神様との再会
水晶に手を触れる。と同時に眩く光りだした。
前の子達こんなに光ってなかったけど大丈夫?
気づいたら私は大きな木の下にいた。転生前にネイア様と話したところ。ということはー。
「お久しぶりね。まぁ、貴女にとってはついこの前の出来事なのだろうけど」
やっぱり。そこには金髪金眼の幼女神、ネイア様が立っていた。以前と違うところは他にも神様がいるということ。
男性が2人と女性が1人。近づいてきて、
「コレが創造神様のところの神子か?うちのと比べると貧弱そうだな」
「あら可愛くていいじゃない!それに貴方のところの神子、男の子でしょう?それと比べるなんて失礼よ」
「そうそう、ボクんところもガラドのとこと比べると貧弱だけど平均ではあるからね」
そうだそうだーまだ発展途上だもん!
多方面から責められて若干しょげたように見える筋骨隆々のイケメン男神ーガラド様というらしいーが私を見て、
「すまぬ…」
と謝罪してきた。抗議はしたけどそんなに怒ってたわけじゃないので…。
「そうか、許してくれるか」
はい。
周りの神様に責められた時はしょぼんとしていたが、私の許しをもらうと途端に元気になった。素直。
「ガラドがごめんなさいねぇ、長い間神子を作らなかった創造神様が突然神子を作ったなんて言うものだから、興味があったみたい」
水色の髪にこれまた金色の瞳のプロポーションが大変素晴らしい美人なおねぇさんが、そうフォローしてくれる。カロン様と言うらしい。
「ガラドはデリカシーがないんだよ。そんなんじゃいつか神子に嫌われちゃうぞー」
黒髪黒目の美青年がそう脅かす。リュー様。神様は顔がいいな。
「ぐぅ、謝ったではないか!」
ネイア様はニコニコと微笑ましげにそれを見ている。神子のどうたらこうたらは後で聞くか。それにしても姦しい。
ねぇ、別に良いんだけどさ、本来の目的忘れてない?私固有スキル取得に来たんだけど…
みんな忘れていたようでピタッと動きを止めて、誤魔化し出す。
「わ、忘れてなどいないぞ」
「そうよ?楽しくて目的忘れちゃってたわけじゃないのよ?」
「そ、そうそう、コレはアレだよ、あのー…自己紹介みたいな!」
「「そう!」」
ネイア様の方を向くと。舌をぺろっと出して片目をつぶる。いやてへっ、じゃないよ!
「今から固有スキルを授けます。適性は…あら」
なになに?
「全てに適性あり、ですね。何か希望はありますか?」
全てに適性あり?なんでもできるってこと?
「まぁ言ってしまえばそうですね」
なんだその夢が広がる状態は!あでも選ばないと。いくつ貰えるのかな?
「4つですね」
4つ?!多くない?多くて3つだって聞いたけど。
「私の神子ですから。奮発しちゃいます」
良いのかそれで…。
「良いんです!」
えーじゃあ遠慮なく。
そうだなー、スキルをつくる固有スキルとか?料理好きだから料理系の固有スキルとか。刺されて死ぬのは一回で十分だから防御系の固有スキルも欲しいね。んーあとは成長促進とか?悩ましいね。
それから色々神様達と話して私の固有スキルは決まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーレイン Lv.1
種族 神狼
HP:100
MP:300
SP:200
固有スキル 能力創造、成長促進、難攻不落、奇跡の 料理
スキル 未取得
称号 勇者の娘、創造神の愛し子、神子
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おお、4つだ。奇跡の料理ってなんか良いな。特別感あるー。
さて。固有スキルの把握は後でするとして、不思議なことが一つ。他の子達もこうして神様達に会ったのだろうか?
「いいえ、貴女以外では他の神達の神子くらいですね」
他の神様達にも1人ずつ神子がいるみたいだった。どこにいるんだろ。他の子はどうやって固有スキル取得をしたんだろうか。
「頭に浮かんできた固有スキルの中から選んで終わりです」
割とシンプルだった。
「他の神子は…今はラギア学園に通っていますね。」
ラギア学園?
「はい。貴族平民問わず、魔法や剣などの才能のある人達が通う学校です。他の神子は貴女より2つから3つ年上ですから」
じゃあ私も通えるかな。
「通えると思いますよ。何せ私の神子なので。」
ない胸を張ってネイア様が威張る。
じゃあ人によって水晶の光り方が違ったのは?
「水晶を触るときの光りかたに差があるのは神の祝福の差です。貴女は私の祝福で強烈に光っていたので、あちらでは目立ってしまうかもしれませんね」
あちゃー。でも祝福をされてるだけで固有スキルはわかんないんだからまぁ良いか。
「そろそろ時間ですね。また会える日を楽しみにしていますよ。」
「私達の神子と会ったら仲良くしてあげてね。癖は少しあるんだけれど」
「よろしく頼む」
「よろしくー」
わかりました!癖がっていうのが気になるけど。
気づいたら元の教会で水晶に手を触れていた。手を離すと、
「素晴らしい、今まで見た中で一番の祝福の光だった!君、神殿に入る気はないかい?きっと民に愛される神官になるだろう」
神官さんが興奮気味にまくしたてた。
遠慮したい。
「私には過ぎる役目です。それに私は世界をめぐり、旅をしようと思っていますので」
他の神子さん達にも会ってみたいしね。
「そうか…無理強いは出来ないな」
残念そうに引き下がってくれた。
その後も固有スキルの取得は続き、夕方には終わった。7歳の子どもには少々退屈だったのではなかろうか。特に最後の方とか。まぁ取得はできただろうから満足だろう。
さあ、帰ろうか。
私は教会を出て、父と母が待つ馬車の方へ歩き出した。
やーっと固有スキル取得したー




