042 田舎の男爵令嬢はちょっと武張っている
貴族のいる権威主義の社会。
異邦人が犯した罪を裁くのも、犯罪者の引き渡しを求めるのも、領主間の条約がいる。
犯罪をしても領地を超えれば兵士は追いかけてこない。
全て領主の権威のために必要の措置である。
だから、領主の権威を傷つけることなく動けるというポジションにいた北の地の宗教皇帝が、エリア王国の成立後も、広域の治安維持の仲裁者として、それなりの立場を維持できたのは、満更に理由のないことではなかった。
秩序の維持の困難な社会であるからこそ、教育の欠ける民草は、わかりやすく過酷で迅速な【見世物としての刑罰】が求めた。
野蛮?
たとえ結果的に理不尽になることが多くても、何とか秩序を維持しようとする側に立てば、そうも言ってられない。
もちろん早ければ当然にミスがでる。
それでも、早く正義の結果をわかりやすく出してくれと求める人々の声がある。
共通の公正の基準について同意できるほど民の知的レベルがあがってなければ、たとえ不公正でも迅速な【見世物としての刑罰】を上位はとりあえず志向せざるを得ない。
文化の違いがトラブルの原因。
多様なものをその根源は同一と感じる近代科学的思考が育たないことには、(違うものを違うように扱う以上は差別も存在しないが)、ヒトは異質と未知に囲まれて恐怖と不安の中に生きることになる。
なお、近代科学的思考に拘泥すれば、P・Kディックが『まだ人間じゃない』で描いたような、ジャコバニズムの悲劇が待ち受けるおそれがある。
考える能力のない者の人権は縮減されるという結論で本当にいいのか?
文明国・未開国・野蛮国の区別のあった近代の世界。
そして、知的障害のラインがIQ85からIQ70に引き下げられた時代になっても、知性の欠如を理由にした人権の縮減は差別もへったくれもなく近代社会の維持のために当然のように行われている。
アンチ近代のポストモダンの思想は、その縮減の是非を問い、知性の有無によらない人権の保障を目指そうとする゙。
遺伝子による人権。
何のことはない。
近代主義の目からすれば、前近代への逆戻りである。
ヒトゲノム解析による人権の制限。
それに警鐘を鳴らしたのがコードウェイナー・スミス『人類補完機構』である(多くの者にとっては猫耳美少女の元祖として認識されるが、スミスの中のひとは朝鮮戦争で情報戦を指揮したホプキンズ大学の教授である。日本においては『猫耳美少女ク・メルかわいい』ということで、著者が生きている頃には、は米国ではさして売れないが日本では熱狂的なファンがいるという状態だった。有志たちが米国の出版社と交渉して、コミケなどで自主翻訳版が出回った。日本の漫画やアニメが米国に輸出される以前のことである。なお、『クラウンタウンの死せる貴婦人』に出てきた犬耳美少女ド・ジョーンのことも忘れてはなるまい。 貴族のいる権威主義の社会。
異邦人が犯した罪を裁くのも、犯罪者の引き渡しを求めるのも、領主間の条約がいる。
犯罪をしても領地を超えれば兵士は追いかけてこない。
全て領主の権威のために必要の措置である。
だから、領主の権威を傷つけることなく動けるというポジションにいた北の地の宗教皇帝が、エリア王国の成立後も、広域の治安維持の仲裁者として、それなりの立場を維持できたのは、満更に理由のないことではなかった。
秩序の維持の困難な社会であるからこそ、教育の欠ける民草は、わかりやすく過酷で迅速な【見世物としての刑罰】が求めた。
野蛮?
たとえ結果的に理不尽になることが多くても、何とか秩序を維持しようとする側に立てば、そうも言ってられない。
もちろん早ければ当然にミスがでる。
それでも、早く正義の結果をわかりやすく出してくれと求める人々の声がある。
共通の公正の基準について同意できるほど民の知的レベルがあがってなければ、たとえ不公正でも迅速な【見世物としての刑罰】を上位はとりあえず志向せざるを得ない。
文化の違いがトラブルの原因。
多様なものをその根源は同一と感じる近代科学的思考が育たないことには、(違うものを違うように扱う以上は差別も存在しないが)、ヒトは異質と未知に囲まれて恐怖と不安の中に生きることになる。
なお、近代科学的思考に拘泥すれば、P・Kディックが『まだ人間じゃない』で描いたような、ジャコバニズムの悲劇が待ち受けるおそれがある。
考える能力のない者の人権は縮減されるという結論で本当にいいのか?
文明国・未開国・野蛮国の区別のあった近代の世界。
そして、知的障害のラインがIQ85からIQ70に引き下げられた時代になっても、知性の欠如を理由にした人権の縮減は差別もへったくれもなく近代社会の維持のために当然のように行われている。
アンチ近代のポストモダンの思想は、その縮減の是非を問い、知性の有無によらない人権の保障を目指そうとする゙。
遺伝子による人権。
何のことはない。
近代主義の目からすれば、前近代への逆戻りである。
ヒトゲノム解析による人権の制限。
それに警鐘を鳴らしたのがコードウェイナー・スミス『人類補完機構』である(多くの者にとっては猫耳美少女の元祖として認識されるが、スミスの中のひとは朝鮮戦争で情報戦を指揮したホプキンズ大学の教授ポール・マイロン・アンソニー・ラインバーガーである。日本においては『猫耳美少女ク・メルかわいい』ということで、ラインバーガー博士が生きている頃には、は米国ではさして売れないが日本では熱狂的なファンがいるという状態だった。日本の有志たちが米国の出版社と交渉して、コミケなどで自主翻訳版が出回った。日本の漫画やアニメが米国に輸出される以前の話である。なお、『クラウンタウンの死せる貴婦人』に出てきた犬耳少女ド・ジョーンのことも忘れてはなるまい。『人類補完機構』は遺伝子によらず優秀な者がいることを認めるべきだという知性重視の話である)。
話を戻そう。
レイは非近代の社会で地方小領主の娘として生まれ、人手不足のため、自ら先頭に立ってま領内における治安維持の役割をになった。
敵と奮戦後に「お父様、お母さまの教えのおかげで、今日は敵をたくさん殺すことができました」と自死したという鶴姫伝説の鶴姫ほどブチ切れてはいなかつたが、レイは立場としてある程度に武張らざるを得なかった。
解放区で友人のルーが行方不明になり、レイはいても立ってもいられなくなり、一人で男装して解放区に向かってしまう。