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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
オーストラリア通商破壊作戦
27/112

第26話オーストラリア進撃

オーストラリアに向かいます

「もう6月か、流石に暑いな。」

「艦長、ここは赤道ですから当たり前かと。」

「気分に決まってるだろう。」

「そうでしょうけど・・・」

「それに本土は、ちょうど梅雨だから蒸し暑いだろうな。」

「それはそうですね。だとしたら、我々はまだマシですね。」

「そういう事になるな。」

今日は6月1日通商破壊海域まであと5日で着く。長かったオーストラリアへの航海も終わりを迎えようとしている。それにしてもよくここまで見つからなかったものだ。もう既に3ヶ月近くを敵地で過ごしているのだ。ある意味奇跡といってもいいだろう。だがそれも当然だろう。ここまでの航海で、電探を除いた電波を一度も発していないのだから。さらに言えば、パナマからここまで、航空隊発進時以外は常に、潜行またはシュノーケリング航行だけできたのだ。

「それにしても、今まで何度か敵を発見したが、こちらが発見された形跡はない。発見されてないと考えていいと思うかね副長。」

「発見されていないと考えていいともいますが、気を抜いてはいけないかと。」

「それはそのとうりだ。だがそろそろ敵の本丸に突入するからな、警戒を強める必要がある。」

「確かに、パナマと比べて確実に強いでしょうからね。」

「だとしても行くのだ。なんせもう乗員に宣言したのだからな。」

「ええ、でも乗員の士気が下がっているのではないですか?」

「いや、士気は高まっているはずだ。なんせ再びアメリカに反撃出来るのだからな。」

「そうですね。相手は怨敵のアメリカですね。」

ちなみに今は、シュノーケリング航行中である。

「敵信探知!」

電測員村野兵長の声が響く。

「どうした?」

「東の方角から、電探波を探知しました。」

「距離は?」

「まだかなり離れてます。恐らく地平線の向こうかと思われます。」

「艦長どうします!?」

聞いたのは、副長の渡辺大尉である。

「まだ地平線の向こうだろう?まだ心配する必要はない・・」

「直上に電信波!」

「哨戒機がいたか。潜行しろ!」

「急速潜行では無いのですか?!」

「真鍋航海長、おそらく敵は味方だと思っているはずだ。!」


その頃上空では、カタリナ飛行艇が旋回していた。

「機長今の潜水艦は?」

「味方の潜水艦だろう。潜るまでのんびりしてたからな。」

彼らは、オーストラリアから水上機母艦で補給をし遠距離哨戒の任に当たっていたのである。

そう、パナマ運河を攻撃しがやったジャップの潜水艦を発見する為に。

しかし彼らに緊張感と言うものはなく、今眼下に潜行していったシュノーケリングを持つ艦が、日本のだとは気づいていなかった。

「もしジャップだったら、真っ先に急速潜行を掛けてるよ。HaHa」

「そうですね。警戒艦が何かいるといってきたときには、どきっとしましたが、味方の艦でしたね。」

「ああ、油断するなと司令から言われていたが、こっちに来るはずないからな。真っ先に本土に戻ってるだろうよ。」


このとき見逃した潜水艦がパナマ運河を攻撃した物だったと彼らが知るのは、戦争が終わってからになる。しかし逆に彼らは沈めなくてよかったと思ったという。何故なら、3隻しか完成してない貴重な艦だったからである。

「艦長のお陰で命拾いしましたね。」

航海長の真鍋中尉が言った。

「ああ、もし急速潜行していたらと思うと、背中がぞっとてしまうな。」

副長の渡辺中尉が言った。

そう、通常潜行を命じたのは日下艦長だったのだ。

もし急速潜行していれば、確実に撃沈されていただろう。

それにしても、艦長の状況判断力の高さは尋常じゃないと思われるが、単に始めて接敵された時は、普通の潜行で逃げると決めていただけの事である。

「爆雷音ないか?」

「特にありません。」

聴音手が、特に心配いらないですよと顔に出して言った。

「そうか、無事逃げ切ったという訳だな。」

「そうですね。敵の探査音もしませんし。」

「副長もそう思うか。なら逃げ切ったと考えていいだろうな。」

「私も逃げ切ったと考えます。」

航海長が言った。

「決まりだな。」

艦長が満足そうに言った。

「オーストラリア行きに変更無しだ。」

「分かりました艦長。」

こうしてオーストラリアへ進撃し続けることになった。


「伊400がまだ残っているな。」

そう言ったのは、小沢治三郎連合艦隊司令長官である。

「しかしあの艦は、今どこにいるんだ?無線が一本も入ってこないのは、徹底した無線封鎖を敷いているのか、撃沈されたか・・ただ撃沈の線は薄いと思われるが、分からんな。しかし、トツレすら送ってきてないからな。艦長がよっぽど用心深いんだろう。」

そう、日本海軍が攻撃成功を知ったのは、パナマ基地が盛大に平文で攻撃されたと最大出力で、送信したからであったのだ。下手をしたら終戦まで、攻撃成功を知らなかったという恐れすらあったのだ。

「しかし、最後の切り札が潜水艦になるとはな・・・歴史は変わるか・・・それにしても、攻撃成功すら打電させない艦長か、一度会ってみたいものだな。彼が帰ってきたらの話だがな。ははっ。」

こうしてこの日は過ぎていった。

第26話完

なんか昨日は3話書けた

貯金が二話になった

貯金がどんどん増えるな・・

感想待ってます

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