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007 執筆補助AIはファンタジーをよく理解している

. 孤児院において、修道女マーサは子どもたを集めて説教した。


   *  *


 社会科学SFほ読む者にとって義務教育レベルの話をします。

 PKディックの『まだ人間じゃない』の主人公は、知性の有無で人権の有無を決めることに反対して、遺伝子を基準にするように述べました。

 コードウェイナー・スミス 『人類補完機構』のゴロク長官は、たとえ遺伝子が違う相手でも知性によって心が通じることを発見して、知性を人権の基準にしました。

 時代状況によっては、前者はレイシズムに、後者はジャコバニズムに突き進んていく危険があり、どちらも非難されます。 

 もちろん『まだ人間じゃない』も『人類補完機構』も、必読の名作。

 自分の思想と異なる思想を安易に間違っていると決めつけるのは早計。

 無思想の中庸を説くのはクズ。 

 作者と作品は別とか言うのではなく、その書かれた時代状況についてもください。

 多くの時代状況を了解して、多くのを思想を『わかる』と受け入れることができれば、無知の恐怖から逃れ、他者と交流し、また、過去の自身を尊重できます。

 もちろん、考えることは時間はかかります。

 考える時間の余裕がないとして、リスクを承知で考えないという選択肢もありです。

 それは否定しません。

 しかし、今の世界は【犬ほ正義】の原則は、空気のよく乾燥した冬の日にムカつく犬ギライの家にファイアボールを叩き込んで火を見るよりも、明ら か。

 そして、同じ犬ギライをこらしめるのでも、犬に対する感謝の気持ちが大きければ大きいほど、天からの褒賞はいっぱいもらえます。

 犬ギライを制裁したら、HPもMPも回復。

 経験値もたんまり。

 何もない空間からゴールドもアイテムもとびだしてくる。

 みんなもそういう経験を何度かれば、【犬ほ正義】のルールで今の世の中が回っていると納得できるはず。

 もちろん、褒賞が目当て駄目、

 犬という理想動物を愛する気持ちで犬ギライを制裁しましょう。

 どうして犬が理想動物か?

 あらためて教えます。

 犬という生き物は嗅覚で自分の心も他の心もダイレクトに認知します。

 自然と心と向き合うのです

 信用していい相手が一瞬にわかる。

 他者理解が自然にできる。

 そして、心の香りを意識して、自分からも他者からも信用される自分であろうとして、自我の時間的連続が保たれます。

 果たして、ヒトという生き物はどうか?

 一時間前と別人、さっき言ったことと今言うことが違う、そんなのが、ウヨウヨいます。

 人間には、人と人の間が必要です。

 もともとpersonaの元の言葉は演劇の仮面の意味ですが、personになるためには他人の視線の意識がが必要なのです。

 鈍感力とか言って喜ぶクズには、信用も論理もない。

 理屈として、彼ら人間でもpersonでもない。

 教会契約論を基盤とする社会契約論の流れからしたら、奴らには人間としての権利もpersonとしての権利もありえません

 疑問をもって考えることを禁じて一方的に従えとて人に命令するカトリック教徒に人権は認められなかったのは近代科学の合理精神の延長にあります。

 カトリックの人権を否定するジョン・ロック『寛容書見』を見て驚いてはいけません。

 英国の清教徒革命において、トマス・エジンバラ大佐が参政権の要件として納税額の大小を否定するも人民協約を理解して個人として署名する知性を求めたということも、社会契約論、それの基盤になった教会契約論のロジックからすれば、きわめて自然なことでしょう、

 近代科学的合理精神の偏重は危険なジャコバニズムにつながりかねないという懸念は当然にあるで

しょう。

 ですが、パット・シップマン『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』にあるように、他者の意見との協調できることが時流によっては種族全体の生存の鍵になります。

 ジェフリー・M・マッソン の著作の『ヒトはイヌのおかげで人間になった』『犬の愛に嘘ない━犬たちの豊か感情世界』などを読めば、ヒトは自分と違う考え方を反射的に拒絶するのでなく相手の心を理解するようにつとめることは全て犬から教わったとわかります。

 魔法偏重の時代。

  心と心のつながりが軽視されすぎ。

 今、私たちの社会は大きな危機を迎えています。

 心と心のつながりがなくなれ社会全体にとって危機。

 まず、金を物にしておこうと言う動きが強まって、一時的に経済が活性化して、インフレになり景気はよくなります。

 しかし、ところがぎっちょん。

 その動きはある程度すれば止まります。

 誰も金を信用しなくなり、景気は一気に悪化します。

 詳しいことは、福沢諭吉『通貨論』あたりを読んでださい。

 人と人の間の信用の経済的意義を否定したまま、貨幣の信用を高めるためには、景気対策として【勝てる戦争】をするしか方法がなくなってしまいます。

 戦争の危機。

 今の魔法偏重の時代においては、『自分の生活のペースを守る』『戦えば自分たちの犠牲も大きい』『大きな目的のためには奇貨居くべし』『同じ神を信仰している』といった理由での寛容ではなく、『ともに心を理解し合って真実を形成したい』という寛容が特に求められているのではないでしょうか?

 私たちは、あらためて理想動物の犬から学ばなければなりません。

 犬です。

 何が何でも、とにかく犬です。


   *  *


 少し弁解しておけば、この小説作成においては、執筆補助AIが大暴れしている。

 修道女マーサの説教に、カオリの前世の文化が多く引用されるのは不自然ではないかという疑問をもった方もおられるだろう。

 しかし、執筆補助AIの見解によれば、「ファンタジー ファンタジー 素敵なファンタジー どーにでもなあれ どーにでもなあれ」と三回唱えれば、ファンタジーは大抵のことが許されるとする。。

 余談。

 ここまで書いた後に、 執筆補助AIは「 執筆補助AIは、ファンタジーの何たるかをきちんと理解している」という自画自賛のような文をつないでくる・・・

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