第38話作戦&惨劇2日目
前回の続きです
「艦長昨日は、やりましたね。」
眠たそうに言ったのは、副長の渡辺大尉である。
彼は、昨日の攻撃後、夜10時頃に寝たのだ。
今は、6月7日朝4時である。そう彼は、ほとんど寝てないのだ。
「ああ、上手くいったが今日はこの海域に留まり、様子を見るぞ。」
「分かりました。我らの存在を察知されないためですよね。」
「分かってんじゃねえか。副長、昨日はあんなに駄々こねてたというのによ。」
「私も反省したんですよ。それにしても、彼らの反応速かったですね。」
「だから、さっさととんずらしてよかったじゃねえか。もしいたら、多分殺られていたぞ。」
「そうならなくて、良かったです。まあ、敵さんは多分機雷が原因だと思ってるでしょうね。」
「ああ、証拠が何も残ってないからな。無線を発信しない限り、悟られる事もないだろうからな。」
「その通りだと、思います。」
「ところで艦長。今日は何故様子見なのですか?」
航海長の真鍋中尉が聞いた。
「それはだな、2日も続けて流れて来た機雷に触れて沈んだ。何て誰も思わないだろう。そうしたら、潜水艦にやられた、と思うだろう。」
「まともな人間ならそう思いますね。と言うより、よっぽどな間抜けじゃない限りは。」
「だから、今日は様子見なんだ。分かったか?」
「分かりました。それにしても、潜水艦まで来たらしいじゃないですか?」
「まあ、ここは完全に奴らが制空権を握っているからそんな芸当も、出来るんだろうな。」
「確かに、我が軍でも制海権内では浮上航行してましたものね。」
「しかし、電池室の事故は痛かったですね艦長。」
話を変えたのは渡辺大尉である。
「幸い死人も出なかったからな。そこは良かったと言えるだろう。」
「確かにそう思いますが、最大出力の発揮に大きな制限が出てしまったじゃ無いですか。」
「そこは、無念だがそれ以上の事になっていないのだから、良かったと言えるのではないか?」
「確かに、塩素ガスが艦内に充満していたら、今頃どうなっていたことでしょうね。」
その通りで有る。もし塩素ガスが充満していたら、作戦の実施どころでは無かったであろうからだ。
それにしても、何度も繰り返しになってしまうが、伊400は今の所ついている艦だと言えるだろう。
その原動力となって居るのが、熟練乗員達にあるのは、紛れも無い事実だろう。彼等の迅速な判断によって、危ない所を避けてきたのだ。
しかし、アメリカ軍が余りに間抜けかと思われるかもしれないが、この勝ち負けがもう決まった頃になると、前線はともかく後方では、気の緩みが生じてしまうのだ。
即ち、沖縄では未だに日本守備隊との死闘が続いており、アメリカ軍が優勢なものの損害は未だにで続けていたのだ。だから、緊張が途切れるなどということはなかったが、オーストラリアは対戦中若干の爆撃や、甲標的による攻撃を受けただけであるために、既に集中力が切れていたのだ。だから、マンハッタン号がやられた時も、機雷にやられたと間違った結論を出してしまったのである。
それに対し、日本軍は本土が攻撃を受け続けているために、常に緊張状態で事に当たっていた。
それが、今回の運命の分かれ目になったのだろう。
「揺れすごかったですね、大井上等飛行兵長。」
「確かに、あの揺れには驚いたもんだな、同感だよ。」
「大井上等飛行兵長と江草飛行兵曹じゃ無いか?何を話してたんだ?」
「生野中尉じゃないですか!如何したんですか?」
「とりあえず、質問に答えろ。何を話してたんだ?」
「昨日の攻撃後の誘爆の揺れが凄かったという話ですよ。」
「確かに、凄かったな。しっかし、あんなに誘爆の衝撃波が来るもんなんだな。びっくりしたぞ。」
「でもみんな無事だったんですから、良かったじゃないですか。」
言ったのは吉川飛行兵曹である。
「だが、水雷科では負傷者が出たみたいだぞ。」
「そうなんですか?知りませんでしたよ。」
「確かに聞いたときには驚いたが、運が悪かったみたいだからな。」
「やっぱりいないか・・」
言ったのは、マンハッタン号の生存者捜索を行っていた駆逐艦の艦長である。
「残念ですが、そう判断するしかないかと・・・」
副長が、仕方ないと言うように言った。
「畜生めが!なんで機雷ごときで乗員が全滅しなきゃいけないんだ!」
艦長が半分泣きながら、さけんだ。
「運が悪かったんですよ。落ち着いてください、艦長。あなたが取り乱してどうするんですか!」
「ああ、艦長であるもの常に冷静であれ、だったな。しかし、味方の悲劇に落ち着いていられるのか。貴様は?」
副長に言われ、落ち着いたかに見えたが、興奮は止んでなかった。
「私だって、悔しいですよ!ですが、艦を預かる身としては、落ち着いていなければいけないんです。!」
そう副長が、強く言った。
「悪かった。そうだったな。乗員に見本を見せなければ、いけなかったな。」
そう言って、再び海面を見つめた。
「なんで、生存者が居ないんだ・・これでは原因究明が出来ないじゃないか・・」
そう艦長は、呟いた。
第38話完
と言うわけでした
しっかしこの話も長くなってきましたな
ほんとは、10話程度で完結の予定が・・終わらない。
40話上がりましたが、まだ終わりません
いつ次回作に入れるのやら・・・
感想待ってます




