「KATANA」(漫画)
かまたきみこ 作
高校一年生の成川滉は、刀自身の姿(=魂魄)が見えてしまう特殊能力の持ち主だった。その能力故に、刀にまつわる数々の不思議な事件に巻き込まれていく―――
19巻まで。
KATANAの世界観がけっこうコウとだぶっていて嬉しい。名前もあきらだし。
コウの雰囲気や顔のイメージぴったりだし。
「あの人たちにとって襲は、いや……あらゆるものが、人間の不安を消し、願望を叶えるための道具なのだと言っている気がする」
「僕は何となく嫌いだ。その考えが嫌なんだよ」
あきらのなかの自己矛盾。刀という者が、個人を守り邪を切るものとして働くのは良しとして、その守るものが国家や組織となると受け容れられない。
悪の事情や悲しさもちゃんと物語はあるけれど、善と悪は対峙していて倫理は崩れない。
複雑なアンビバレンスはなくて、個性は際立っていて理解しやすい物語にしあがっている。
襲刀と幸見の一族。
あきらと父の葛藤、祖父との関係性。
一本一本の刀とのかかわり。
性格の弱さや、父親に認められない劣等感や、寄り添う姿勢のエピソードでの表し方がうまい。
ほかにもいろいろ。見習うところ一杯。一度整理してみよう。




