レイン
「……、……ン、レイン!!」
んん、何…?レイン?誰それ…まだ寝たい…なんか頭痛いし……でもこの声…とても必死そう…
ぼんやりと目を開ける。
「!レイン!あぁ良かった!どこも痛くない?」
女性が心配そうに私の顔を覗き込む。さっきから呼びかけていたのはこの人だったのだろう。
「…ぁたまいたい…」
最初の方は掠れて出なかったが、喋れた。幼い女の子の声だ。
「まだ痛むの?傷は治したし、血を失いすぎたのかしら…」
なでなでと私の頭を撫でる。そんな彼女の頭には…そう、ケモ耳が!
眠気は一瞬で吹き飛んだ。
触りたい、もふもふしたい…。あ、でも待って?
はたと思い出す。
私ネイア様にケモ耳がいいって言ったよね?
私は起き上がってそーっと自分の頭を触る。…ありました。ふわふわのケモ耳!このふさふさもふもふ感、いいね!
しばし感動に打ち震えていると、他にも痛いところがあるのではと女性を心配させてしまった。
興奮も落ち着いてきた頃、女性ー母らしいーに色々と聞いてみた。私は勇者である父とその仲間の神狼である母の娘。魔王を倒した後、2人は結婚し、私を授かったそうだ。私はレインというらしい。7歳。私は高い木に登って、足を滑らせて落ちた…らしい。そんな我が子が目覚めたと思ったら頭を触りだしたり、自分は誰だとか聞くもんだから、おかしくなってしまったのではと心配するのは当然だ。
いやーこの子の記憶、子どもらしくぼんやりとした認識しかないんだよね。流石に自分の名前はわかるよ?でもこの世界に関することとかわかってないみたいだから一応確認しときたいじゃん。だから母よ、やっぱり頭を打っておかしくなったのかしらとか言って額に手を当てて熱を測るのはやめておくれ。ないよ熱は!!正常だよ!!
まだ安静にしておいた方がいいと言う母の言葉に従って寝転ぶベッドの中で私は光る板?を見つめていた。自分のレベルなどを確認できるらしい。ステータス・オープンって言うと出てくる。
……そんなの見ちゃうよね!
レイン
Lv.1
HP:300
MP:200
SP:200
固有スキル
スキル
称号 「創造神の愛し子」
「神子」
「勇者の娘」
「神狼」
…おっと危ない。絶対に見せちゃいかんものが…。
なんだこの称号は?創造神?ネイア様のことか?愛し子も…。神子はまぁそう呼ばれてたし驚きはしないけど。これ神殿の人とかに見つかったら祭り上げられるやつじゃない?なんかそんな感じな転生モノあった気がする。やだなぁ、目立ちたくないのに。どうにか隠せないかな?
そう思った瞬間称号の「創造神の愛し子」と「神子」の部分が灰色になった。見えなくなったのかな?多分そうだろう。
「スキルは空欄か…」
7歳の子達は教会に集められてスキル取得をすると言っていたからそれまでは空欄のままなのだろう。
「なんか疲れた」
私はそのまま眠気に任せて力を抜いた。
物語が進まない…




