最近流行りのー。
不定期更新です。誤字脱字多いかも…。
感想くださるととても喜びます。
いつもの会社からの帰り道。
その男は突然やってきてなにやら訳のわからないことを言いだした。確か同僚の人だと思う。一度仕事を手伝った以外接点は特になかったが…。なんで他の男と話すのかとか、俺がいるのにとか…よくわからない。それより問題は男の手に包丁が握られていて、それが私のお腹に刺さっていること。
とめどなく血が流れ、私の体温を奪っていく。
痛い、痛い、いたい、イタイ…死にたくない…
薄れゆく意識の中、私は願った。
ー次の人生はもうちょっと長く生きたいなぁ。
その言葉を最期に私の意識は途切れた。
きらきら、きらきらー。
気付くと私はとても大きな木の下にいた。手足の感覚がないというかなんというか、実体を持ってない感じだ。きらきらと木漏れ日が心地いい。
ここはどこ?なんでこんなところにいるの…
「いらっしゃい、私の神子。」
そんな言葉とともに幼女が姿を現した。幼女だ。でもなんかいかにも超常の存在って感じの雰囲気だ。
神子って言ったか?神子ってことは神?
そんな私の考えはお見通しだったらしく、幼女ー神ー
は苦笑した。
「はい。私は神ネイア。貴女の魂を地球から別の世界へと引き寄せました。突然で訳がわからないとは思いますが、貴女には転生をしていただきます。」
???…てんせい?最近流行りの?
「そう、最近流行りの。」
えほんとに流行ってるの?
「正確には転移ですね。貴女の他にもこの世界には異世界人が多数います。彼らがやって来た手段は大体がこの世界の人間たちによる召喚ですーー…」
神様はそう言って私にいろんなことを教えてくれた。
この世界は魔法があるらしい。異世界系の作品が好きなら誰でも憧れる魔法ーそれがこの世界にはある。召喚された子達は勇者や聖女として扱われることが多いそうだ。
転生ってことは赤ちゃんになるのかな?
「はい、赤ん坊からと言ってもここでの記憶や地球での記憶が戻るのは7歳のスキル取得の前です。」
スキル取得?
「適性検査のようなものですね。適性があるスキルの中から選んで取得ができるのです。大体二つのスキルを取得します。たまに二つ以上スキルを獲得するも者もいますが…。」
へぇー。なんか楽しそう。死んじゃったのは残念だけど。
「貴女は不幸すぎた。歪んだ愛情を向けられ、果てには殺されてしまった。地球の神は放任主義ですからね、死んでしまった貴女の魂を地球の神がたまたま見つけて私の世界へ放り投げていなければ、そのまま魂が輪廻の輪に戻れず、彷徨い続けるところでした。」
放り投げるて…雑だな地球の神。
他にも色々とお話をした。地球の料理の話とかね。異世界でも再現できるかなー。
かなり長い時間経ったと思う。ふと、ネイア様ー呼んでって言われたーが、
「あぁ、そろそろ時間ですね。」と呟いた。
「話に夢中になってしまったわ。今から貴女を転生させます。種族の指定はありますか?」
え、そうだなー、ケモ耳っていいよね。他にもー
「では獣人族に転生ということで進めますー。」
え、ちょまだ悩んでる…のに…
ネイア様の言葉を皮切りに私の体は光りだした。さらさらと体が溶けていくような感じがする。不思議。
「貴女の人生に幸多からんことを…」
私の転生前の記憶はここまで。




