第十三陣
森の中に一つの大きな屋敷、そこだけ拓けてて静かだ、屋敷というのは表向きだけで地下をカモフラージュするための囮である、屋敷は信征達の居住区となっていてかつては四奈もココに済んでいた、地下は大きな実験場などが数々ある、全て合わしたらテーマパークくらいはスッポリ入る大きさだ。
玉座に銀髪の髪の毛を立たせてメガネを付けた男が頬杖を付きながら座っていた、隣には細身で日本人離れした美しい女性が立っていた、そこは大広間のようになっており真ん中に和服に眼帯を付けて長い黒髪を簪で留めた和美人が一人、岩の上で寝ているこちらも眼帯を付けた四奈とさほど変わらない大きさで目付きが悪く髪の毛を後頭部で束ねた少女が一人、端の方には歳那と勇治と小さく幼い顔立ちに前髪を上の方で結んだ少年が一人、逆端にはガタイの良い優しそうな顔をした男が一人落ち着きなく歩き回っている、そして扉を勢い良く開けて入って来たのは普通にみたら女性のような青年だった。
「信征様すみません!ちょっと迷っちゃって」
青年は笑いって頭を掻きながら言った、そして玉座の男を信征と読んだ、信征は顔色一つ変えずに青年を見た。
「誰か蘭に道案内してやれ」
「てへっ!」
青年こと蘭は片目を閉じて舌を出した、そして真ん中にある和美人の隣に膝を抱えて座って和美人を見上げた。
「十子さん、まだ終わって無いよね?」
「ギリギリどすな」
「毎回毎回遅いんだよ!待たされてるこっちの身にもなれってんだ、この馬鹿蘭が!」
眼帯を付けた少女が天井を眺めたまま罵声を浴びせる、蘭は笑いながら眼帯の少女の所まで行って覗きこんだ。
「女の子なんだから口はおしとやかにだよ、正音ちゃん。そんな悪い子ちゃんの口にはチューしちゃうよ」
「拒否する」
正音は蘭を突き飛ばした、蘭は渋々十子の隣に座った、二人は顔を合わせて笑った、そして信征は合わせた手に顎を乗せた。
「半哉が死んだ」
全員の顔が険しくなったのに蘭と幼い少年だけは笑顔を崩さない、二人は緊張感というものを持参して来なかったらしい。
「殺した相手は四奈だ、追って行ったら返り討ちにされたらしい、なんとも愚かだ」
「キャハっ!四奈ちゃんが勝ったんだ、強くなったね」
蘭が一人で手を叩きながら騒いでる、周りはそれを気にしないでいる。
「四奈は敵に回った、敵とは武志を倒した次郎、そして巴嘩なるものと…………、経だ」
その言葉に歳那と勇治が笑った、幼い少年は二人が興奮してるのを不思議そうな顔で眺めた、二人はあの時の戦いを思い出していた。
「どうしたのぉ?二人とも楽しそう」
「あの時総羅はいなかったからな、アイツ俺らの前から人一人抱えて逃げやがった!」
「しかも巴嘩さんは美しい、今は更に美しくなってることでしょう、楽しみですね」
二人の思い出話をつまんなそうに聞いてる総羅、自分で聞いといて飽きるところが子供だ、信征はその三人を見て一言言った。
「お前ら行くか?アイツらを殺しに?」
「本当ですか?私は行きたいですね」
「俺も当然行くぞ!総羅も来い、アイツら絶対に強くなってる」
「分かったよぉ、行けば良いんでしょ、行けば」
総羅はムスッとした顔でふてくされなが了承した、そして三人は亀裂の中に消えて行った。
「我らの目的は日本の陥落だ、それに邪魔な障害は全て排除する」
「ねぇねぇ信征様、僕達のグループに何で名前付けないの?」
「そんなもの必要ない、名前はそれらを拘束する枷でしかない、心同じ者達は心を一つだけで足りる」
「何だかよく分からないけど分かった」
