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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
潜水艦隊の意地 重巡インディアナポリスとの戦い
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第80話潜水艦隊の意地④

油断は大敵です

伊58は、インディアナポリスを雷撃するため接近していた。

彼らは、今自分たちが狙っている艦が、あの原子爆弾を極秘裏に輸送した艦だったとは、知らなかった。いや、知る余地もなかったと言うべきか。

今は、夜間である為目標の艦種は分からなかったが、アイダホ型戦艦という予測を立てて、攻撃を仕掛けようとしていたのだ。

艦長橋本中佐は、夜間という悪条件だったが、魚雷を1000の距離で撃つことにしていた。

照準を間違えなければ、外さない距離である。

艦内では、粛々と攻撃の準備が整えられて行っていた。

今は、音を出さないようにしなければならないため、静粛体制が敷かれていた。

これは、不用意に音を立てる行動をしない事が含まれている。例えば、用がないのに移動をしないという事だ。それは、移動時の音を消すことは、出来ることでは無いからだ。

「目標直進してます。乙字航行もしてません。」

「回避行動をとっていないということだな?」

2人静粛体制を敷いているため、声を低くして離している。

「はい。敵さん油断してるのかは分かりませんが、行ってません。」

「まあ、この位置関係なら例え、乙字航行を行っていたところで、沈められるが今の状況の方が楽なのは事実だな。」

「確かに、直進してる敵の方位と距離を計り間違えなければ、当てることは難しくないですからね。敵さんが油断してるなら、それだけ喰いやすいということですしね。」

そう、乙字航行を行っているならば、その転舵のタイミングも考慮しなければ行けないのだが、直進してるとなれば、それを考える必要は無いのだ。

その分、魚雷を当てやすくなるという事だ。

「発射管室、準備は出来てるか?」

「 大丈夫でっせ。準備は万端ですよ。」

「分かった。」

伊58は魚雷発射管を艦首にしか持っていない。そのため後方に魚雷を放つことは出来ない。

だがそれは、長距離哨戒を目的に建造されたからである。

伊54型では今までの巡潜が17本だった魚雷の搭載数を19本に増やしており、攻撃力が強化されている。

「いよいよ、ですね。」

「まあな。警戒してない敵ほど楽なものは無いな。」

「確かに今は夜間ですから、大きく進路を変えられたら、見失う可能性もありますからね。」

「そうだ。よしまだいるな。」


インディアナポリスは、なぜ乙字航行をして無いのか。

それは、単純に油断していたからであろう。

「敵は、もういないだろうな。」

艦長のマクベイ大佐がいった。

「我が軍は今、本土空襲を結構中ですからね。もう戦力は残ってないでしょう。」

「副長もそう思うか。我々にとっては航海中、敵を警戒しないでいい程、楽な物は無いからな。精神的にとても楽だよ。」

「ジャップの奴らには、何度も痛い目に合わせられましたからね。」

「今は我が軍がジャップ共を、痛い目に合わせてるからな。」

「その通りですよ。もう敵に何かする力は残ってませんよ。」

「その通り、もはや我が軍にまともに立ち向かえる敵はいないのだ。奴の艦隊はすでに壊滅させてるのだからな。」

それは、事実であった。確かに本土に停泊していた艦は、大半が行動不能になっていた。しかし、すでに出港していた、潜水艦は違った。

すでに出港していた艦は、空襲に会わずに健在だったのだ。

今、日本海軍で戦果を挙げているのは、航空隊と第6艦隊ぐらいでしかないのだ。

「口惜しいですが、我々に出番は無いでしょうね。」

「別に、それでも問題はあるまい。どちらにしても、無駄死にしないで済むならそれに越したことはない。」

「そりゃそうですね。」

「今は、陸軍にまかせとけばいいんだ。」

「B29ですか。確かに敵本土を火の海にしてますが、細かいところは、海軍航空隊の方が得意だと思いますが?」

「奴らが出てこれないのは、B29が機雷による航路封鎖を行ってるからだ。空母部隊が、活躍してるからじゃあない。」

「しかし、クレで沈めたのは空母部隊でしたよ?」

「あれは、添え切りものをやっただけだ。戦果としては目覚しいが、戦局への影響は少ないだろう。」

「そういうものなのですか?」

「ああ、根本的に奴らにダメージを与えてるのは、B29による無差別爆撃と、機雷による航路封鎖だよ。海軍がやっていて役に立っているのは、鉄道網への攻撃ぐらいだろう。」

「後、通称破壊ですね。」

「そうだ。今はB29が主役なことに、変りはないがな。」

「では、海軍は何をしてるのですか?」

「制海、制空権の確保だろう。」

「そうですか・・・」

「だが、それはそれで重要だぞ。」

「要は、役割が違うという事ですか?」

「そうだ。今海軍は脇役にいる時期だろう。もう戦線は敵本土に迫ってるのだからな。陸軍が主役だろう。」

「マッカーサーですか。」

「かもしれんな。だが海軍は陸では何も出来ないからな。」

「そうですね。」

「まあ、我々が最前線に出ることは、無いだろうがな。」

「そうですね。」

しかし、彼らは伊58の手によっ否応無しにて戦場に引き込まれることになる。

第80話完

と言うわけでまだ戦闘シーンには入りません

いまストックが6話ありますが潜水艦隊の意地編まだ続いてます

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