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鴉と砂と少女(仮)  作者: コロッケ
こんにちは異世界
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異世界のドラゴン

とは言っても、どうしたものか。

離れたところから撃ち抜ければ良いが、妖力矢は威力がそう高くない。

と言うのも、妖力には術者から離れるとひどく拡散する性質がある。

猪の毛皮は易々と貫けたが、流石にあの鱗を貫くのは無理だろう。

それに、そもそも相手が遠距離の攻撃手段を持たないとも限らない。


と、考えている間にドラゴンが大きく息を吸う。

何を………!?


「ゴアァ!!」


ドラゴンが岩の弾丸を吐き出し、俺に向けて撃ち出す。

それを紙一重で回避するが、その弾丸は俺の後方の地面を深く抉る。

これは直撃したらマズイ、それに、砂の繭の中身は恐らく奏弥と美空だ。

それなりに硬度はありそうだが、それにしても直撃したらマズイかもしれない。


なるべく注意を引くように倒さなければ………


どうやら弾丸を放つにはインターバルが必要なようだ。

さて、ドラゴンの討伐、さっさと終わらせるか!


翼を広げ、低空飛行 それも、地を滑るように飛行し、ドラゴンに接近する。

そして、刀を使ってドラゴンの脚に一閃!


「硬い………が、斬れないほどじゃあないな」


斬った感触からして、硬度は鋼鉄と同等か少し硬いくらいだろう。

恐らく断熱性にも優れているだろうし、防具にすれば性能は良いだろうな。


今のダメージに一気に理性が飛んだのか、ドラゴンが前脚を振り下ろしてくる。

ギルドで絡んできた男のそれと比べれば何倍も早いが、まだ躱せるレベルだ。

特に慌てるでもなく、バックステップで攻撃範囲から逃れる。


「怨!」


声とともに妖力を放出する。

これは妖術の一種で、そこそこの範囲に黒い霧を発生させ、その中の生物の五感を奪うものだ。

まぁ俺自身にも効果が出るし、使いにくいものではあるが、第六感や妖力感知等は生きているから問題はない。


突然五感を奪われ、更にそれが初めての感覚であるなら、狼狽えない者は居ない

目の前のドラゴンも例に漏れず動きが止まっている。


あとは首を狙って………





さて、倒したドラゴンが大きすぎて、ここから移動することも出来ない。

仕方がないからこの場で解体するか。


まずは血抜きだ、どうやらドラゴンの構造はトカゲと大差が無いようだから、太い血管を切って血を抜く。

もしかしたら血にも使い道があるかもしれないから、刀と同じ要領で作った妖力の瓶に詰めておく。

それから腹を捌いて内臓を取り出す。

腸はしっかり洗浄したいが、水が余りないな……美空が出てくるまで置いておくか

肉と骨と皮、それから鱗に分けて………とりあえずこれで解体は終わりだな。

妖力の刀でバラすと、簡単に切れるから楽だ。


さて、そろそろ…


「奏弥、美空 ドラゴンは殺してバラした、もう出てきて問題ないぞ」


「了解ッス………おぅわぁぁぁぁぁ!?」

「はーい……きゃぁぁぁぁぁぁ!?」


ん? あ、そういえば。


「血みどろだったな、美空、水の魔法で洗い流してくれ」


「は、はい、わかりました………えっと、水珠(アクアスフィア)


美空が魔法で創り出した水の球体の中に入り、血を洗い流す。

ついでに美空に頼んでドラゴンの内蔵の洗浄も済ませた。

で、あとの問題は………


「これ、どうやって持ち運ぼうか」


「あ~……『アイテム確認』……ダメか、『ストレージ』……お、これなら行けたな」


なにやら奏弥がブツブツ呟いたあと、解体したドラゴンの骨に触れ、その骨が消えた。


「奏弥、何をした?」


「あぁ、これっすね

ストレージって言って、まぁ無限収納空間みたいなモンっす

多分先輩や美空にも使えると思いますよ」


「『ストレージ』か………お、これか?」


ストレージと呟くと、目の前に100×100くらいのマスが出てきた。

そこに瓶詰めしたドラゴンの血を入れようと考えながら瓶に触れると、瓶が消え、ストレージとかいう奴のマスの中に瓶が移った。

それに触れてみると、ドラゴンの血に対する説明文が見える。


『アースドラゴンの血液』

レア度:B+ 品質:A

ドラゴンの中でも地の属性を宿す、アースドラゴンの血液

地属性の魔法の触媒となる他、高位のポーションの原料となる

剥ぎ取り後直ぐに瓶に詰められたため劣化が少なく、高品質となっている


ふむ、どうやら処置はあっていたんだな、良かった。

と言うか、あれはアースドラゴンって名称だったのか。

とりあえず他の部位も見てみるか。


『アースドラゴンの岩石袋』

レア度:A 品質:A-

アースドラゴンのブレスである岩石弾を作り出す臓器

この臓器で生成される液体と大気が反応する事によって推進力を持った岩石が作られる


『アースドラゴンの鱗』

レア度:B- 品質:A

アースドラゴンの鱗

地属性に強い耐性を持つ他、熱に対する耐性もそれなり

また鋼鉄と同等の硬度があり、加工は困難である


『アースドラゴンの肉』

レア度:B 品質:A+

アースドラゴンの肉

ドラゴンの肉は総じて美味である

完璧な処置により、更に高品質となっている


『アースドラゴンの骨』

レア度:B 品質:A

アースドラゴンの骨

爪や牙に比べて加工が容易でありながら、武器として加工すれば高い性能となる

鍛冶の素材としては中級の上位であり、これを加工できれば鍛冶師として一人前と認められる


他にも内臓にもそれぞれ別々の説明があるのか。

まぁ、纏めてギルドに売りつければ良いな。

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