そういって蘭は広間を出た、優しそうな男もゆっくりと出ていった、十子は信征に一礼してカタッカタッと下駄の音をたてながら出ていくと同時に正音が消えた、残されたの信征と女性だけだった、女性は笑って信征を見た。
「信征様、私達の未来は明るいですよね?」
「秀美は何も気にする事はない、私が創る世界は私と秀美の世界だ、今が地獄と感じるくらいに明るいだろう」
「嬉しい」
二人はキスをしてその場から消えた。
龍奴は四奈から色々な情報を仕入れていた、外から調べた情報よりも内側にいた者からの情報の方が圧倒的に確かである、経と巴嘩は聞いても意味が無いのでテレビを見てる、次郎はタバコを吸いながら雑誌を読んでいる、5人が思い思いの時間を過ごしてると強い適合者の反応を三つ感じた、経と巴嘩が一番強い反応をしめした。
「勇治!?」
「あの変態野郎」
「もう一人は総羅みたいね」
四奈が苦笑して言う、経と巴嘩はすぐに立ち上がって部屋を出た、その時強い異端の反応も感じた、後ろから次郎が追ってきた。
「相手は三人だ、俺も行く」
「じゃあ私と龍奴が異端退治してくるよ、良いわよね、龍奴?」
「クソめんどくさいけどしょうがねぇ、適合者達はお前らに任した」
5人は外に出て各々の向かう先に消えた。
龍奴と四奈は河川敷まで来ていた、そこには通常より一回り大きい異端が100体近くいた、龍奴はめんどくさそうに魂脈の流れを速めた。
「龍馬、砲芒火彌」
龍奴の腰には二挺のリボルバータイプの拳銃があった、拳銃タイプの魂玉は真っ赤に燃えてるように見える、それを両手に構えた。
坂本龍馬、幕末に開国を論じた剣客、時代を見通して常に先端をいっていた、当時の幕府にとっては厄介な存在だった、宿で休んでいるときに暗殺された、暗殺したのは見廻り組が最有力といわれている。
「四奈、手出しは無用だからな」
「最初からそのつもりよ」
「HAHA!異端ども、俺の前に出てきたこと後悔するんだな!Good bay」
龍奴ははマシンガンのような勢いで火の弾を五月雨のように撃ち込む、龍奴は狂ったように打ち続けた。
「The end…………、じゃねえのかよ、何だよ半分しか死んでねぇよ、めんどせぇな」
龍奴は魂脈を逆回転させて地面に手を付いた。
「溶岩泉」
異端の足元が溶岩となって異端が吸い込まれていく、気付いたら白い蒸気だけがその場に漂ってた、龍奴は銃口に息を吹きかけると口から火が出た。
「See you next timeって言っても次は無いか」
「じゃあ帰ろう」
四奈がそういって帰ろうとした時だった、橋の上の空間に亀裂が入ってそこから銀髪のメガネをかけた男と美しい女性が出てきた、龍奴と四奈の顔は一瞬で険しくなった。
「「信征!!?」」
龍奴は気付いたらいなくなっていて信征と秀美の後頭部に銃口を押し付けていた、しかし二人は顔色一つ変えないで信征は龍奴を見た。
「愚かな弟までいたとは、計算外だった」
「クソが、今お前に選ぶ義務をやる、Heaven or Hell、さぁ選べ」
「その選択肢は却下だな、お前に私は殺せない」
「クッ!」
四奈と龍奴は体が重くなってその場に倒れた、体に何か重い物がのしかかって動けなくなった、しかし信征に二人を殺す気は無いらしい、そのまま去って行った。
「時期に楽になる、それまでそこでひれ伏せ」
「クソが!Hey!俺と戦え!」
信征と秀美はゆっくると歩いて行った、亀裂に入るでもなく高速移動をするでもなく、普通の人間と同じように歩いて行った、龍奴と四奈はそれを見つめる事しかできなかった。