逃げたいけどお礼する
「ノアゼット様に街に連れてってもらう?それってデートじゃない」
「ん?あ、そっか」
今度の休みのことをミリムに伝えると、呆れたようにそんな言葉が返ってきた。
そっか、デートか。婚約者だし、そうだよね。
「はぁー。ノアゼット様はデートのつもりなのに、可哀想だわ…」
「うっ…。今自覚したから、大丈夫、多分」
多分手も繋ぐし、デートっぽいはずだ。
洋服だってノアに沢山買ってもらったし。とはいえあまりに沢山すぎて、ほとんどあのお屋敷に置かせてもらってるんだけど。
学園では制服だし、出かけるのもたまにだから、そんなに必要ないし。
「エミリア、朝私の部屋に来なさい」
「えっ、なんで」
じっ、と目を見つめられて、なんか責められてるような気持ちになる。
「あなた化粧もあまりしないし、ヘアアレンジもしないでしょ。私がとびきり可愛くしてあげるわ」
「えぇ?いいよ、いつも通りで」
「あなたは良くてもノアゼット様のためよ!」
押し切られた。
別に化粧も苦手ではないし、といってもナチュラルメイクくらいしかしないけど。
でもこの世界の化粧品は、ローリアさんに頼んで必要最低限を買ってきてもらってる。私が外に出れないから、それで賄ってる、ってだけなのだ。
ヘアアレンジもしかり。ひとつにまとめるためのヘアゴムを2、3本しか持ってない。そんな必要ないところまでローリアさんにたかるわけにはいかなかったのだ。
「でも私、化粧道具もヘアアクセサリーも持ってないよ?」
「そんなの知ってるわよ。貸すから、言うこと聞きなさい」
「はぁーい。じゃあお言葉に甘えて、お願いしまーす」
私の方が年上なのに、ミルムのほうがお姉ちゃんみたいだ。
デート当日の朝、着替えてミルムの部屋に行き、メイクと髪型を整えてくれた。
見たことないメイク道具をミルムが使ってるのを見て、あぁ、あれはこれに使うんだ、とか、あれは日本で言うあれなんだな、と頭の中で知ってるものに置き換えていく。
鏡を見ながら自分の姿が変わっていって、驚いた。
ミルムはメイクもヘアアレンジも、とても上手だ。
日本ならメイクさんやヘアメイクさんになれただろう。
「凄い!若返った気がする!」
「それじゃ幼くなってんのよ」
20歳くらいの気持ちになった私が言うと、ミルムに呆れられる。
そうだ、ミルムたちは18歳だし、私も同い年と見られてるんだから、それより若くなったら子供だわ。
「ありがとう、ミルム。お土産買ってくるね!」
「お土産話も待ってるわよ!楽しんできてね!」
ミルムに見送られて、私は待ち合わせの寮の前に向かった。
「ノア!お待たせー」
「おはよう、エミリア……」
寮の門で待ってる姿でさえノアは様になる。そんなノアに声をかけると、ノアはこちらを向いて固まってしまった。
「エミリア…化粧してる?」
「え、うん。ミリムがやってくれたの。凄いよね」
化粧はいつもしてますけどね!
