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気が利くのか、鈍感なのか
◇
チャイムが鳴った。
「……」
七海は、ゆっくりと立ち上がった。というか、二人とも椅子に座っていたのか。
「……」
仁奈も立ち上がる。
「……私は、反対だから」
そう言い残すと、七海は図書室を後にした。
「清田の奴、帰ったのか」
少し遅れて魔緒の登場。七海が帰るのを待っていたのだろうか。
「……まおちん」
仁奈が振り返る。その表情はなにやら、言い表しがたいものがあった。
「んじゃまあ、教室に戻るか」
彼はそう言うと、一人で図書室を出て行った。
「……」
一人残された仁奈は、ただそこに佇むだけだった。




