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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
呉空襲 連合艦隊の終焉
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77/112

第76話結論

読めば分かります

「以上のトラック島の実例から判断して、敵は来ないと判断します。」

佐伯中佐が言い終わった後、部屋をしばらく静寂が覆った。

全員が佐伯中佐の言う通りになると、思い考えを整理していたからだ。

そう、ここにアメリカ軍がくるかこないかは、アメリカ軍の過去の作戦を、しっかり見ていれば割と簡単に分かることだったのだ。

それでなくても、戦争がもうすぐ終わるというのに無駄な血は、流したくないだろう。

佐伯中佐が先ほど言ったように、もう戦争は日本の負けで決まりだろう。そうすれば奪回することも可能である。

元の持ち主はイギリスであるが、アメリカ軍と歩調を合わせているため、攻めてこないだろう。

それに、彼ら連合国側は無条件降伏を基本とした、ポツダム宣言を出しており、日本側がそれを飲まない限り、戦争は終わらないのである。

日本軍部が戦争を止めたがらないのは、そこに軍部の解体と天皇制の廃止と言う、とても飲めない内容が書いてあったから、と言うのもあった。

天皇制の廃止の部分は、日本にポツダム宣言を受諾させない為のものだったのではないかとも言われている。

ただ、天皇制の継続が認められたとしても、軍部の解体という項目があったため、受け入れられたかは定かではない。

「佐伯中佐の言う通りになるだろうな。」

まず肯定の意を出したのは、伊400艦長日下中佐だった。

「第1にもう戦争が終わろうというこの時期に、わざわざ攻めてくる理由が分からないからな。よく考えていれば分かりそうなもんだが、来るからどうすると言うので頭が固まっていたのかもしれんな。

それに、じっくりしっかりと、工事を終わらせ十分に慣れさせる時間も、必要だからな。」

「私もそう思います。と言うより、来るのではないか、それにどうするか考えていませんでしたものね。そりゃあ、分かりませんよ。」

「それで、結局どうするんです?」

如何するのかを言わない2人にたいして、長原技術少佐が聞いた。

「元のままで進めましょう。ここで焦っても良いことは無いですしね。」

そう急ぐ必要のないときに急いで、ミスをするのが一番の致命傷になるのだ。ならば堅実に進めるべきだろう。

「分かりました。では予定に変更はないと言うことでいいですね。」

そう言いながら彼は、助け舟を出してくれた佐伯中佐の方を分からないように見て、軽く頭を下げた。

「はい、そのつもりでお願いします。」

「なんだかんだ言って、結局元の日程で良いってなりましたね。」

副長の渡辺大尉が言った。

「あれだけしっかりしたことを言われたんだ。それで急ぐ必要はないないだろう。」

「そうですけどね。まあ、しっかり慎重にやるのが、大切ですからね。」

潜水艦というのは、恐らく艦の中で一番デリケートな艦種だろう。

理由は、潜水艦の存在意義である水中に潜る、ということにある。

簡単に言ってしまえば、水中に潜ると言うことは、水圧との戦いということになる。

それに負ければ、圧壊する。

さらに言えば、潜行時のミスで海底に突っ込んでしまうこともある。

日本でいうと、佐久間勉大尉指揮の6号潜水艇の訓練中の事故であり、回天の創始者である黒木大尉の訓練中の事故である。

どちらの事故でも、艦体自体は引き上げられたものの、手遅れであった。

そのように、潜水艦や潜水艇のように水中に潜る艦は、危険が多く製造、整備にかなりの技術を要するのである。

そのようなこともあり、伊400の修理、整備、の工事や乗員のならし期間を短縮しない事にしたのだ。

「ではそれで決定ということでいいですね。」

「はい。ちなみに、作業は終わりそうですか?」

「それは問題ないですよ。順調に進んでますよ。」

「ところで、呉空襲ではどのくらいの被害が出たんです?」

「口で言うより、これを見た方が良いだろう?」

そう言って、佐伯中佐は、長原技術少佐に確定報告の電文を見せた。

渡しつつ、かなりのショックを受けるだろうな、そう思っていた。

「これは・・・事実ですか?」

かろうじてそういい、さらに食い入るように見つめる。

「ああ、事実だよ。」

「それで、中佐たちは聞かれたくなかったのですね。」

「そういう事だ。連合艦隊がここまでの被害を受けたことが、広まってしまうとまずいからな。」

「これは、連合艦隊が壊滅したと言っても良いのではないでしょうか?」

「確かに、そうも言えるな・・もう連合艦隊は存在しないか・・・。」

「もう、終わりですよ戦争も・・」

副長の渡辺大尉がポツリと言った。

しばらく、部屋を静寂が包んだ。

皆、連合艦隊が壊滅したという事分かろうとしているのだが、感情がそれを拒否しているのだ。

連合艦隊が壊滅するわけがないと。


その頃呉では、金沢中将と橋本少将が空襲によって受けた施設の損傷の修理に大わらわになっていた。

「どこから、手をつけるべきでしょうか?」

「それは、電信所に決まってるだろう。」

この空襲で司令部の建物は無事だったが、電信所が破壊されてしまったために、生の情報が入ってこない状況にあったのだ。

第76話完

もうすでに、81話まで上がってます

なんだかんだ言って、この話も長くなってきました

と言うか、いい意味で暴走?し始めてます

勝手にランキングリセットされたので、投票お願いします!

感想待ってます


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