髪の毛もミリムがやってくれたんだよ、と後ろを見せるようにその場で一回転する。今日のワンピースに合わせて髪飾りは大きめのお花の髪飾りを付けてくれた。
我ながらとても綺麗だと思う、ミルム天才。
だけどノアは表情を固くして、私の手を取ると、何故か馬車が待ってる方ではなく、門の内側に入り寮の玄関の左側の脇道を通ってそこの木の影に私を閉じ込めた。
壁に両手を押し付けられて飢えた獣のようなギラついた瞳のノアは、私に唇を重ねた。
優しいものではなく、最初から深くて貪るようなキス。私の息継ぎさえ飲み込むようで、吐息も唾液も全て吸われてしまう。
この間から毎日キスは続けてるけど、こんなに余裕のない姿は初めてだ。
「ん、んぁ…ノアっ…んっ」
何も言わせて貰えない。
どうしたんだろう。何か地雷踏んだんだろうか。
怒ってるようには見えないけど…。
「はぁ、はぁ……ノア?」
ようやく唇を離されて、もう息が絶え絶えだ。それでも目の前のノアは少しだけしか息を切らしてないから、その差はなんなんだよと思ってしまう。
キスを終えたノアは、私の両手を壁に押付けたまま、私の首筋に顔を埋めた。サラサラの髪が首に触れてくすぐったい。
「……エミリアが、急に可愛くなるから、我慢できなかった」
はぁ、と艶めかしい吐息を漏らして、甘ったるい声を出す。どうしてそんなに色っぽいのか、ノアは。
「ねぇ、ずるいよ。エミリアに色んなところ見せてあげたいのに、そんなに可愛くされちゃったら、部屋に閉じ込めて愛でたくなるじゃないか」
「…それはちょっと」
「でしょ?…はぁ、誰にも見せたくない…」
ぐりぐりと額を押し付けられる。
ノアのこの奇行は、ノアが変態が故だったのか。納得。
「そもそもなんで急に可愛くしたの。」
「え?ミルムが、デートなら可愛くしなさいって言って、やってくれたの。……嫌だった?」
「嫌じゃない。凄く可愛い。可愛すぎて外に出したくない」
嫌かと聞くと私の肩の上で小さく首を振られる。
あー可愛い、とノアは何度か口にして、ようやく私から離れて手も壁から離してくれた。
「ごめんね。ちょっと最近理性が持たなくて。…行こうか」
いつもの笑顔に戻ったノアに手を差し出されて、その手を取った。
いつもより強めに握られるその手に、ノアは我慢してるんだな、と感じてしまった。
「ねぇノア、我慢してるならあまり無理しないで。私もノアの願い叶えたいよ」
私ばかり叶えてもらって、ノアだけ我慢するなんて。ノアがしたいことがあってそれを私が叶えられるなら、是非とも叶えてあげたい。
そう思ったけど、ノアは何故か笑顔なのに怒っていた。
「…エミリア、折角押し込んでる理性を壊すようなこと言わないでくれる?」
「え、ごめん」
なぜ怒られたし。
よく分からないけど、理性を持っていたいってことだ、ノアは。それを壊してしまったらどうなるのか分からないけど、今のノアの望みはそれなんだ。
「エミリア、僕が我慢しなくなったら、どうなると思う?」
分かってない私に、ノアが問いかけてくる。
我慢しなくなったら?
「えっと…たくさんキスする?」
「それだけで済むと思う?」
「う……閉じ込める?」
「閉じ込めてキスして、それだけ?」
部屋に閉じ込めてキスして、それだけじゃないなら…。
「…ごめんなさい」
「分かったようで良かったよ。」
ノアの理性ありがとう。それがなかったら私は襲われていたってことですね。それは私の望むところじゃありませんのでね。
でもそうか、そういう意味でノアは我慢してたのか…。
それは…我慢して欲しいやつだ。
「僕は結婚前にそうなってもいいけど、エミリアは違うでしょ?」
「……うん」
結婚前にやられたら、秘密がバレてしまう。それは嫌だ。絶対に嫌だ。
「うん、だからそこは絶対守るよ。でも結婚したら理性とか捨てるからね。覚悟しててね」
「……はい」
あぁ、結婚したあとがどんどん怖くなっていく。
「わぁ、お花がたくさん…!」
「花の街として有名だからね。」
馬車に乗ったのはたった数分で、すぐに街に着いてしまった。これくらいの距離なら歩けばよかったのでは、と思ったけど、ノアの気遣いを無駄にしたくもなくて何も言わなかった。
着いた街は至る所に花が植わっていて、街全体が花で彩られている。華やかで楽しそうな街。
馬車をおりた途端に香った花の香り。地面に散らばる花びら。なんだかおとぎ話の世界のようで、胸が躍る。
ノアと手を繋ぎ、街を歩く。ノアの領地の方で行った街とは雰囲気が変わって、新しいところにきたような感覚がある。
ノアの領地の方は大人が圧倒的に多かったけど、ここは若い人達が多い。学園が近くにあるっていうのも関係してるんだろうか。
きょろきょろ首を動かしてる私ははたから見たら田舎者だろうな。ノアは一緒にいて恥ずかしく思わないのかな。
そう思ってノアを見上げると、目が合ってしまってにこりと微笑まれる。
年下なのに、なぜか年上の余裕のようなものを感じる…!
