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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
パナマ運河攻撃作戦
7/112

第6話彼らの愛機、晴嵐

サブタイトル最初は隠密航行②の予定だっけど気づいたら、晴嵐の話になってたので結局変えました。

「そろそろ12時か、ちょっと寝てくるのなんか会ったら、遠慮なく起こしてくれ。」

「分かりました、艦長。」

渡辺副長が答えた。」

「では行ってくる。」

航海長、眠かったらねてもいいぞ?」

「いえわたしは・・」

「とりあえず寝てこい。疲労で操艦をミスられても困るからな。」

「分かりました・・・・」

いかにも渋々と、という雰囲気を醸し出しながら、寝場所に行った。

因みにこの伊400、普通の潜水艦が内殻1本を外殻で包んでいるのに対し、内殻を2本持っているため、幅が広く安定性が高く、乗員からも好評だった。もう一つ好評だったのが、内殻が2本ある為に容積が大きく、1人辺りのスペースが、他の潜水艦に比べて大きくなっており居住性が良いという事である。

「やはり、この艦の居住性は潜水艦だとは思えませんね、鳥野機長。」

鳥野機の電信員である中瀬飛行兵曹が言った。

「やはりお前も思うか。」

「そりゃあ、みんな言ってますからね。」

「こんな船に乗せてもらえてよかったな。中瀬飛行兵曹。」

「はい!ですが、シュノーケリングからしか空気を吸えないのが残念でありますが。」

「それも、パナマ運河攻撃までの我慢だよ。」

「分かってますよ。行ってみただけですから。」

「それならいいだろう。」

「しかし、成功しても戦局には、影響しないという話を聞いたのですが・・・」

「それは仕方ないだろう。なんせ完全に本土付近以外の制海権を握られているんだからな。もう大勢は決してしまってるだろう。」

「そんな!では何の為にここまで来たのか、分からないじゃないですか!?」

「まあ、降伏の条件を良くすることはできるだろうな。」

「そうですか。でも敵に制海権を握られているのならなんでここまで来られたのでしょうか?」

これは確かな質問だった。

「ああ、多分アメちゃん共は、日本にもう艦が無いと思っているのと、完全に自分達の本土付近だから完全に、油断してるんだろう。」

「なるほど、だったら見つからないでいけそうですね。」

「何不吉なことを言っているのかね中瀬飛行兵曹?」

「あっ!艦長、いえ艦長を信頼してない訳では無いのですが・・」

たまたま艦長が近くにいたのが、運の尽きだったのだろう。彼は冷や汗を流しながら言った。

「ちゃんとつけるか不安で・・」

「大丈夫だ、安心したまえ。その為の隠密航行なのだからな。」

日下艦長が宥めるように言った。

「おっとでは寝てくるぞ。」

彼は、発令所を出てきた理由を思い出して艦長室に向かった。

そして後には、鳥野飛行兵曹と中瀬飛行兵長が残された。

「嵐のように去って行ったな艦長は。」

「そうですね兵長。そういえば晴嵐は大丈夫でしょうか?」

「何でだ?」

「だって、出撃の時に飛べなかったら、嫌じゃないですか。」

「確かにアツタ発動機搭載の一一型だったら大いにあり得るが、火星発動機搭載のニニ型なら平気だろう。」

「なんでそう言い切れるんですか?」

彼はアツタ発動機搭載の晴嵐を見てなかったのだ。

何故なら、元々、鳥野兵長の通信員は別人物だったのだが、急病の為に出撃出来なくなり、その交代要員として中瀬飛行兵曹は、晴嵐に乗ることになったのである。それが、出撃2週間前の事であり、全機火星発動機、搭載機に換装されていたので、彼が知らないのも、無理無かった。

「ああ、アツタ発動機は独逸からライセンス権を取った水冷発動機で、日本では液冷発動機の経験が、低すぎてな物に出来ず、故障ばかりしていて、稼働率が泣くほど低かったんだ。だから機首は太くなるが、空冷発動機に換装することになったんだ。」

「確かに同じアツタ発動機を搭載してた彗星艦爆も、同じことをしてましたね。」

「それは金星発動機に換装した彗星三三型のことだな?」

「はいそうです。」

ただし、アツタ発動機は海軍名称で陸軍ハ40として同じ細部は違うが、同じ独逸のエンジンのライセンスを取り、製造していた。

そして陸軍のハ40と海軍のアツタ発動機を比べるとハ40ではなぜかニッケルの使用が禁止されていたのに対し、アツタ発動機にはニッケルがしっかりと使用されており、クランクシャフトの故障には悩ませられなかった。

その為アツタ発動機の方が質はよかったし、また芙蓉部隊のように稼働率8割を出している部隊もある。

その大きな理由としては、整備員が液冷発動機に慣れてなかったことが挙げられるだろう。

何故ならこれまで、日本の軍用機は殆どが空冷機だった為、いきなりの水冷機だった為、うまく整備できなかったのだ。

その為芙蓉部隊などでは、愛知航空機に整備員を派遣したり、水冷発動機に慣れてる熟練整備士を教官として指導に当たらせていた。

「まあ整備が簡単な空冷発動機の火星発動機に換装したのが、今乗ってる晴嵐ニニ型という訳だ。」

「なるほど!こう言う事だったんですね!」

「ああそう言う事だ。」

「なら大丈夫ですね!」

彼らの愛機晴嵐ニニ型を乗せた伊400は、パナマ運河に向け進撃を続けている。

第6話完

2話連続で2000字突破!

今日は多分、もう一話出せます

アクセス数合計で800件超えました!

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