結果を祈りなさい。私からの贈り物の形で授けましょう】
その女神様の台詞の直後、俺たちの目の前に、半透明の光る板が浮かび出した。まるで、ゲームのステータス画面が現実になったかのようだ。そこにはステータスやスキルといった項目が書かれている。
光の板は俺の顔のすぐ前に浮かび、指を伸ばせば触れられそうな距離にある。
「ステータス……嘘だろ。なんでINTとかLUCじゃねぇんだよ!」
思わず声を上げた。いや、声にならない声だったかもしれない。だが、心の中では確実に叫んでいた。
だってそうだろ? 普通、異世界転移のステータス欄って言ったら、STRとかVITとかINTとかMNDとか、いわゆる基本6ステに、運のLUCとか、カリスマのCHAとか、そういうのが並んでるもんだろ。
そして、スキル欄には、火属性魔法とか、回復魔法とか、剣術・槍術・弓術とか、そういうのが並ぶのだ。もちろん、俺はINT極振りにしてBブッパ。脳筋魔法使いってやつだ。
いや、別にね、俺のステータス欄にも『智力』って項目あるんだけど、それ以外が、『統率力』『武力』『政治力』なんだわ。
これ、完全にアレじゃん。
魔王とか勇者とかそういうMMORPGファンタジーな世界観向けの基本6ステ(STR・VIT・INT・MND・AGI・DEX)に、CHAとLUC合わせて8ステのとは違って、三国志とか戦国に行くやつじゃん?
俺は戸惑った。予想外の展開に、頭の中が真っ白になる。
いやいや、俺はファンタジー世界に行きたいんだ。ドラゴンと戦ったり、魔王を倒したり、可愛い獣人娘とハーレムを築いたり……。
そして、チラッと、隣のくっそ真面目な名もなき優等生(知らないだけ)のステータス欄を覗く。
そこには、俺が求めていた項目が並んでいた。
STR・VIT・INT・MND・AGI・DEX・CHA・LUC。
見事に均等に振られている。恐らく、優等生過ぎて全くゲームをやったこと無いのだろうか。意味を理解していなさそうだ。だからこそ、変に特化させず、無難な振り方になっている。
馬鹿め……
――って、そうじゃねえ!
可笑しいぞ。
俺だけが違う。いや、俺だけが、この教室の全員と違うステータス画面を見ている。
思わず、乾いた笑いが込み上げてくる。
もう片方の隣の席の奴のステータス欄も覗く。やはり、優等生と同じだ。
チラッと振り返り、後ろの席の奴のも見た。
少し腰を浮かせ、前方の斜め左右と正面の席の奴らのも見た時に確信に至った。
……俺、どうやら違う世界に飛ばされるみたいだわ。
しかも、クラスメイトたちとは別の世界。
それも、中途半端なファンタジー世界じゃなくて、リアルな戦乱の時代。
め、女神様ッッ!?!?
あんた、とんだ詐欺師だな! チートって言ったろ!? 金持ちは!? ハーレムは!?
そうとなればと、俺は腹を括った。慌てず、とあるスキルを取った。
俺のステータス欄の一番下、他のスキルとは明らかに異質な輝きを放っている項目。
【呪術】
それを選んだ瞬間、光る板から50P消費という表示が出た。
そして、全力で自称女神様アナウンス詐欺師を呪った。脳内で、これまでに培ってきた厨二病的な呪いの言葉をありったけ叩きつけた。(実は、誰も「女神」とは名乗っておらず、俺の勝手な厨二の思い込みによる逆恨みである。だから、多分、女神様には届いていない)
盛大に呪い尽くした俺は満足し、早速与えられたスキルポイントを確認した。元々1000Pあったが、【呪術】を取得した為、950Pに減っている。
ステータス的に考えて、明らかに三国志か戦国時代なので、乱世に役立つスキルを厳選する。
魔族や魔王、勇者やドラゴンはいないと思うが、戦争は有るだろう。生き残るためには、何が必要か。
まずは情報収集だ。
【鑑定】の下位互換である【スキル鑑定】と、【速読】、【記憶術】を取得し、スキル欄を眺めた。
ありとあらゆる森羅万象を見極める【鑑定】を取るとなれば25000Pも必要となり、最大でも1000Pしか無い現状、無理であったが、今、俺が最低限望むものはスキルの効果や内容、取得条件や裏話を知りたいだけ。
下位互換で充分であった。
【速読】で自分でもあり得ないスピードでスキル欄を読破し、【記憶術】で全て完全に覚え切った。脳に直接情報を流し込まれるような、それでいて不快感のない不思議な感覚だった。
これ、スキル選択系転生・転移パターンの王道必勝法だよね。
昔、ラノベで読んだのが生かされたな。あのラノベはクソ鬼畜仕様だったけど、こういう時に役立つとはな。
で、最大の悩み事である、【剣技】と【剣術】が有るけど、両者の違いは何?という謎現象についての疑問が解決された。
簡単に言えば、【剣術】は、【剣技】の上位互換らしい。なるほど、スキルにも進化系があるのか。
やはり、俺の思った通り、攻撃系スキルには、スキル進化がある。本当に謎なのだが、このスキル欄を読む限り、攻撃系スキルだけなんだよな。
【馬術】は有るけど【馬技】がない。その癖、【槍技】の隣に、【槍術】だけじゃなく、【投槍術】や【炎槍術】や【氷槍術】なんていう、指定された魔法を取得していることを条件に覚える特化進化したスキルもある。
まあ、俺が転生・転移する世界は、魔素や魔力、MPやマナといった概念は存在せず、魔法なんて無いと信じているので無駄な派生スキルは不要だ。