学園のあるこっちの地方は冬でも暖かく、年中花が咲くらしい。だから花の街とされていて、その名前の通り売ってるものは花に関係するものが多かった。花の香りのポプリもとてもいい匂いだったし、ドライフラワーなんかも売っていた。
「花の香水…」
可愛い見た目のお店に入ってみると、中は香水のお店だった。
お花の香水が沢山あって、店内は爽やかな香りがしている。
「エミリアは香水付けないよね」
「うん?そうだね…。私はローリアさんに買ってきてもらう事になるから、必要ないものは頼まないの」
香水なんて高いのに、いるわけがない。元の世界でもあまりつけなかったし、支障はない。
「あ、でもノアの匂いはいい匂いだよね。これも香水?」
ふと思い出して、ノアの胸の当たりを嗅ぐと、爽やかな香り。清涼感があって、落ち着く匂い。これは結構好き。
「……うん、そうだよ。エミリアにもあげようか?」
「いや、いいや。慣れてないからつけるの忘れちゃうんだよね」
ありがとう、と言ってノアの申し出を断った。
もちろん花の香水も買う気はなかったので、一通り香りを堪能してから店を出る。
「そうだ、ミルムにお土産買っていきたいんだけど、いい?」
「もちろん。エミリアを可愛くしてくれたお礼を言わないとね」
わぁい。何買ってったらいいんだろうなぁ。
私はお金をノアに出してもらうことは、もう諦めて甘えることにしている。私はお金持ってないし、かといってローリアさんに借りても私のお金じゃないことに変わりはない。
最初はいつか返す!って言ってたけど、「婚約者に金を出させるほどお金が無いと思われてしまうから」「お金が無いと思われると領地の経営が上手くいってないと思われてしまう」とか言われて言いくるめられて諦めた。
体裁とか、そういうのもあるらしいし。
どっちにしろ今の私に稼ぐ手段はないし、ノアはお金持ちだし、甘えてしまってる。
「お花の香りの石鹸なんてどう?学生に人気だよ」
「…ノア、もしかしてこの街も」
「うん、調べたよ」
ノアがスパダリ過ぎる…!
でもそうか、お花の石鹸…。それもいいなぁ。
この世界でいう石鹸は、シャンプーのことだ。液体ではなくて固体なのだ。
だから花の香りの石鹸で頭を洗えば、きっと髪からお花の香りがするだろう。
「うん、お花の石鹸にしよう!」
そこから石鹸の店に行って、色んな香りを確かめて、ミルムに1番合うと思った香りの石鹸を買った。私も一つ買ってもらった。
それからも色んな店を見て、お昼になったのでお昼ご飯を食べた。今日は一般人向けの店に行って、半個室になってる席を頼んだ。
「おいしそう…!ノアはどれにするの?」
「んー…僕はこのシーフードグラタンにしようかなぁ」
「ふふ、ノアってシーフード好きだよね」
お昼ご飯もシーフード選びがちだよね、と言うと、ノアは少し虚をつかれたような顔をした。
自分がシーフード好きだって気付かなかったのかな?
