表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幸せに

作者: 水無月らい

「結婚することになったんだ」


そう、聞いて内心はホッとしていたのかもしれない。


「おめでとう」


私はそう、彼に言った。


彼の結婚相手は私の親友。


私はずっと、彼が好きだったのにと。


でも彼からしたら私は幼馴染であり、悪友でもあり、兄妹みたいな存在。


それ以上でも、それ以下でもない。


親友からも


「私、彼と結婚することになったの。だから結婚式には必ず来て欲しいの」


そう言われ、私は断る理由はなかった。


胸が苦しかった。


好きな人を、横から取られたみたいで。


でも言えなかった。


彼を…親友を困らせたくなかった。


だから、結婚すると聞いてからは泣いてばかりで空元気な毎日。


苦しくて、胸が張り裂けそうで…言葉にならないくらいの痛み。


それでも親友は


「私ね、一番に貴方に報告したかったの!」


無弱に笑う彼女。私には、眩しくて…その言葉がどれだけ残酷なことなのか。


「だから、貴方におめでとうって言われて凄く嬉しかった。私、幸せになるね?」


そう言って、数週間後に彼と親友は挙式を上げた。


彼女はとても綺麗な白いドレスに纏われて、今までで一番綺麗だった。


大好きな彼の結婚式。


大好きな親友の最高の晴れ舞台。


私は、この想いを秘めたまま大好きな人たちを祝福しよう。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