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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
オーストラリア通商破壊作戦
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第14話オーストラリアへの道&大井参謀の憂鬱

一応そうなるかと

「6月6日に到着予定である。」

艦長が、4月26日の夜中に言った。

「思ったより遠いんですね〜」

出番がないと知ってふてくされ気味の大井上等飛行兵曹が言った。

「まあ、パナマまでもかなりあったからな。」

生野中尉が諭すように言った。

「太平洋を横断したんですからね。」

「それよりは、短いだろう?」

「そりゃそうでしょうけど・・・」

「そうゆう事だ。」


「艦長、航空隊の連中ふてくされてますけど、大丈夫ですかね?」

「ああ、気にすることはないよ。彼らだって、この艦の真骨頂は航空機を搭載し、地球を一周半出来る事だ。そうだろ?」

航空隊の士気について考えていた渡辺副長に安心させるように言った。

「それが、建造の目的と言ってもいいですからね。」

「だが其れだけではないのだ。20本搭載している魚雷だってそうだ。海大型の多い型でも16本程度だ。しかも老朽化が進んでいる。それに対し本艦は、さ新鋭艦であり、通商破壊にはもってこいだと思わないか?」

確かに量産されているものでは、伊400型の搭載数が1番である。因みに太平洋戦争には参加していないが、同型艦のない海大1型が24本の魚雷を搭載してはいたが、1940年に解体されていた。

その為、現役艦の中では、1番の搭載数となるのである。

確かに図体はでかいが、急速潜行にかかる時間は1分程度という値であり、そこまで遅くはなかった。

その為、航空機搭載だけでなく、通商破壊館としてもかなりの威力を、発揮するのだ。

しかし、軍令部や、連合艦隊首脳部は航空機搭載という事に目が向いており、肝心の通商破壊能力についてまで、頭が回っていなかったのだ。

その為、たとえ帰還しても再び用地攻撃という、艦長にとってはい、不本意な作戦に駆り出されるであろうことが、分かっていたので、オーストラリア行きを決定したのだ。

しかし、軍令部や連合艦隊には通告していない行動だったが、パナマ運河攻撃後の行動は、何をしても良いとなっている為、問題はないのだ。


その頃連合艦隊首脳部にパナマ運河攻撃作戦成功に対する喜びなどは無かった。

しかし、電文を1本も打ってないのになぜ成功したかが分かったかというと、パナマ基地の電寝室が、平文で、パナマ運河が攻撃されたと最大出力で盛大に打電したからである。

しかし、内地では、沖縄戦での勝ちはほとんど無くなっているという、事と燃料がないという事、で頭を悩ましていた。

その中でも特に、悩みが深かったのは、海上護衛総隊の参謀兼連合艦隊参謀の大井 篤大佐であった。

何故なら、大和特攻によりただでさえ十分とは言えない海上護衛総隊への、燃料割り当てが、更に少なくされてしまったために、どう護衛任務を遂行するかに頭を悩ましていたのだ。

「ったく、海上護衛の重要性をわからん奴らばっかりで、疲れるったらありゃしない。何が、本土決戦だそんな事したって、勝てないことは分かってるだろうに。イギリスではUボート対策に戦艦まで繰り出したというのに、なにが足りないのは、気合だだ足りないのは、お前らの頭だろうが・・・」

そうなのである。そもそも日本がここまで追い詰められたのには、国力の差や、徹底抗戦という思想があったこともある。しかし根本的に、海上に限らず日本軍全体が一部を除いて、輸送を軽視していたことにある。又更に言えば、敵の進行地点を読み間違えたというのもあるが、これはどうこう言っても仕方ないので

ある。と言うより、連合艦隊首脳部の読みが必ずしも、間違っていたわけではなく、アメリカ軍の侵攻地点が、飛び石戦法を基本にしていたため、読みにない所、即ち防御の薄い所をついてきたためだった。

輸送を軽視していたという事実は、こういうことからも分かる。

1944年3月〜7月に掛けて行われたインパール作戦である。

牟田口 廉也中将が、強行したこの作戦ではジンギスカン輸送というものが行われた。

それは、牛や馬などを連れて行き、それを兵糧が無くなったら食べるというものである。

しかし、途中の山道で崖に落ちるものが続出し、何の意味もなかった。

このように、一見無茶に思えるようなことを合理的と考えてしまうあたりに問題があると言えるだろう。

このように、兵の練度がいくら良くても、それを活かせなければ意味がないのだ。

その辺日本軍、特に上層部の考えが甘いと言えるだろう。

その中で、海上護衛総隊が1944年に及川 古志郎大将の元で設立されたのであるが、回される駆逐艦は旧式艦が殆どでその後特設空母4隻が編入され更に、松型駆逐艦などを新鋭艦が配属されるようになったが、十分とは言えない物だった。

「たく海上護衛が一番必要だと言うのに、上層部の連中は何を考えているんだ。」

そう愚痴らずにはいられなかった。

現実問題として輸送を軽視しなければ、もっとましな戦況に成っていたはずなのである。

「伊400の戦果は良いが、使った燃料と比べると今では、意味がないのだ。」

最後にそう言って、部屋を出た。

第14話完

結局大井参謀の話になりました

なぜ?

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