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"彼"シリーズ

玄関にいる"彼" 

作者: 海漣

玄関で靴をはいていると差し出された大きな手

見上げると"彼"が立っていた

「急がねえと遅刻すんぞ」


立ち上がって"彼"から鍵を受け取る

「あ…傘忘れた」

雪が降るかもしれないんだった


部屋に戻ろうとすると腕を掴まれる

振り返ると"彼"の手には傘が握られていた

「…探しもんはこれか?」

「あ」


"彼"から傘を受け取る

「いつもありがとう」


笑顔で伝えると

「…早く行けよ」


横を向いた"彼"の耳がほのかに赤くなった

かわいいやつめ




「行ってきまーす」



"彼"="玄関のドア"



私の想像だと無口な硬派男性

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