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23話 ふみゅ~~~~~!!

 

 とんでもないクソゲーに四苦八苦した、と言っても6時間ずつの交代なので初日は2回しか挑戦できなかったけど。


 ちなみに大砲を越えた先の大砲は使わないのが正解で、そのまま大穴に落ちると下にクッションがあって無事着地できるという仕組みだった。


 どうやって進めばいいか分かれば話は早いのだけど、〔明晰夢を歩く者(アリス)〕と〔太郎坊兼光(ショート リヴド)破解(レイン)〕で外から様子を見れなかった場合、戻ってきた人間が目を覚ますまで待たないと先がどうなっているのか分からないので、この2つがあって本当によかった。

 そうでもなければ、この試練をクリアするまでに何カ月かかるか分かったもんじゃないよ。


 すでに第二の試練に挑み始めて2週間経っているけれど、未だに試練がクリアできていない。

 一応【魔王】が定めた期限まであと二ヶ月あるとはいえ、【四天王】と【魔王】の討伐の事以外にもあまり悠長にはしていられないんだよね。


「てめぇ何見てんだコラ?」

「ああやんのか?」

「ぶっ殺すぞおら!」


 なにせ日に日にアメリカに住む人々の心が荒んでいるのだから。

 いや、さすがに全員が全員すぐ近くにいた人達みたいな世紀末感あふれる感じではないけれど。

 ただお店の中だけでなく、そこら中でみんなイライラしているんだよね。


「毎日、強制的に悪夢を見せられ、イライラさせられるんだから堪ったもんじゃないよね」

「はぁ……、でも先輩達は平気そうですね」

「食べるの我慢してるから」


 乃亜は憂鬱そうな表情を浮かべており、明らかに毎日の悪夢に悩まされている様子なのが分かる。


「でも蒼汰が言う様に私達は我慢してるから寝起きにイライラはしないけど、正直言ってかなりキツイわよ」

「……目の前にある美味しそうな果物を、空腹の状態で見続けるのは辛い」

「それでも寝起きにイライラしなくて済むならマシだろ。はぁ、私もどうにか我慢したいのだが、さすがにあの空腹感には耐えられん」


 冬乃とオルガはイライラとした様子はないものの、少しウンザリとした表情をしており、オリヴィアさんは顔をしかめながら首を横に振っていた。


「まあワタシ達はマシな方だよ。ただイライラしてるだけなんだから」

『ワタシは特に何の被害も受けていないので悪夢に関してはノーコメントなのです。ただ分かるのは一番きつそうなのが()()()()()だということなのですよ』


 ソフィアとオルガはそう言って僕にしがみついてる咲夜へと視線を向けた。


「ふみゅ~~~~~!!」

「落ち着いて咲夜。人格が崩壊してるから」


 若干幼児退行している咲夜が膝立ちになって僕にしがみつきながら、顔を僕の身体にグシグシと押し付けて唸っていた。


 普段の咲夜からは想像もできない状態になってしまっているなぁ。


「寝ればストレスで起きたら試練で死ぬストレスですからね」

「蒼汰と違って咲夜さんは夢の中で果物を食べてしまうから、本来であれば寝る事で精神を休められるはずが休められてないものね」


 冬乃はそう言うけど、その理屈だと僕だって精神を休められてないのでは?

 食べるのを我慢して耐え続けるのも地味にきついんだけど。


「……蒼汰は何だかんだでストレス耐性が滅茶苦茶高いから、多少きつくても問題ないと思う」

「え、普通では?」

「「「「「『普通じゃない』」」」」」


 咲夜以外の全員から言われてしまった。解せぬ。

 ただ、ガチャを回していたからか、ある程度のストレスには慣れている自覚はあるけど。


「ソウタはともかくとして、咲夜さん以外の試練に参加してる人達も咲夜さんのように参ってしまってる人が続出してるらしいね」

「ああ、そうだな。それでも攻略はしてもらわないといけないから、攻略以外の時間は出来る限りストレスが緩和できるように政府の方が色々な物を用意しているが、それもいつまで持つか……」


 あらゆる娯楽や様々な美味しい食事を出来る限り用意することになったのは、5日目でボイコットする人間が出始めたからだ。

 説得しようと役人の人が交渉した結果、漫画やゲーム、動画といったものなどが大量に用意され、少しでもストレス軽減できるようになった。


 まぁ最初はここで辞退すると報酬がもらえないなどといった事で説得していたけど、「毎日何回も死んで寝ても休まらない気持ちがお前らに分かるか!」と怒鳴られたらしい。

 その結果として僕らもこれらを利用できるのだから、その人には感謝しかないけど。


 ただ、それらの娯楽でもそろそろ限界が近いらしい。

 咲夜のこの様子からいって色々まずそうだ。


「はむはむ」

「ついには人前でも甘噛みするようになってきたか……」

「もうさっきからまともな言葉も話していませんからね」


 数日前までは僕に抱き着いて首や腕を甘噛みしてきていたが、それは部屋の中でだけだった。

 だけどもうストレスを少しでも緩和したいのか、今日は人前とか関係なく僕で少しでもストレスを和らげようとしていた。


「まだ僕は大丈夫だけど、さすがに1人ではあの試練を突破するのは無理だから、他の人達も頑張ってくれないかなぁ」


 割と切実にお願いします。

気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >とんでもないクソゲーに四苦八苦した、と言っても6時間ずつの交代なのであれから2回しか挑戦できなかったけど。 >すでに第二の試練に挑み始めて2週間経っているけれど、未だに試練がクリア…
[良い点] エンドレス甘噛みハムハム、、、 よかったね、、、同級生の男子達がいなくて(*´∀`*)
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