作者による解説 in 2021
《本作連載中に制作した1分半弱のPV》
https://www.youtube.com/watch?v=tY72SfrYsYE&t=7s
この前年に書いた小説のリニューアル版にして、社会人生活一年目と並行しながら執筆した初の作品。正直比じゃないぐらい心身疲れました(笑) もー、睡眠不足よ睡眠不足…。でも就職・引っ越しして実家を出た(過干渉気味な母親の管理下から逃亡できた)おかげで、仕事以外のあらゆる時間と金を自分自身の裁量で使える自由というか、一番自分に適した作業環境を作り出せるようになったのは最高ですね。まあ書類その他諸々書くの大変だけどw
本作では新規導入した手法が色々あり、まずプロットから直接小説を執筆するのではなく、プロットと小説の間に「脚本」を挟む形式を採用しました。小説作品に対して「情報の取捨選択が出来てない」指摘や自覚は長らくあって解消方法に悩んでいましたが、考えてみたら僕は映像作品作ってた期間のが遥かに長いし慣れてる訳で。
そっちの経験応用できないかなー、と色々考えた結果「そうか、執筆作業で集中する部分を段階別に分けちゃえばいいんだ」と気付いて、それが見事にハマった感じです。少なくとも前作より台詞回しとテンポ感は向上しました。ただの設計図と思えば展開の切り貼りや入れ替えにも抵抗減るし、正直いったん情景や感情描き込んでしまうと、ワンシーン入れ替えるだけで初期版の情報が行方知れずになったりして修正作業そのものが気持ち悪く感じてしまうんですよね。
あと、戦闘シーンをそのまま「アイデンティティのぶつかり合い=台詞の応酬」にオーバーラップさせるとか。これはガガガ文庫の「俺、ツインテールになります。」あたりを参考にしたんだっけか。映像と違って文章だと、殺陣を単に殺陣として書いても映像ほど伝わらないからどうしよう、って悩みがこれを機に解消…たぶん。ただ、その根底にあるべき「キャラクター」の造形がまだ甘い部分があるってのが「セイテン!」の欠点でした。
あとは「参考フォーマットを明確にする」とか? 途中挿入されるアイキャッチ画像とかサブタイ見れば分かりますけど、本作は大学後半から本格的にハマり出したウルトラシリーズの影響がそこかしこに見られます(笑)小学校以降は東映一色だったからね。けど「ウルトラのフォーマットを参考に斉天少女をリニューアルする」って決めた翌月ぐらいに「ウルトラマンジードはベリアルの息子!運命に抗う!」って情報が解禁されて、凄い慌てた記憶がw
ただ、ウルトラに寄せるなら寄せるでハッキリすればいいものを、大学入学前後からハマった東映の「宇宙刑事シリーズ」に寄せようとしてた節もあって、この辺どっちつかずで中途半端に終わってる感。最終話ではウルトラのフォーマットに寄せて「人間の幸せは人間で掴まなきゃならん」なんてそれっぽいこと言って別れてるけど、途中の言動とあまり一致してないしねぇ…。長らく宗教不信状態だった僕が主にウルトラマンの影響とはいえ「人格神」をメインキャラに据えたのはある意味ターニングポイントではあるんだけど。
心残りなのは、自分が負った理不尽に対しどう対応するのか…って部分の作中スタンスが曖昧なところかな。自分に発達障害があると判明して以後は対応限界があると認めざるを得なくなったけど、本作執筆中は所属してた職場での扱いとかもう何もかも理不尽の真っ只中だったから、無理やりにでも現状に納得しようとした感が滲んでるんだよなぁ。
一点だけ明確にポジティブな視点で語れることといえば、ヤンデレヒロイン枠で登場している灰島美菜子さんでしょうか(笑) 第四話後半で大活躍してるヒトですね。彼女、リニューアル前も登場してますけどあくまで設計思想は「僕がこの世で最も関わりたくない人間の要素の寄せ集め」だったんです。ところが、その時点で既にとある人間に大好評(笑)で…彼女をヒロイン枠に昇格させてくれ!って言うもんだから、渋々やってみたら瞬く間に人間離れした大活躍をするわ、彼女との関係性で相対的に清楚ヒロイン枠の牧奈千手のキャラも引き立つわ…もう便利すぎますわ。
本来自分のトラウマというか女性不信由来のキャラだったハズなんですが、一体何なんでしょうねこの現象。ちなみに連載時も書きましたが、第四話でともに登場する「ミセスクレイジー」の着想元は学生時代、上野駅付近で実際に目撃したマナーの悪い乗客がモチーフです。こういうの僕の偏見の産物かと不安に思わないでもなかったんですが…まあ、どんな属性にもおかしいのはいますわね、人間の宿命として。
ちなみにこちら…なんの画像かというと、先述の美菜子さん推しの友人が主導していた小説シリーズ「サイコネクト!」とのコラボイラスト。確かに色々カブってる(笑) てか元からウルトラファンだった向こうの影響を僕が受け続けた結果出来たのが本作みたいなモンだからなぁ。
《サイコネクト!》
https://ncode.syosetu.com/n9721dl/
《サイコネクト!デイズ》
https://ncode.syosetu.com/n7704el/