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それからの教会へ行くまでの一週間はひたすらこの国の事を教えて貰った。

まず、この国の名前は”レプグナンテ”というらしい。小さな島国で豊かな土地ではないけれど、魔法の力があるのでそれほど食に困ることはないのだとか。

世界的に魔法があるのかと思ったけれど、どうやら世界的にみると魔法を使える魔導士はそんなにいないらしい。

この国の特徴?なのかな。だから国民たちはこの国で取れた鉱石だとか、細工した道具だとかに魔法の力を注入?まぁなんか魔法の道具を作って特産品として貿易材料にしてるらしい。

魔法国家、みたいな感じなのかな?貿易がメインのような感じ。

食料には問題ない、うん、つまり食事情学校アレなのは、ただ単に料理が下手、と。

台所に入りたい…、素材の味を確かめつつ、なんとか食べれるものを作りたい。

だって肉とか魚とか、基本的に焼いて塩でも振ればおいしいでしょ!?!?

なんで!?なんでまずくなるの?????

レシピを見ても食材の名称とかよくわからないものがあるから理解できないし、本当にそこは困りものである。

えぇと、それで。

この国の成り立ちが魔法使いの量が多いのに関係してるとかどうとか。

元々この土地には悪い魔法使いが住んでたらしいのね。人々を苦しめる悪しき魔女さんとやらが。

原住民族の方達は魔女を恐れて日々ひっそり暮らしていたらしいんだけど、そこに外の国から光の魔法を使う聖女とその仲間の剣士がやってきて魔女を退治した。

剣士は勇者と呼ばれ、この場所に国を作り王として君臨し、聖女は教会を作りそこで人々を癒した。

…うん、よくある話だけどまぁそんなこんなで、つまりこの国の王族は勇者の血を引くもので、光の魔法を使うものは聖女の意思をつぐもの。

みたいな扱いらしいね。うん。聖女信仰。なるほどなるほど???


なんかどっかで聞いた設定のような気がするけど、夢だしね。

色んなゲームやら小説やらがごっちゃになってるのかもしれない。


あとはまぁ、ペンの使い方だとか、一般常識を教えて貰ったんだけれど。

私3歳なんだよね?天才じゃない???

普通三歳児ってこんなすらすら文字かけるの?国の歴史だのお作法だの学ぶの??

子供いないからわからないんだけど、それにしたって凄くない?

噛まずにおしゃべりできるし!


ただまぁ思うのは、この部屋のドア、大きすぎない?っていう所。

うん、お部屋というかこの御屋敷が大きいのはまぁ貴族だしね、大臣だし?わかるんだけど…。

身長これ多分1メートルくらいはあるんじゃないかと思うんだけど、それで手を伸ばしてノブに手が届かないっておかしくない?

巨人の家かよ…???

毎朝アンに連れられて食堂?に行く。なんていうんだろ、リビング?は違うよね。ダイニングルーム??まぁ食事をとる場所だし食堂でいいのかな。

そこの扉はそれほど大きい感じはしない、私でも手が届く。

玄関から先にはまだ出してもらえないけれど、やっぱりそんなに大きくはない。

…私の部屋だけノブ高くない?何で?作画崩壊???

それとも何か理由が…………、まさか、脱走防止?

子供だもの、勉強から逃げたい時だってあるだろう。それを阻止するため…とかいやいや考えすぎだよね。うん。

ところで、玉ねぎさん…えぇと、そう、オネットさんなんだけども。

ちゃあんと一人になってから二人の名前をメモしたおかげでなんとか覚えてますよ!

アンの時みたいに、なぁんか変わった気がするんだよね?

元々オネットさんはちゃんと顔がしっかりしてたんだけど、なんだろう、なんかこう、柔らかくなった?

きつそうな人だなー、いかにもないじわるな人っていう最初の姿から、なんかこう、きついけど可愛い人っていうか。

よく見たらこの人美人だなぁ、っていう。やっぱり認識なのかな?それとも私と関わるかどうか?

