「めくらやなぎと眠る女」(小説)
村上春樹 著
本邦初登場の「蟹」は、名作「野球場」に登場した作中小説を、実際の作品として書き上げた衝撃の掌篇!
ニューヨークで編集された英語版と同じ構成の自選短篇集。
全然読めてないのだけど、そのうち埋めていきたいです……。
「めくらやなぎと、眠る女」
表題作。現実と空想と、記憶と境界が混ざりあっているような。
「バースデイ・ガール」
20歳の誕生日に何か一つだけ願い事を叶えてくれると言われたら――。彼女が何を願ったのか、想像するのも面白い。
「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
「飛行機――あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」
「鏡」
百物語の一つのような怪談。
「我らの時代のフォークロア――高度資本主義前史」
「ハンティング・ナイフ」
描写が綺麗で面白い。
「半分に割ったマフィンみたいにギザギザに尖った岩場」
「車椅子の金属が月の光を吸い込んで、冷え冷えと淡く光って」
そして変わらず、他者の生に対して傍観者的で、曖昧な語り手。語り手の接する他者は人間らしいのに、語り手にはこれという個性を感じられない。なんだか狂言回しの道化のようにさえ見える。
「カンガルー日和」
「かいつぶり」
「人喰い猫」
「貧乏な叔母さんの話」
「嘔吐1979」
「七番目の男」
「スパゲティーの年に」
「トニー滝谷」
「とんがり焼の盛衰」
「氷男」
「蟹」
「蛍」
「偶然の旅人」
「ハナレイ・ベイ」
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」
「日々稼働する腎臓のかたちをした石」
「品川猿」




