「子どものアドラー心理学」その1(心理学)
イラスト版 子どものアドラー心理学: 勇気と自信がつく45のスキル 単行本 – 2018/7/10
岩井 俊憲 (監修), 菊地 典子 (著), 池田 彰子 (著)
いじめや嫌な目に合ったとき、どうしたらいいかがわかる。
自分を好きになり、相互尊敬、相互信頼の関係を築くことができる。
読むと勇気がわいてくる魔法のことば!
【アドラー心理学が教育に役立つ4つのポイント】
1.民主的な教育観。自由が理想だがほかの人の権利や責任も大切にする姿勢
2.過去志向の「原因論」ではなく、「人間の行動には目的がある」とする未来志向の心理学。
3.困難を克服する活力となる「勇気づけ」を大事にする。そのためには相互尊敬、相互信頼が欠かせない。「ほめること」(評価的な態度)とは異なる。
4.クラスや集団への所属観・共感・信頼感・貢献観をまとめた「共同体感覚」の育成。競争的な対人関係ではなく協力的な人間関係をめざす。
第1章 自分の思い込みを理解する。
①ほかの人の見方で考える
②友だちの考え方に関心を持つ(考えを一致させるのではない)
③目的を知る(人間の行動は目的に向かっている)
④大人がキミを怒る「目的」を考えてみる(「なぜ」ではなく「目的」を考える。きみにどうなってほしいからそう言ったのか)
目的 例:コントロールする、上位でいる、期待している、価値を伝えたい、信念を伝えたい
⑤「やろう」でも「できない」
「人生のうそ」本来自分の責任であるものに対して、「自分ではどうしようもない」と考えて、まわりに責任があるようにふるまうやりかた
「やろう」「できない」を決めたのは自分
⑥決めたのはだれ?
1 何かのせいで、うまくできなかったことはある?
2 1で、自分が置かれた状況(原因)の中に、何かよい点はなかったか探してみよう
3 よりよい結果になるために変えられそうなアイデアはある?
⑦怒りをコントロールする(感情を「使う」)
感情は目的にあわせて自分で作り出し、使う物。
・怒りはどう使えるか考えてみよう
1 怒りの根底にある別の感情には「不安」「落胆」「焦り」「くやしさ」「傷つき」などいろいろある
2 怒りの感情を使わずに気もちを伝えるとしたら、きみなら何て言う? 目的についても意識して。
3 怒りをぶつける、2を用いるの2通りのロールプレイをしてみる。
⑧「怒り」の目的を知る
目的
1.相手を支配する
2.相手から主導権をとる
3.自分の権利を守る
4.正義感をしめす
【感情は支配されるものではなく使うもの】
感情は自分ができごとを通して感じるもの、それをどう使うかは自分で決められる
⑨相手に共感する 【相手の立場で考える】
第2章 上手な聴き方・伝え方
⑩聞き上手になろう 解決策をアドバイスしてもらったりするより、横にいて最後まで話を聴いてもらう方が安心する。
⑪聴き上手の達人になろう
1.あいづちをうとう
2.相手の言葉をくりかえそう
3.相手の話は最後まで聴こう
4.相手の気持ちも言ってみよう
5.自分の気持ちも言ってみよう
6.相手との位置をくふうしよう
7.視線をくふうしよう
ポイント 1 自分の話したい気持ちをすこしの間がまんする
2 相手の話しているようすを観察する
3 相手の気持ちを考えながら聴く
⑫人に頼みごとをするとき 相手の希望を聞きつつ以来する
1 攻撃的な頼み方 相手を傷つけても自分の欲求を通そうとする
2 復讐的な頼み方 相手を傷つけしかも自分の欲求はあきらめる
3 主張的な頼み方 相手を傷つけずに自分の要求を聞き入れてもらう
4 非主張的な頼み方 相手を傷つけないために自分の要求を引っ込める
⑬だれも傷つけずに頼みを断ろう 主張的に断る
1 攻撃的な頼み方 相手を傷つけても断る。自分も嫌な思いをする
2 復讐的な頼み方 相手を傷つけて、しかも頼みを聞き入れてしまう。相手も自分も傷つく
3 主張的な頼み方 相手を傷つけずに断る
4 非主張的な頼み方 相手を傷つけたくないために頼みを受け入れてしまう。やりたくなくてもやることになる。
⑭命令とお願いのちがい 【命令口調とお願い口調】
⑮自分の考えを伝える方法
言い争いになると、事実と意見がかけ離れることが多くなる。
事実ことばは自分の考えにすぎないことを、まるで事実のように伝える表現。意見ことばは自分の考えだということがわかるように伝える表現。
⑯自分の気もちを伝えよう 【私メッセージとあなたメッセージ】
あなたメッセージは相手を決めつける言い方。
⑰私メッセージを作ってみよう
⑱言い出しにくいときの伝え方
自分の考えや気もちを大切に思い主張することが大切だ。主張するときには、相手の考えや気もちもよく観察して、自分はあなたの考えや気もちを理解しているということを伝える必要がある。相手のことも大切に考えよう。
知っていても、アドラーの考えということを知らなかったものがあった。
ここまでの印象は、コミュニケーションノウハウといった感じ。
上の男の子(小1)は、面白いと熱心に読んでいた。
アドラーといえば、①目的論を説き、②課題の分離で介入しない責任転嫁しない、自己責任の人のイメージだけど(あくまでイメージです。)ここで紹介されているのは、もっぱら技術といった印象。
自分が自分の全てをコントロールできると信じている、というところが無意識の否定につながるんじゃないのか、と。
自分が制御できない自分や自分には見えていない自分、無意識を意識化することを常々考える自分としては、アドラーの言葉に共感ももつことは少なかったのだけど、こうして整理したものを見てみると、課題の分離や、無意識的なその感情や行為の目的は? と当たり前に用いて考える。
誰の思想というのは知らなくても、いろんな面で見聞きして取り入れていたんだろうな。