まぁとにかく、私はこのトマトパスタにしようかなぁ。美味しそう。
ご飯はすごく美味しかった。ノアも美味しそうに食べてたし、やっぱりシーフードが好きなんだと思う。
ご飯を食べたあと、街を少し見てノアは劇団に連れてきてくれた。私がしたかった事のうちのひとつ。
わくわくしながら劇団の入口に並ぶ人達に次いで並ぼうとすると、ノアに手を引かれて違うところに案内される。
入口の列と少し離れたところに、少し豪華な入口があって、そこにいた劇団員にノアが何かを告げると、そこから中に入らせてくれた。
中に入って別の劇団員に案内され、階段を昇って通されたところは、ステージの正面の、やや高い所にある席。しかもカーテンで隣と区切られていて、椅子も一つ一つ広々として豪華で空間に余裕がある。
ステージの方を除けば下に沢山の観客席が見えて、そこは想像通りの観客席だった。
私のいるここは、所謂VIPシートってやつなのでは…?
「この席、高いんじゃない…!?」
「そうでも無いよ。普通の席の10倍くらい」
「た、たかっ!?」
じゅ、10倍!?
ミルムの話では、普通席が1人5千円くらいだと言っていたから…。5万!?一人5万!2人で10万!?
「た、高いよ!普通の席で良かったのに…!」
ノアはケロッとしているし、きっと高位貴族ってやつは想像以上にお金持ちなのかもしれない。
「僕がエミリアとゆっくりしたかったんだ。誰にも邪魔されたくなかっただけ。これは僕の我儘だよ」
「…ノアのばか」
「グレンにも言われたなぁ」
邪魔されたくないというのは本音だろうけど、1番見やすいところを取ってくれたのは私への配慮だろう。それを気にさせないために、自分が我儘言ったと言うなんて。
小さめの声で、ありがとう、と言うと、ノアは優しく笑ってくれた。
「はぁぁ、最高だった…!」
劇団を出て、歩きながら私は劇を思い出す。
まだ興奮が収まらない。とにかく最高だった。
「面白かったね」
「うん、すごく面白かった。あぁ、まだ興奮してる…」
凄い臨場感溢れてて、映画とは別物だった。気持ちが声や動きに乗っていて、とても魅せられた。
最後は結ばれない恋の話だったけど、リアリティがあって凄かった。
ううん、語彙力がないけど、とにかく凄かった!
興奮冷めやらぬまま、私はノアに連れられ馬車に乗り込む。
「ちょっと寄りたいところがあるんだけどいい?」
「もちろん!」
学園の寮ならすぐ着くはずが、馬車は30分くらい走らせた。
そして到着し、ノアが私の手を引いて馬車から下ろしてくれた。
「わぁ…!」
馬車からおりて目の前に広がっていたのは1面の花畑だった。
色とりどりの花が目渡す限りに広がっていて、とても圧巻で爽快だ。
色んな種類が咲いてるのにうるさく見えなくて、1枚の絵画のように見えるから不思議だ。
「す、凄い…」
小さな花も大きな花も悠々と咲いていて、私の心も励まされるように思えた。
ノアに手を引かれて、花畑の真ん中に伸びる道を進む。こんなに広いのに人ひとりいない。私達だけだ。
馬車が辛うじて見えるくらい、声は全く届かないくらいまで花畑を進むと、ノアは立ち止まる。
「ここはね、この地域を治める伯爵家の専用の花畑なんだ」
「えっ」
伯爵家専用の花畑ですと!?
だから人がいないし、こんなに広いのに綺麗に整えられてるんだ。
「そ、そんなところに来ちゃっていいの…?!」
「許可はとってあるよ」
あ、そうなんだ。そうだよね、許可なしに入るわけないよね。
というかわざわざ許可とって連れてきてくれたのか…。てか入らせてくださいって言って入れるものなんだ…。
「ここでエミリアにして欲しいことがあるんだ」
「えっ、なに?」
ノアが私を見て言うので、思わず身構える。
こんな所で私に何をして欲しいって言うんだろう?
