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第2話 航路選択。

第2話投稿しました。

これからも毎日更新したいと思います。

1945年3月1日に呉を出撃した日下 敏夫中佐率いる伊400潜は、直線距離で一路約1万6千3百キロ先へあるパナマ運河を目指して航行していた。

パナマ運河までは、1日14ノットで7時間、3ノットで17時間進撃するとすると1日149浬、呉からパナマ運河までが、浬換算で約8802浬のため、だいたい60日即ち約2カ月で到達することになる。

しかしそのまま1直線で進むわけではなく、まず、真珠湾を北に抜ける、北緯30度の線に沿って西経150度の線まで進む。ここまでで約4535浬であるそしてそこで進路を南に変えるのである。

「漸くここまで来ましたね。」副長の渡辺 弘大尉が艦長日下中佐に話しかけた。

「ああしかし、島の少ない航路を選んだ甲斐があったというものだな。」

彼らには3通りの航路があった。

1つ目が、マリアナ諸島に進出し、そこから北に変針し一路パナマ運河を目指すという航路であるが、この案は、即座に却下された。それは当然だろう。何故なら既にマリアナ沖の制空、制海権が既に米軍に握られていたため、危険があまりに大きいためである。

2つ目は、真珠湾を南に抜け、緯度0度、西経135度の地点で、取り舵を取り、緯度0度の線に沿って航行するという航路である。この航路は1つ目に挙げた航路でよりは安全だが、危険が付き纏う。

その為、3番目に挙げられた航路は、北緯30度の線を進み西経150度の点で、面舵を取り、南に変針するという航路である。この航路は距離は遠いが、途中島が少なく、米軍の哨戒区域が狭い為、1番発見されずらい為、この航路を選択したのだ。

その為ここまで何度か、浮上航行中米軍のカタリナ飛行艇に発見されそうになったが、搭載された一三号電探が、カタリナ飛行艇に発見されるよりも早く、発見し急速潜行に移ることができた。

「その甲斐あって、此処まで発見される事もなくこれた。しかしこれからは米本土に接近する。これまで以上に見張りを徹底させるんだ。」艦長が副長に命じた。

今日は、4月2日である。彼らは此処まで33日間をかけここまで進撃してきたのだ。

「は、了解しました。しかしよくここまで敵に見つからずに来れましたね。」

「今度の航海のほとんどを潜行してきたからと言うのもあるだろうが、恐らく一三号電探の調子がよかったからだろう。」

その通りなのである。これまで、日本の電探(レーダー)は、信頼性が低く、よく故障したり、敵を発見できなかったりしたのだが、伊400に搭載された物は、真空管が当時としては良質なものだったため、好調を此処まで維持していたのである。

此処からは米本土、彼らには今以上に発見される危険が増すだろう。

「面舵いっぱい。」

「面舵いっぱいよーそろー」

航海長真鍋中尉の声が響く。

パナマ運河までは残り4396浬

彼らはパナマ運河目指して進撃して行く。

第2話完


次回お楽しみに。

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