もし魔法があったとしても、俺は敢えて魔法縛りプレイっていう名目で楽しむから良い。どうせなら、自分でハードル上げて楽しんだ方が面白い。
で、結局取ったスキルは、
* 【呪術】 50P:怨念を力に変える。いざという時の切り札。
* 【速読】 30P:情報収集の要。これで文献読みまくって知識チートを目指す。
* 【記憶術】 50P:速読とセットで最強。一度読んだものは忘れない。
* 【剣技】 50P:基礎的な剣の扱い。これで最低限の護身はできる。
* 【剣術】 100P:剣技の上位互換。実戦で役立つ。武力依存だから武力に振る意味もある。
* 【抜刀術】 100P:一撃必殺。暗殺とか奇襲に使えるかもしれない。
* 【短剣術】 100P:隠し武器として。これも武力依存。
* 【馬術】 50P:戦乱の時代なら必須。移動手段としても重要。
* 【陰陽術】 100P:【氣】と【呪術】が前提条件。未来予測や解呪、式神召喚。ここが俺のファンタジー部分だ。
* 【危険察知】 100P:命を守る必須スキル。智力依存なのもいい。
* 【氣】 50P:体内の力を操る。身体能力強化は汎用性が高い。
* 【魅了】 30P:外交や交渉で役立つかもしれない。女性にも使えるか?(下心)
* 【礼儀作法】 100P:貴族社会で生き抜くために。意外と重要。
* 【薬草知識】 15P:サバイバルには必須。
* 【笙歌知識】 15P(笙は和楽器の一つ):文化教養。教養は意外なところで役立つ。
* 【漢詩知識】 15P:同上。
* 【和歌知識】 15P:同上。
* 【舞踊知識】 15P:同上。
* 【茶器知識】 15P:同上。
で、計1000Pジャスト。
【スキル鑑定】はもう不要なので、【スキル還元】スキルを取得し、両方のスキルをスキルポイントに戻した。完璧だ。これで無駄なくポイントを使い切った。
ステータスも振った。
ステータスに振れるポイントは、スキルポイントとは別に存在し、なんと200もあった。
上限値は100だったので物凄くありがたい。これは迷うことなく極振りだ。
* 統率力 1
* 武力 100
* 智力 98
* 政治力 1
武力に振るのは自分の身を守るため。
【剣技】と、それの派生スキルは武力依存なので当たり前だな。
後、【馬術】も武力依存だ。
智力に振る第一の理由として、奇襲を受けにくくなることが挙げられる。危ない状況を察知し、未然に防ぐ。これが戦乱の時代を生き抜く基本だ。
後、知識系スキルと、【記憶術】の威力というかスキルに蓄積されている情報量が、智力によって変化するからだ。智力が高いほど、知識の恩恵が大きくなる。
【呪術】・【氣】・【陰陽術】の威力も智力依存だ。攻撃系スキルは武力、特殊系は智力、という明確な役割分担がある。
ちなみに、【氣】スキルは、魔素や魔力、MPやマナ等とは異なる体内に宿る力を扱い、体内で循環させたりして氣が尽きるまで、一時的に身体能力を上昇させたりするものだ。これは、現代の格闘漫画とかでよく見る、いわゆる身体強化の類だろう。汎用性が高く、戦闘で役立つのは間違いない。
【呪術】スキルは、魔力や氣も使わない。威力は智力依存で、原動力は恨み・怨み・妬み・嫉みだ。学問の神様、菅原道真の怨霊が凄まじかったのも納得である。まさか、俺の厨二病の権化とも言える「呪い」が、異世界でまともに使えるスキルになるとはな。笑いが止まらない。
【陰陽術】スキルは、【氣】と【呪術】スキルの取得が条件となるものだ。未来予測や高度な呪殺以外にも、解呪や式神召喚ができる。これはファンタジー要素が残っていて嬉しい誤算だ。戦国時代に陰陽師か……面白いじゃないか。
うん。【弁舌】や【交渉】スキルも欲しかった。外交とか、下克上とか、そういう時に役立ちそうだったけど、ポイントが足りなかったな。
だが、これでいい。俺ならきっと戦乱の時代を生き残れる。
いや、生き残るどころか、天下を取れるかもしれない。
光る板の右下に設置されている『祈る』の所を押して終了だ。
刹那、俺の身体が光に包まれる。先ほどの極彩色とは違う、白く、温かい光だ。
「嗚呼、儂ゃぁ、昇天するゾぃ」
謎の爺さんキャラを演じた直後、もう教室に俺だけしか残っていないことに気づいた。
クラスメイトたちは、誰もいなかった。魔法陣の光が消えた後、彼らはどうなったんだ?
俺と同時に別の世界に飛ばされたのか、それとも元の世界に戻されたのか。
これからの人生を決める大切な時間だというのに、なんでポンポンステ振り、スキル決定できるわけ?
あいつら、たぶん何も理解できずに、そのまま転移先に放り込まれたんだろうな。スキルもステータスも、自動で割り振られて。
クラスメイトの死亡確定案件。
まあ、所詮、ほぼ無関係な赤の他人だしどうでも良いけど。
「よし! ではでは、信長かなぁ〜、それとも秀吉? いや、家康も悪くない。三英傑の誰かの下につくか、それとも自分で天下を狙うか……」
そう叫ぶと、俺の意識は、完全に途切れた。
御高覧頂き誠に有難う御座いました。
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