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愛する姉へ  作者: 甜瓜
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姉という人

お久しぶりです。はじめましての方は初めまして。「甜瓜」と書いて「めろん」と申します。

今日から連載小説を投稿しようと思います。

二年ほど前にも連載小説を書いていましたが挫折してしまいました。

今回は前回の二の舞にならないよう、無理のない範囲で投稿しようと思います。

誤字や表現の誤りが多いかと思います。見つけ次第教えていただけるとたすかります。

一週間に一話のペースで投稿できればと思っています。

またよろしくお願いします。


「急がないとまた遅刻するわよ」

 姉の声が僕の部屋に響いた。

その日は気持ちの良い朝だった。

僕は朝特有の朦朧とした意識の中で食卓についた。朝食はいつもと何ら変わらないトーストした食パンと簡単なサラダにスクランブルエッグ。母が作る朝食は毎朝これと決まっている。いつものように完食し身支度を済ませる。今年でぼくは高校二年生に姉は大学二年生になった。学年が上がったことでクラスが変わり学校に行くのは少し憂鬱だった。

僕はクラスでは目立つほうではなく、言わば空気のような存在だ。そのため僕と交友関係

にあるのはごくわずかに限られている。人を選んでいると思われがちだが、単に人付き合いがにがてなだけだ。姉に急かされながら家を出た。天気のとても良い日だった。

 学校には徒歩で行ける距離のため時間には多少余裕があった。席につき一限が英語であることを知る。今日は課題があったはずだ。

プリントの用意をしていると僕に向かって声がかけられた。僕に声をかける人は限られている。

「おはよう」

僕が声のする方に挨拶すると前の席に木戸裕也きどゆうやが座っていた。

「悪いけどさ、その英語のプリント写させてくれないか」

木戸は黒く焼けた顔から白い歯を覗かせた。

「いいよ」

僕の返事はそっけないが木戸にはそれでいい。

「お前のプリント写して失敗したことないから助かるよ。特別な勉強法でもあるのか?」

木戸は受け取ったプリントをひらひらさせながら僕の返事を待った。

「姉さんがいつも手伝ってくれるから」

木戸は合点がいったらしくもう一度白い歯を見せ自分の席に戻った。

僕の姉は完璧な人だった。勉強もできて部活ではいつもレギュラーを勝ち取っていた。文武両道という言葉は姉のために存在していると思えるほど姉は完璧だった。僕は姉を心から尊敬していた。僕のお手本だった。いつも人の先に進み、誰よりも努力していた。僕は完璧な姉が大好きだった。そんな完璧な姉が壊れ始めたのはいつだっただろうか。


読んでいただきありがとうございます。

次話の投稿は5月17日になると思います。

感想、評価、ブックマークなど励みになります。

次回もよろしくお願いします。

それではまた。

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