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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
オーストラリア通商破壊作戦
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45/112

第44話死闘

伊400VSノース号の戦いです


「爆雷着水音!」

「ピンガー!」

ピーンと言うアクティブソナーの発する音が響く。

潜水艦乗りにとって一番嫌な音である。

「深度110急げ!」

爆雷が、直上で炸裂する。その爆圧により、艦が激しく振動する。しかし、伊400が沈む事を考えているものはまだいない。何故なら、爆雷というのは艦より深い位置で爆発するのが、一番効果を発揮しするからだ。だから、直上ということは艦に爆雷が直撃しない限りは、沈むような事は少ないのだ。

少ないと言ったのは、老朽艦など外殻の強度が落ちている場合だと、浸水し沈む事もあるからだ。

伊400の安全潜行深度は、100である。ではなぜ110まで潜っても大丈夫なのか。それは、最大潜行深度と言うものがあり、最低でも安全潜行深度の1.5倍の深度までは、圧壊しないで行けるようになっているのだ。だから110と言うのはまだまだ潜れるが、無茶はしない方が良いと言う深度なのである。

また、大抵の爆雷は最大で深度100程度で炸裂するものが多いから、ぎりぎり直撃を避けられる場所でもあるのだ。

「急げ!」

それでも、艦の受ける衝撃は少なくない。

「物はしっかり固定したか!」

副長の絶叫が艦内を通り抜ける。

「多分大丈夫です!」

誰ともわからない声が返ってくる。


「急げ!逃げ切られるぞ!」

ノース号は、ソナーが生きていた為、即座にピンガーを打ち、伊400の大体の位置を把握していた。

その地点を中心に旋回しながら、爆雷をぶっ放していたのだ。

「残弾幾つだ?」

副長が聞く。

「あと20発です!」

この船の爆雷員が答えた。ノース号はもともと36発の爆雷を搭載していた為、すでに16発もの爆雷をぶっ放している事になる。

「まだ倒せないのか!」

艦長が叫ぶ。

ノース号は4ノットの速力で、旋回している。理由は簡単だ。さっきの被雷によって、穴が喫水線下に開き、一船室が浸水していたからだ。しかし、浸水はここで止まった為沈む事は、おそらく無いであろう。

「船長!隔壁が危険な状態です!」

浸水した船室の外から、隔壁補強を行っていた、ダメージコントロールから連絡が入った。彼らは、海軍工廠で爆雷などを搭載している時に、ダメージコントロールの初歩の訓練を行っていたのだ。

「もっと補強材を投入しろ!」

「了解!」

「爆雷員、あと何発だ?」

「あと19発です!」

「聴音員、手応えはあるか?」

「まだありません!」


「深度90!」

「航海員の声が響く。

「急げ、そろそろ当たる可能性が高いぞ!」

因みに、聴音手は爆雷の炸裂音を聴音すると聴音機と聴音手耳がいかれてしまうため、着水音がすると同時に、電源を切り炸裂したら入れるという作業を繰り返していた。

「艦長、だんだん近くなってきてますよ。」

副長が不安げに言った。

「 ああ、だがあっちは商船だもう爆雷が切れてもいいだろう。」

「ですね。航海員深度は?」

「100です。」

その時、再び爆雷が炸裂し艦が激しく揺さぶられる。

「若干の浸水あり!」

機関室から、悲痛な報告が入ってくる。

「範囲は?」

「一箇所のみです。すぐに食い止められます。」

一般的に、日本海軍のダメージコントロール能力は低いと言われているが、船の構造の違いなども大きく関係している。だから、ダメージコントロール要員の能力が低いわけでは無かったらしい。

潜水艦の場合、この程度の浸水は攻撃を受ければ起こるものなので、乗員も慣れているのだ。

「浸水止まりました。」

防水処置がうまくいったようだ。

「深度110!」

「潜水停止!艦を並行にしろ!」

号令とともに、艦の傾斜が無くなっていく。


「まだか」

「まだ生きています。」

「爆雷員、残弾は?」

ノース号では、なかなか沈められないことで焦りが生まれていた。しかも、爆雷の残弾が少なくなってきていたのだ。

「残り13発! 」

「聴音!位置はあってるか?」

「あっています。!」

彼らは、伊400の直上という惜しい所で爆雷が炸裂している事を知らない。だから、炸裂深度を深くする事をしていなかった。

「位置はあってるんだ。早く仕留めろ!」

「分かってますよ、艦長!」


爆雷が炸裂するたびに、艦が激しく揺さぶられ、常に踏ん張っていないと転びそうになる。

「大丈夫か!」

艦長が揺れが収まったのを確認して聞いた。

「大丈夫です!」

「浸水ありません!」

各所から、無事を伝える返答が返ってくる。

「機関停止!」

艦長の命令により、3ノットの速力で航行していた艦が、停止する。


「敵艦の反応ロスト!」

聴音手の声が船橋に響く。」

「沈めたか?!」

「いや、圧壊音はしてません、機関を停止させたのでしょう。」

「あと何発残っている?」

「5発です。」

「艦長、ここはプリスベーンに入港したほうが良いと思いますが。」

「ああ、爆雷を打ち尽くす訳にも行かないからな。しかし、ヘッジホッグがあれば仕留められていた。そうだな副長?」

「そうですね。悔しいですが。」

ヘッジホッグとは、24発の弾丸を一気に放ち、一発でも当たれば、24発弾丸がの一気に炸裂するという兵器である。命中しないと炸裂しない為、命中判定がしやすく、命中率も高いという特徴がある。


「敵艦、離れていきます。」

聴音手が言った。これは、死闘の終わりを告げるものだった。

第44話完

今度は取り逃がしてしまいました

この話、この調子だと50話で終わるか分からなくなってきた・・・ここのくだりは元々は巻くはずだったのに・・

感想待ってます

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