欲情と嫌悪のあいだ
――嫌悪と欲望――
俺は自分の心の中に生まれた嫌な感情を、どうにも消せなくて苛立っている。
美しい誰かに欲情する自分が、心底嫌いだ。
理性はわかっている。そんな感情は自然だし、人間なら当然だ。
だけど、理屈では割り切れない。嫌悪が勝つ。
なぜこんなに嫌なんだ?
たぶん、俺は自分を見失いたくないんだろう。
欲望に溺れたくない。
でも溺れている。
感情が暴れて、俺の理性は追いつかない。
理性はいつも後追いだ。
だから俺は、自分の中の欲望を睨みつけて、冷たく否定し続ける。
「そんなもの、いらない」と。
でも、その否定はいつも裏切られる。
欲望は簡単には消えない。
消そうとすればするほど、熱を増す。
嫌悪も欲望も、俺の一部だ。
でも嫌いだから、いつも喧嘩ばかり。
どうして共存できないんだ?
自分に嘘をつくことはできない。
だからと言って、この感情に振り回されるのも嫌だ。
もしかしたら、欲望と嫌悪を抱えたまま、ぐちゃぐちゃに生きていくしかないのかもしれない。
それが俺のリアルだ。
それでも、いつか、この迷路から抜け出したい。
自分の感情を恥じることなく、もっと誠実に向き合えるように。
今はまだ、そんな日は遠いけど。