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僕目線  作者: 梶村焔彌
1/3

入学

高校一年。


入学して間もない頃、僕は君と初めて出会った。



入学式当日。まだ冬が抜けきっていなかったのか、肌寒い風が吹き抜けるそんな中、クラス発表の紙を見るために、新一年生は玄関前に集まっていた。


「A組だって〜」

「D組…友達いないや……」

「○○〜、B組だって〜」


という会話が聞こえる。

見た人から順に玄関に入り、教室に向かう。

(僕は…G組……)


クラスメートの名前を見ても、知っている名前は存在しない。僕は、この町に親の転勤が理由で最近引っ越してきたばかりなのだから。

中学の時、これから過ごす町の高校を適当にネットで調べ、受けて受かったうちの一校、つまりはここ、紅華高校に入学する事にしたんだ。


「G組の一年生〜、こちらです」


僕がその声がした方に向かうと、先輩と見受けられる人が一つの封筒を差し出した。


「その封筒はホームルームで使う書類や、アンケート用紙などが入っている重要な物なので、無くさないようにしてくださいね。あと、あなたのクラスはそこの階段を上って四階の左側にありますよ」


最後に入学おめでとうと言われたので軽く礼を言い、その場を通り過ぎた。

言われたとおり、四階の左側に行くと、という文字が見えた。


(どうやらここのようだ。……中に数人いるな…)


教室からは少しだが話し声が聞こえる。声からして、女子数人が喋っているようだった。前のドアを開け、中に入っていった。すると、中にいた人達が話すのをやめてこっちを向いたが、それも一時でまた話しに戻っていった。


僕は黒板に書いてある席順を見て、自分の席を探した。席は横6列、縦7列だが7列目の席が3席分無かった。その中で、僕の席は3列目の前から3番目。教室の中央ぐらいの席だった。


(まぁ…前の席じゃないならいっか…)


席に座って鞄を机の横にかける。壁に設置されている時計を見ると、8時30分と針が指していた。


8時40分からホームルームが始まる予定と前もって連絡されていた。これは歩いているときに聞こえた会話からの情報だが、ホームルーム後は早速体育館に行って、各クラス各教科の担当の先生の紹介をされる…らしい。その後のことはまだ分からない。

けれども、どうせ中学と同じで自己紹介等だろうなと見当をつける。


僕は鞄から暇つぶし用に持ってきていた読みかけの本を取り出して、時間がくるまで読んでいることにした。

そして、本を読みながら時々教室に入ってくる生徒を見ていた。


その時、一度に大勢が入ってきたんだ(といっても5〜9人だけど…)。そのときに君は入ってきていたんだ。そう、一番最後に…。そのときの印象はとても薄く、ほとんど覚えていなかった。


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