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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
オーストラリア通商破壊作戦
37/112

第36話雷撃成功

前回の結果です

「やったぞー!」

かんなに喜びの声が溢れる。

彼らはアメリカ輸送艦マンハッタン号を撃沈したのだ。魚雷の命中率は、100%である。

距離500まで近ずいて、2本の魚雷をぶっ放したのである。

ここまで接近して、外す道理がないだろう。しかも、マンハッタン号はソナーの類が装備されておらず、また、慢心がたまっていたため、魚雷が致命的な位置に到達した時、たまたま海面を覗いた見張り員が、気づいたと言う体たらくであった。

そのため、艦首をかろうじて回すのが精一杯であり魚雷が易易と命中したのだ。

それにより、マンハッタン号は搭載していた弾薬の誘爆を起こし、内部から吹き飛ばされて沈没した。

その衝撃は、悠々と伊400に到達し水雷科員の野島兵長が負傷するという、思わぬ被害が出てしまった。

しかし、野島兵長は大事に至らず艦内の興奮は冷めることなく、むしろヒートアップしていた。

「雷撃成功だ諸君。」

「ヒャッホー!」

「艦長やりましたね!」

副長の渡辺大尉が言った。

「あの調子なら、生存者はいないだろうな。」

艦長がポツリと言った。

「それは、当然だと思いますよ。それより、我々の存在がばれる恐れは無くなったのですから、いいんじゃ無いですか?」

確かに、あれほどの誘爆ならば船体は完全にばらばらになって居るだろう。

しかも、最期を見届けた見方は居ないのである。原因解明せよというのも無理であろう。あまりに呆気ない沈没だった為に、無電を打つひまも無かった。だから、何故沈没したかは伊400の戦闘日誌が押収されるまで、不明のままであった。


「何だあの爆炎は!」

灯台見張り員が叫んだ。

「どうした!」

「あれを見てください!」

「何!救援要請を出せ。アレは船が沈んだ証拠だ!」

「了解!」


ズドーン

「何だこの音は?」

港湾管理員の1人が、爆音に気づいた。

彼は、家を急いで出た。そこで信じられないようなものを見た。

「何だあれは!」

そう。夜空に浮かぶ爆炎と硝煙のコラボである。彼は何かがあったと感じ、即座に港湾管理室に向かった。

「何があった!」

彼は、息を切らせながらその場にいたものに聞いた。

「はっ、不明の艦船が沈没したらしいのです!」

「報告します!たった今船が 、爆沈しました!」

「何!爆沈だと、それは確かか?」

「はっ、この目で見たわけではありませんが、確かだと思います。」

灯台見張り員が息を切らしながら、言った。

「よしアメリカ海軍並びに、付近の艦船に救難要請を送れ!」

「了解!」

「これは、平文で良い!」

「分かりました。」

通信員が、無電を送り始めた。

彼らの手際が良かった事は、評価できる点だろう。しかし、彼らは何故そうなったのかは考えてなかった。だから、敵襲などの言葉を送らなかった。

だから、ただの事故だろうという事で当初海軍の反応は鈍かった。

だから、現場に一番乗りしたのは近くで漁をしていた、一隻の漁船であった。

「どうしたんだ!」

漁船の船長はそう叫んだ。

彼は、そのあたり一面に広がっている、舟の残骸を見たのである。

確かに大きな爆発だったとはいえ、ここまでの惨状とは想像もしていなかった。だから、何が起こったのか理解できなかった。

「・・・何があったんだ・・」

船長は呆然としながら言った。

「誰かいないのか!」

そう船長が叫んだが、返事をする者はいなかった。当然だろう、すでに乗員全員戦死しているのだから。しかし船長が知ることではなかった。


「急げ!遭難者が待ってるぞ!」

叫んだのは、救援に向かっている一隻の駆逐艦の艦長である。

「もうこれ以上出せません!」

機関長が悲鳴をあげるが、仕方のないことだろう。

今艦は最大戦速である38ノットで驀進していた。

しかし彼らは、どんなに急いでも意味が無いことは知らなかった。

詳しいことは、何も伝えられてないのだ。だから、仕方ないとは言え、こう虚しいことはなかなかないであろう。


「浮上急げ!いいか要救助者が待ってるぞ!」

「しかし艦長、潜水艦の長所を潰すことになりますが?」

「構わん。それに敵はいないはずだ。恐らく機雷にでもぶつかったのだろう。それに昼間は、哨戒機だって飛ぶんだ。やられることは無いと考えていいだろう。」

「そうでしたね。浮上開始、最大戦速!」

浮上すると同時に艦は、水上最大戦速である、20、75ノットで進撃を始めた。

どうせ、敵はいないのだから、発見されるという危険はないと艦長は考えたのである。

これは、一面では正しかったが、間違ってもいた。

即ち、マンハッタン号を沈めたのは機雷では無く、伊400が発射した魚雷の為、その時点では敵がいたことになる。

しかし、伊400は既に現在の水中全速である3ノットで、遁走しており救助海面に敵はいないことになるのだ。

伊400は電池室で事故を起こしており、5ノットを出すと電池がすぐ切れてしまうためである。恐らく、入渠修理しないと、直せないだろう。

何故なら、事故の起こった電池室には、恐らく致死量の塩素ガスが充満していると推測されるからだ。

「いいか、物音を立てるなよ。」

「了解です。」

第36話完

という訳でした

いつ終わるんだろ・・

感想待ってます

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