「男の子のココロとカラダの育て方」(教育)
汐見 稔幸 著
男の子は宇宙人! 男の子の育て方で困っているお母さんへ。なぜ「男の子」はそうするのか、そのときの対処法を詳しく解説。
1章 からだ編(男のルーツ 染色体 ほか)
持っている道具の違いといっていいのだろうか。ということは、当然個人差があるだろうし、いわゆる男女差は統計的にみた個体差ということなのかな。
・脳梁の太さ(神経線維の数)で、左右の脳の情報交換の活発さに差がでる。
女性は両脳の情報交換が活発。男性は比べると少ないか、情報交換の仕方がやや異なっている。
・言語中枢が左脳にあるのは、男性だけの特徴かもしれない。
←男性は左脳を損傷すると言葉に障害がでる。右脳ではそれがほとんどないが、女性はどちらの脳でも同じくらいの割合で言葉に障害がでる。
・目の網膜細胞の差
男の子 動くものに目がいく。ある・ないに反応。
女の子 色、光に反応
2章 行動編(昆虫が好き 収集好き ほか)
根拠に置いている狩猟本能レベルの話は、社会の与える性差の根拠として母性神話と同次元に思える。
この章自体が一般的なイメージを集めた男の子編のような。
全てに当てはまるざ・男の子じゃなくて、男の子でも女の子でもどれかにはまるんじゃないかと思う。
3章 遊び編(子どもと遊び 注意のタイミング ほか)
「子どものいろいろな力が育つためにはまず、感動したり楽しいと感じたりする気持ちや、からだをいっぱい使った「経験」という土台がどうしても必要です。その上にピラミッド状に、工夫したり、考えたりする「思考」が乗り、さらにその上に「言葉」や「数」といった表現する手段が乗っていきます」
「これが逆になると、言葉だけは知っているし、計算は得意だけれど、経験はないので、深い思考はできない」
まさにこれ! うちの孫ちゃんじゃん。問題解決能力、判断力に結びつかないだけじゃない。ただの知識のひけらかしでしかない。だから疲れる、聴いてるだけで。
知ってるか知らないかが問題→マウントを取れる取れないの問題、だからその質問内容に意味も重みもない。
この繰り返しが、自己肯定に繋がるとも思えない。
「将来、子どもが社会に出たときに大事なことは、どこに本当の問題があるかを見抜き、それを人間らしく解決していく力です。
さらに、その前提には、生命や愛情に対する感受性の問題があります。子どもにその大切さを感じ取れる感性が備わり、どうしたら人間らしいよい方法を選択できるかそれを自分で考えていける感性と能力こそが、どんな仕事においても、どんな人間関係や生活においても、必要となります」
→幼児期にさまざまな経験を
周囲に迷惑をかけない。人の楽しみを邪魔しない。わが子の楽しみも邪魔しない。
4章 ココロ編(男の子はマザコン? 男の子と言葉 ほか)
自己主張の項、
「うるさい」「早くして」の親の一方的な態度から、「こうしたらお母さんは怒らないから」「こうすれば認めてくれるから」と自らを守るために、親の考えを先取りし、自分の考えを押し殺してしまう。
自分の考えを隠して周りに合わせていく対応を続けていくと、将来、
「本当は嫌だったのに、言うことばかり聞かされた」という感情をもちつづけ、大人になっても自己不全感の強い状態として成長する可能性。
本当はこんなことをしたい、あんなことは嫌だと自覚することを防げられたわけだから、自分の願っていることもわからなくなってしまう。
→子供は自分の意思でやりたいことを見つけ、夢中でそれをやればいい。
5章 自立編(社会が求める男の子像 自己肯定感の育て方 ほか)
第二反抗期のあるなしは母親次第。自立を上手く促せたかどうか。
全体通して、構造、機能からみた性差、男の子というものへの対処法という感じではない。遺伝子に組み込まれているという活動的な本能というのも根拠としては科学的とは思えないし。
男の子に限定せず、子育てで親が陥りやすい良くない対応に注意を促す点は、参考になる。「自己主張」の項での、子どもの自己主張を潰してしまうとこんなふうになりかねませんよ、という説明は解りやすかった。
今まさにそれやってる。
しかし、遊び編の中で、「周囲に迷惑をかけない。人の楽しみを邪魔しない。わが子の楽しみも邪魔しない」
子の楽しみ=周囲の迷惑だったり、子の楽しみ=私の楽しみの邪魔をするだったりの場合の対応は? 具体例はなかったな。




