表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界神話物語 ~神になった少年~  作者: 赤色夢太郎
第0世界:プロローグ
5/79

プロローグ5:魔王一味結成







「ロドプレスの街、消滅したよ、兄様。」


「そうか・・・・・・」



 薄暗い部屋の中、椅子に腰掛け物思いにふけていた魔王にひとりの少女が報告する。



「千人近い人が死んだって。話は世界中に広まってるわ。・・・・・・兄様の話も。」


「私のことを、世間はなんと?」



 兄の問いかけに少女は下を向きながら、震える唇で答えた。



「・・・見たこともない魔法を使う魔法王。残虐で鬼畜。奴は人の心がない悪魔の王、『魔王』だって。」


「はは、『魔王』か。世界に仇なす私には誂え向きの呼び名じゃないか。」



 妹の泣きそうな声に、兄は嘲笑を含めて感想を述べた。



「ほんじゃあ、俺たちもそう呼ばせてもらうぜ、『魔王』様。」


「僕は『魔王』様の家来、拳闘士ファレス。うん。中々どうして、しっくりきてるよ。」



 魔王の後ろに立っていた二人の男。おどけた口調に軽い冗談を口にする。



「・・・・・・もう戻れないぞ。どんな結果で終わろうとも、私達には破滅しか待ち受けていない。リリア、ローグ、ファレス。お前たちは修羅の道を選んだのだ。」



 その声は苦悩に溢れていた。自分の狂気じみた野望に加担した仲間たち。巻き込んでしまった自責の念と同時に、彼らなしでは計画が運ばないという事実のジレンマ。



「そんなこと分かっているわ。・・・ちゃんと分かって、それで選んだんだもの。」


「そうそう。僕だって自分が何をやろうとしているのか、分からないほど馬鹿じゃない。・・・・・・あんたの敵は、僕がなぎ倒す。この拳に誓って。」


「ドレイク。お前が地獄を進むというのなら、俺はそれに続くのみ。この剣で、お前の野望を阻む敵を全て、切り捨ててみせよう。」



 先ほど、アレムス王国に属する大きな街を一つ滅ぼした。そこ暮らす何百という人々と共に。


 これは序章に過ぎない。魔王の覇道はこれから始まるのだ。


 世界のためとはいえ、血塗られたその道を進めばただでは済まされない。身体も、心も。


 しかし、選んだのだ。ドレイクも、リリアも、ローグもファレスも、全てを理解したうえで、この道を進むことを諦めなかったのだ。


 全ては、世界の為に。


 仲間たちの心が偽りではないことを見た魔王は、小さく一つ笑って見せて、それから宣誓した。



「皆。これより私は『魔王』ドレイクと名乗ろう。私達魔王一味は止まらない。何があっても、何をすることになっても。その先に、真の幸せがあると信じて・・・・・・」



 こうして『魔王』ドレイクとその仲間、『魔王一味』が結成された。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