食堂で他のメイドさんとかを見たんだけど、皆遠巻きでこっちには来てくれないし、そもそも私がコミュ障だからね。

挨拶だけはするけど、他はわざわざからみにいかないしなんとも…でもそういう人達は皆にたりよったりのぼんやりしたモブ。

声も姿もいまいちはっきりしない感じで、正直見分けがつかない。名前があるのかもわからない。

でもこれ見よがしに聞こえるように陰口いったりしてる所に遭遇したりはするからなぁ・・・なんなんだろう。

一人で出歩けないから大体オネットさんかアンがいるし、オネットさんの場合は咳払い一つで退散させて威圧してくれるからなんかもうねぇ…。

アンはそっと私の肩を抱いて方向転換。同じ使用人仲間だしね。注意とかできないよね。それが集団生活…せちがれぇ


お父様は相変わらず。

一応私が記憶喪失になってるっていう連絡はしてくれたらしいんだけれど。

まぁお父様からの便宜もあって早めに面会が取り付けられたとかどうとかもあるらしい。

けど、手紙の一つ、言伝の一つ無し。当然あいにもきませんし、何やらメイドさんたちの噂話によると、別宅があってそこに女と子供と暮らしてるとか・・・?

はぁあ?っていうね、いやほんとどぐされ野郎じゃない?????えっ?何?離婚とかしてないの?しないの????

この家の権力とやらは向こうのものなの?っていうか母方の親戚とかは何しとんじゃー!って思うんだけどもね??

何かしらんけどもういないらしいんだよ。何それ。怖くない??

母親が嫁いだあたりで両親が死んでて??ほかの親族ももういなくて????

膨大な権力や資産は全部母親、もとい、夫であるお父様のものになり?えっ、最初から計画されてない?

殺されてない???って私としてはとてつもなく不穏なかんじなんですけどー。

突き落とされた件といい、命狙われてない?大丈夫??夢でも暗殺とか嫌ですよ?痛いのは嫌だ。

追いかけられる夢、殺される夢、見た後はいつも心臓がバクバクしていたし自分の叫び声で起きた事もある…。

またあれをやるのか、嫌だなぁ。だからできればハッピーな夢であって欲しい!


ちなみに私がアンの前で号泣した件に関しては、日記を見て情報をしっていたこと、なんとなく思い出す瞬間があること。

それで悲しくなってしまったこととか、そういうのを説明した結果、そもそも子供だしね。普通に納得してもらえました。はい。


あと貴族ランキングなんだけど、一応今後役に立つだろうからって教えて貰ったのだけど。

上から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵…らしい。上から二番目じゃん…なる、ほど。

一応メモしたけれど、直ぐに忘れそうでもある。いや、今の私の脳みそはぴっちぴち!もしかしたら覚えるかもしれない。

社交界デビューとかした日には…ってもうしてますね、うん。断片的な記憶だけだけど。

早いなぁ一体何歳にデビューするものなの…?他の子どももっと大きくなかった?

あぁ、いやいや脱線してる。そうじゃなし、今後そういった場に行くときには多分それなりに顔と名前を覚えなきゃいけないんだろう。

それこそ爵位も。そんなもの覚える羽目になった日には階級だって覚えるわな、うん。社交界とか出ませんようにとひっそり祈る。


そんな感じで過ごし、今日は教会に行く日だからとオネットさんに連れられて外に出た。

そう、祝福すべき初めて外に出れた日です!天気はちょっと悪いけど、初めて出た世界はすごく綺麗だった。

せかされて近づけなかったけどお庭はやっぱり素敵な感じがしたし、御屋敷の外観もどこぞの博物館か!!っていうレベル。

更に驚くべきところは、皇居かよ!っていいたくなるほど立派な門の前に待機していた馬車!!!!!

ヒェエ、憧れです…。牧場で馬に触れあう事はあれど、馬車なんて夢のまた夢…。

シンデレラかよ…と思わずつっこみたいくらいの豪華な馬車に乗り込んで、外を覗き込む。

するすると流れていく街並みは中世ヨーロッパ?うん、そんなに詳しくないんですごめんなさい。

ゲームによくある街並みっていえばわかってもらえるだろうか…。とにかく素敵。

あっ、そうだ。ディ〇ニーの古き良き西洋のお姫様物の世界、って感じ。

外に出たい、写真撮りたい、カメラ欲しい。身を乗り出したいのを必死に抑えながら外を見つめている私に、オネットさんは今日は特別とお目こぼしをしてくれた。

本当はあんまりはしゃぐのはよくないらしい。外をじろじろ見るなんて無作法だとか。

でも初めて見るものだし、幸い目線は釘付けだけど指を指したり、騒いだりしてないからまぁ今日の所は、といった所。

大変ありがたいです。本当に。


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