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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
オーストラリア通商破壊作戦
30/112

第29話作戦始動

ついに入ります

長かった

「総員聞け。我々は今目的地のオーストラリアプリスベーン沖にいる。作戦始動!」

今日は6月6日。今日から7日間6月12日まで、プリスベーン沖に留まり、通称破壊戦を決行するのだ。

艦は今まで、敵に発見されるも日本艦だと気付かせない事に成功していた。

その為、まだ連合軍は伊400が進撃してきていることに気付いてなどいなかった。

それには、艦長の機転が大きいのだが、敵カタリナ飛行艇の乗員がまさかいる訳ないと思い込んでいたというのもある。それでもここまで気づかれずにこれたことだけでも、立派な戦果と言えるのではないだろうか?

それにしてもオーストラリアに駐屯している兵員たちの士気は低く、やる気も無かった。

何故か。それは戦火からかなり離れている為だ。確かにソロモンで日米軍が死闘を繰り返した頃は、いつ敵が来るか待ち構える構えでおり、士気が高かったが、もはや敵は本土に抑え込まれており戦火が襲ってくると思っている者は殆ど居なかったのだ。

「敵の士気はやはり低かったですね。」

航海長真鍋中尉が敵を低く評価した。

「確かに哨戒隊の士気は低いだろうが、輸送船団の士気が低いとは、限らないだろう。」

「それは分かってますが、油断している者が多いと取って良いと思われますが?」

「いや常に自分に都合の悪い方を考えておかねば、艦長など務まらんよ。もし輸送船団の護衛艦の士気が高かったらどうする。こっちがやられるかも知れないんだぞ。いいか、臆病になれとは言わん。でも自分に都合の良いように考えてはいかん。常に最悪の状況を考えるんだ。」

そう、副長と航海長に言った。

「分かりました」

2人の声が共鳴する。

「確かに作戦海域に到達しましたが、獲物がいなければ意味が無いのだ。そうだな、弾薬輸送船なら、1本か2本の魚雷で吹き飛ぶからな。うまく来ればいいが、来なければ戦火の無いまま帰投する事になってしまうから、確実に目標を発見する様に。」

商船でも船の種類によって、沈みやすさというものが異なるのだ。沈みやすいのは、弾薬輸送船や、ガソリン輸送船などであろう。

反対に原油輸送船や、特に空の油槽船は沈みづらい。何故なら予備浮力と言うのがからの油槽でかなり生まれるからである。だから、油槽さえ無傷ならかなりの間沈まないのである。

そんな空船を攻撃しても、魚雷の無駄使いになるだけでもある。それは、通商破壊というものが成り立つ大本の、敵の物資を沈めることにならないのである。

そう確かに船は失われるだろう。それで日本の海運は命脈を絶たれたのだから。

しかし相手は、世界一の生産力を持つアメリカ合衆国なのである。空船を一隻や二隻沈めた所で大したこともなく、それ以上の数の船を一週間に竣工させるのだから。

そんな相手に対し少しでも痛みを与える為には、物資を満載している船を沈めるのが1番なのだ。

しかし、プリスベーンは物資の搬出と搬入を行う所のため、どの船が満載しているのかわからない。しかも、索敵範囲に入ってくるかもわからないのだ。

それには、艦長の運に賭けるしかないだろう。いかにいい位置に着けるかが肝心なのだ。

同じ船でも運がある艦と無い艦とがある。

有名なので言うと、日本海軍では雪風や響などがこれに当たるだろう。

どちらの艦も、戦前に竣工しており、常に最前線で戦っているという共通点があり、雪は無傷で生還してくる。響は損害を被りながらも、沈まずに帰ってくるのだ。

どちらの艦も、致命傷を負わないことでは共通しているのだ。

では伊400はどうであろうか。今の所は、運のいい艦として見ていいだろう。しかし、いくら幸運艦とは言っても、運が尽きることは大いにあるのだ。

例を挙げるとするならば日本海軍で最も多数の空母決戦に参加した瑞鶴がそうであろう。緒戦の真珠湾攻撃、インド洋作戦に始まり、珊瑚海海戦、南太平洋沖海戦、第二次ソロモン沖海戦、マリアナ沖海戦、そして連合艦隊最後の決戦となり、瑞鶴最後の戦いとなるレイテ沖海戦である。

そう、あのミッドウェー海戦以外にはすべての空母決戦に参加しているのである。

そしてあの、マリアナ沖海戦の時点まで一発の被弾も無かったが、マリアナ沖海戦で被弾したことで、運が尽きたように、レイテ沖海戦の中のエンガノ岬沖海戦で米空母航空部隊の攻撃を受け沈没している。

伊400はどちらの道を辿るのだろうか?それは今の時点では分からない。

「総員気合を入れて事に当たれ!この7日間が最後の活躍の場だと思え!いいか。」

「副長の渡辺だ。今艦長がおっしゃた様に、気合を入れていけ。いいか気を抜いていたら容赦しないからな、そのつもりでいるように。」

「やったりますよ!」

そう叫んだのは、水雷科の野島兵長である。

「ああ遂に我らに活躍の場面が来たんだ気抜くんじゃねえぞ。分かったか!」

そう気合を入れたのは、水雷長の横川大尉である。

「しゃあ!やったりますよ!」

水雷科員の叫びがこだまする。

こうして、6月6日の1日が始まった。

第29話完

しかし何故ここまで、始まらなかったんだろ

わからん

このままいくと50話ぐらいで終わるかも

感想待ってます

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