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死闘

「まさか我の極炎が効かぬとは、だがこれでもはやお主だけだ」


俺は何秒か呆気にとられていた。

少女は大量の血を飛び散らせながら、ゆっくりと前に倒れ込む。

あぁ…絶望とは今この瞬間の事を言うのか…。

そして俺の絶望は怒りへと変化し、目の血管が破裂するほど全身に力を入れた。


「おぉぉおおまあぁぁあええぇぇぇえええええええええええええええええぇえぇぇぇぇええええええッッッ!」


気付いたら俺は短剣を柄を握り直し、走り出していた。

そのまま飛び上がり、龍の胸の部分に切りかかった。


「キィィィィン!」


が、鱗の硬さに刃が届かず甲高い金属音を響かせながら弾かれる。

弾かれた俺は空中に投げ出され、無防備な状態になったのを龍は見逃さず、尻尾を突き刺してきた。

短剣で上手く弾いて急所は避けたものの、横っ腹辺りに刺さった。

逆流し、大量の血を吐き出す。

俺は力を振り絞って刺さった尻尾を抜き、そのまま地面に倒れ落ちる。

すぐに俺は流血する横っ腹を手で抑えながら立ち上がった。


「結果は見えているというのに醜いな、そのボロボロな短剣で何が出来ると言うのだ」


そう言った後、たちまち龍が俺に向かって尻尾を振り下ろしてきた。

が、それを俺はかわすのではなく地面に叩きつけられる瞬間に乗り移り、そのまま龍の尻尾を伝って走った。


「こざかしい…!」


龍は俺を手で掴みかかろうとした。

俺はその攻撃を短剣で弾きながら尻尾からその腕に飛び移った。

新たな足場としてまた俺は走り出した。


「おのれ…ッッ!!貴様ァァァァ!!」


俺は肩の部分まで辿り着くと、その場で飛び上がった。

そして龍の頭上で神経を研ぎ澄まし、自分の魔力を短剣に込めた。

身体中に溢れるありったけの魔力をこの短剣に注いでいく。

俺は体を屈ませ、全体重を剣に込めた。

狙うは龍の頭。


「くらぇぇぇええええぇぇぇえええッッ!!」


俺は掛け声と共に龍の頭目掛けて落下して行った。


「人間如きがァァァ!!」


龍はそう叫びながら俺に向かってドス黒い炎を口から放った。

それはさっきの炎のような範囲攻撃ではなく、光線の如く俺単体目掛けて放たれた。

が、俺はそれを空中で身を捩りかわす。

範囲攻撃だったら危なかっただろう。

そして、、、


グシャッ


「グァァアアァァアァアアァ!!」


龍は悲痛な叫び声を上げ、その場に倒れ込んだ。







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