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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
戦いの終わり 本土への帰還
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95/112

第94話修理完工

ついにきました

「ようやく終わりましたか。」

言ったのは、伊400艦長日下中佐である。

「はい、順調に全てが進みましたので、終わりましたよ。」

そう答えたのは、今回の修理の責任者である、長原技術少佐である。

「それにしても、我が軍の戦線はもう本土上空にしか無いんですよね?」

「確かに、大陸では陸さんが大陸打通作戦を実施しておりますが、実質的にはそうなるでしょうね。」

「そう考えると、戦艦1隻の撃沈は意味がない。そうですね艦長?」

副長の渡辺大尉が言った。

「そうだな。まあ、士気高揚には効果があるかもしれんが、それ以上は無いだろう。

第一、ろくに飛行機も飛ばして無いんだ、空襲を防げるはずがないだろう。

それに、機体は大体が特攻機として使われちまったからな、機体もいいのは残ってないだろうな。」

そう、特攻とは搭乗員と機体を同時に確実に失う戦法であったのだ。

確かに、当時の戦況ではアメリカの防空力が極めて高く、通常攻撃がほとんどできないと言う事もあった。しかし、ならばこそ航空機を集中運用すべきだったのではないだろうか?

台湾航空戦やい号作戦のように、母艦航空隊を陸上航空隊として使用してなかったら、マリアナ沖海戦やレイテ沖海戦の結末もあるいは変わったかもしれないのだ。

「確かに、毎日のように特攻機は出撃してますものね。」

「ああ、特攻は戦力をすり潰す戦術だと思っているよ。第一、芙蓉部隊のように通常攻撃でも戦果をだしてる部隊もあるんだ。なぜそこまで上層部が、特攻にこだわるのか分からんよ。」

「一度上手くいったものだから、また上手くいくと思ってるのでは無いでしょうか?」

長原技術少佐が言った。

確かに、特攻隊の初陣であるレイテ沖海戦では、護衛空母セントローを撃沈してはいるものの、終戦まで合わせて護衛空母を3隻撃沈したほかは、駆逐艦や輸送船しか撃沈していないのだ。

その事は、輸送船を撃沈することは出来るが、正規空母などを沈めることはできないということである。

そして、輸送船を撃沈すると言うことは、通商破壊の面でかなりの効果があるのだ。

だから、天一号作戦では目標を輸送船に定めていたのだ。

しかし戦局が悪化するに従い、主な目標は空母などの大型艦になる事が増えた。

そのため、効果が減っていたのだ。

「だとしても、戦力を潰すだけのことはやめたほうがいいと思うが、トップが盲信してるとしたら難しいだろうな。」

艦長が言った。

「確かに、そうですね。まあ、今は修理が終わったのですから、しみったれた話はやめましょうよ。」

長原技術少佐が言った。

「そうだったな。気付いたらその話になってたな。」

「気づけばですか。」

副長が言った。

まあ、今の話は吉報から始まったはずなのだが、気付いたら全然違う話になっていたのだから、話を戻しても問題はないだろう。

それにしても、シンガポールは今自分たちが戦争を遂行中であることを、忘れさせる程戦火から無縁の存在だった。

それは、シンガポールがスルーされていたからである。単に日本が勝っているわけではないのだ。

むしろ日米戦は、終焉を迎えつつあった。

マリアナ、レイテ、呉、各地で戦力を潰されていった海軍に過去の栄光を見ることはできなかった。

もはや、帝国海軍は完全に落ちぶれていたのだ。

過去にその威容を誇っていた艨艟たちの姿は、もう無い。残っているのは、長門ぐらいであろう。

その長門は、横須賀軍港にその身を横たえている。

その主砲が火を吹くことも、その機関が動くこともこの戦争中はもう無いのだ。

その姿は、まるで敗残の将を思わせるものだった。

そして、日本に残された最後の戦艦であった。

他に浮かんでいる戦艦は無い。

艨艟と呼ぶにふさわしい艦は、他には残っていない。

後は、甲板が平らな空母や、戦艦よりも小さい巡洋艦、凡庸艦の駆逐艦、そして深海の刺客である潜水艦の残りがあるだけだった。

他の艦は、3年半に及ぶえ戦争によって軒並み、海底にその身を横たえているのだ。

連合艦隊は、その実戦力をほとんど喪失していた。

もはや、残っている艨艟を動かすことも出来ないところまで、連合艦隊は凋落していたのだ。

しかし、潜水艦と駆逐艦以下の艦艇の戦いはまだ終わっていない。

いくら凋落したと言っても、その程度のことは世界第3位の海軍国であった海軍にとっては朝飯前のことであった。

もはや、侵攻作戦などは思いつかず、防空戦すらも満足に行えないが、それでも燃料があれば動ける状態を保持している艦もまだあった。

だが、それらの艦が出撃することは横須賀の長門のように、もう無い。

そんな状況だったのだ。

「無事に修理が終わって、良かったですよ。」

副長が話を引き戻すために言った。

「ああ、これでまた出撃できるな。」

「こちらとしても、余裕を持たせてたので間に合わないなどという事が、無いようにしましたよ。」

「時間をかけた分、しっかりできてる。そういう事ですね?」

「ええ、言ってしまえばそうなります。」

長原技術少佐がいった。

第94話完

題名と内容の不一致があるような・・

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