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鴉と砂と少女(仮)  作者: コロッケ
こんにちは異世界
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異世界の依頼

「とりあえず、討伐依頼を受けたいんだが良いか?」


「はい、討伐依頼ですね

 皆さんのランクでしたら、ゴブリン討伐、森イノシシ討伐、コボルド討伐等がありますが………」


まずは、二人に戦闘経験を積ませるのが先決だ。

そのうち対人戦、人を殺すことにもなるだろうが、その覚悟を決めさせるのはまだ段階が足りないな。

となると、人型の敵は避けたいところだが………


「奏弥、ゴブリン、コボルドってのは、どんな奴かわかるか?」


「ゴブにコボっスね?

 えっと、大体の場合、その二体は人型っスね

 ゴブは人より少し小さい醜い姿で描かれる事が多いっス

 コボは、犬の獣人のような姿の場合と、小さく醜い妖精の場合とがあるっスね」


となると、その二体は除外されて………


「わかった、ありがとな

 で、依頼は森イノシシの討伐で頼む」


「畏まりました、こちらの依頼は、倒したイノシシの数×銅貨2枚が報酬として設定されています

 最低で10頭は討伐していただけないと、依頼達成とはなりませんので、ご注意ください

 それと、討伐証明部位は鼻になってますので、そちらも忘れずお持ち帰りください」


「了解した、それでは、この三人で行ってくる」


「はい、貴方達なら万に一つということも無いでしょうが、お気をつけて行ってきてくださいね」


と、依頼を受けた俺達は、国の門を出て近場の森に向かう。

森イノシシというくらいだし、このあたりを探せば見つかるだろう。


「二人共、今回の依頼、ノルマは一人最低5匹だ

 今回の依頼の目的は、金策もあるが、一番の目的は二人の戦闘経験を積むことにある

 其々が5匹倒すまでは、俺も手を貸さないからそのつもりでな」


「了解っス」


「自分のギルド入会費は、それぞれ自分で稼げということね」


どうやらわかっているようだな。

これならまぁ良いか。


「最初の5匹は俺が倒す、相手の動きをよく観察して、自分の戦いに役立てろ」


そう言って、妖力を薄く周囲に放射する。

その妖力の反射を見れば、どこにどんな形の何かがあるか、どう動いているかがわかる。

まぁ、一種のソナーだな。


「まず一体………見つけた」


知っているそれよりは大きいが、イノシシと思われる反応を見つけ、その方向へ軽く石を投げる。

これが当たり、イノシシの怒りの感情が俺に向けられる。

イノシシの動きは、直線的なものが多い、故に二人と俺、イノシシが直線に並ばないように注意して………来た!


イノシシが木々の隙間から、俺を目掛けて駆けてくる。

俺は軽く……と言っても1m程だが、飛び上がってイノシシの背に手を置き、そこを支点にしてイノシシを飛び越える。

まぁ、これは二人には慣れるまでは出来ないだろう。


二人の戦い方は、上位スキルの構成から考えて魔法を使用したものになる。

だが、俺には魔法が使えない。

だから、妖術を魔法のそれに見立てて使用して見せる。

森の中での戦い故に、火や雷は論外、となると、水や土、風の妖術を使用したほうが良いだろう。

土は奏弥の砂操作を真似て使うと考えて、まずは風だな。


虚仮にされたと考えたのか、イノシシはなおも怒り狂って俺に向かってくる。

そこを大きく右に避けて、風の刃を放つ!


鎌鼬(かまいたち)!」


放ったのは風を圧縮して作り出した刃。

それがイノシシの前脚の腱を切り裂く。

それにより、イノシシは激しく転倒し、転がっていく。

動きが止まり、狙いを付けるのが容易くなったところで……


風槍(ふうそう)


鎌鼬の要領で、圧縮した風を槍の形にし、それでイノシシの頭を貫く。

着弾点に赤い花が咲き、1匹目の討伐は完了だ。


時間を開けずに妖力による探知を再開、近くにまた1匹を発見する。

先ほどと同じように石を投げて釣ってやる。


こんどは砂を操作して戦ってみせる。


「穴」


駆けてくるイノシシの足元に小さな穴をあけてやると、イノシシは穴に足を取られて転倒する。

そして転がってきたところに……


砂刃(さじん)


砂の刃を設置して受ける。

刃は非常に細かく振動していて、それに触れたイノシシは、真っ二つに両断される。


そして最後、近くに3匹のイノシシを発見し、そのうちの1匹にまた石を投げる。

釣られてきたイノシシは、残りの2匹も引き連れてきた。

この3匹は、俺の技で仕留めるか……!


前に1匹、後ろに並んで2匹の3匹で駆けてくるイノシシ。

先頭の1匹を、最初と同じように背に手を置いて飛び越え、妖力を極限まで圧縮して作成する刀を手に顕現し、背中側から一気に首を落とす。

これで、残り2匹。


刀を形成する妖力を右手と両足に集中、イノシシ以上の速度で走り、イノシシを追い、1匹の頭上に跳躍。

右腕を振り抜くと、なんの抵抗も感じさせずにイノシシの頭を貫く。

これで、残り1匹。


右手両足の妖力を再び刀の形状に戻し、腰の辺りに添える。

最後のイノシシが向かってきて、俺はそれを迎え撃つように刀を振り抜く。


すれ違い、数秒後。

イノシシの体が上下に分かれて、その命を散らす。

これで、3匹目。

俺のノルマは終わりだな。

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