表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第一話 営業第一課(中編)

 古家幸子(こいえさちこ)には秘密がある。彼女はつい最近まで、長年人間の生活に憧れていた「座敷わらし」であった。自分も人間になって社会生活を送ってみたいと願い、自らの力で大人の女性に生まれ変わったのであった。


 そんな幸子が大手食品メーカーの営業第一課に着任してから一週間が経過すると、この営業第一課に大きな変化が起きた。

 なんと、言葉の鞭を振るう芹沢(せりざわ)課長が、突然何の脈絡もなく、部下のいない「特別ポスト」に異動することになったのだ。そして新しく、爽やかで人当たりがよいことで有名な恩田(おんだ)課長が営業第一課に課長として配属されることとなった。

 恩田課長は、部下の意見を尊重しながら指導を行うことにより、営業第一課を成長させた。恩田課長のリーダーシップの下、営業第一課は次第にチームワークを取り戻し、職場の雰囲気も一変したのであった。

 恩田課長なら部下も気兼ねなく複雑な案件を持っていったし、恩田課長も「またろくでもない案件を持ってきやがったな!」と笑い飛ばしてくれた。


 元座敷わらしの幸子は、そんな新しい課長の下で、のびのびと仕事をした。

「取引先から食事に誘われちゃいました!2人だけってのも嫌なので、課長も挨拶がてら一緒に来てくれませんか?」

「新しい取引先をゴルフに誘ったら、のりのりのお返事もらっちゃいました」

 古くからの取引先とも明るく楽しく仕事をしたし、新しい取引先も開拓していった。好きなことを好きなようにやってのけた。そんな天真爛漫な幸子は、取引先にもたいそう可愛がられた。

「人間って、仕事の一環だと言えばゴルフして遊べるし、接待と言いながら美味しいご飯が食べられる。面白い!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