あんまり私にして欲しいこと言わないから、ノアの望みなら叶えてあげたい。
ノアは少し遠慮がちに、私の様子を伺っている。
「人払いもしてあるし、馬車も護衛も遠ざけたから……歌を聞かせてくれないかな」
なんだ、歌か!それくらいなら全然!
というかそのためにもしかして人がいない花畑を借りてくれたのかな。
「いいよ!今日はどんなのにしようか…」
ノアの前で歌ったあの日から、私はノアの前で何度か歌っている。
といっても、最初の時のように全力で歌うことはしてなくて、ノアの前で口ずさむくらい。
それでもノアは気に入ってくれて、部屋にいると強請られるからよく歌っていた。
だけど今日ここは外。全力で全身で歌えるだろう。
「うん、決めた。今日はあの歌にしよう。……聴いてくれる?」
「もちろん」
ノアを見ると期待の籠った眼差しが返ってくる。
それを見て私はノアから数歩離れて、息を吸う。
それは恋のうた。
失恋でも両思いでもなく、ただただ楽しい恋のうた。恋をするのが如何に楽しくて尊いものか、人生を彩る大切なものだと分からせるような。
伴奏の代わりに風が花を揺らしていて、観客はノア1人。
ただ1人のノアのためだけに、私は歌った。
歌い終えて、ワンピースを片手で持ち上げ腰をおり、軽く頭を下げる。
ノアはそれを見てぱちぱちと拍手を贈ってくれた。
「素敵だった。すごく心に響いたよ」
「ふふ、ありがとう」
「何度聴いてもいいね、これは。うん、これを僕一人が独占してるのはとても贅沢だ」
ノアはいつも私の歌を絶賛してくれる。
だけどちょっと言い過ぎだと思う…。
まぁ凄く気に入ってくれてるから、そんな野暮なことは言わないでおく。
「ノアが望むならいつでも、幾らでも」
歌うことくらいで喜んでくれるなら、どれだけでもやるのに。
ノアは嬉しそうな顔をしていて、本当に喜んでいるようだ。
あ…そうだ。
「今日はもう一曲、歌っていい?」
「もう一曲歌ってくれるの?嬉しい」
ぱぁっと顔を綻ばせたノアに、提案してよかったなと思った。
ノアからまた離れて、私は次の歌を歌った。
次は恋でも愛でもない歌。生きることを応援するような、生きてるだけでいいと励ます歌。
今日という日がとても素敵な1日なんだと、教えてくれる歌。
ノアのおかげで、毎日を楽しめるようになった。
怖くて怯えて引きこもってた私を、光のあるところに連れてきてくれた。
私の不安を拭ってくれた。
ありがとう。
おかげで今、とても楽しい。
ぱちぱちぱち。
「なんだか励まされる歌だね。前向きな気持ちになれる」
「いい歌だよね。私も好きなんだ」
気持ちが上を向いてきたから歌おうと思えた。そしてこの歌の気持ちがノアに伝わってくれて、とても嬉しい。
私たちは目を見つめあって、夕焼けの中軽くキスをすると、手を繋いで花畑を歩き出す。馬車のある方へと。
「花に囲まれて歌ってるエミリアは天使のようだったよ。凄く見蕩れた」
「そう?ありがとう」
「とても綺麗だったから、屋敷にも広々とした花畑を作ろうかな。…いや、温室にして防音の魔道具をつけた方がいいかな?」
そんなに気に入ったの?花の中で歌う私を。
ノアは本気で考えているようで、考えを巡らせている。あそこなら広さは十分で…とか呟いている。
「ノアが望むなら、どこでも歌うよ」
「僕は幸せ者だなぁ」
そう言いながら笑うノアの横顔は、本当に幸せそうに笑っていたから、思わずドキッとしてしまったのは、内緒だ。




